106.春休み・(皇子、皇女御一行様③)
私が台所に戻ると鍋焼きうどんもちょうどできたところだった。
「お待たせしました!お腹ぺこぺこ!」
と私が言うと、師匠は
「じゃあ、いただこう。」
と言った。私達は声を合わせていただきますをすると、鍋焼きうどんをずるずると啜った。すると父がやって来て、
「僕も仲間に入れてもらおっと。」
と言って私の隣に座った。私は
「お茶入れようか?」
と尋ねると、父は
「さっき飲んだばかりだから大丈夫。」
と答えた。すると師匠が、
「正敏、彼らについてなくていいのかい?」
と尋ねた。父は
「あぁ、智之くんもいるし大丈夫です。」
と答えた。・・・あぁ、なるほど。やはり馬鹿皇子と、風花様は何者かに狙われていて、それでここに来たのか。だから馬鹿皇子は眼鏡をかけて、風花様は男装をしていたのね。
それから私は学校の事(特にうどん同好会について)、勉強の事、修行の事、花見をした事などこちらに来てからのことを話しながら鍋焼きうどんを食べた。父は、
「楽しくやってるんだな。よかった。安心したよ。それにさっき師匠とやっていた1本勝負をちらっと見たけど短期間で腕を上げたな。びっくりしたよ。頑張ってるんだな。」
と褒めてくれた。すると師匠が
「当たり前だ。私が指導してるんだから。」
と言うと父は、
「それもありますが、このはの努力の賜物です。うちのこのはは頑張り屋さんだから。」
と言って私を褒めた。すると師匠は
「はいはい。親バカはほどほどにね。」
と父に言った。




