表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/260

105.春休み・(皇子、皇女御一行様②)

「ふう。さっぱりした。」

私は師匠が出してくれた下着と作務衣に着替えて、髪の毛をおさげに結った。洗った下着や作務衣を外の物干し竿にほして台所に向かった。師匠に

「しっかり温まったかい?」

と聞かれ、私は

「はい。とても気持ちよかったです。ありがとうございました。」

とお礼を言った。師匠は

「先にみなさんに挨拶をしておいで。居間にいらっしゃるよ。正敏達はもう食事を済ませたって。このはが挨拶してる間に麺を茹でておくからね。」

と言った。土鍋にはネギに油揚げに蒲鉾に、椎茸、花の形の人参にかしわ。具沢山でおいしそう!私は

「鍋焼きうどん?おいしそうですね!すぐに挨拶してきます。」

と言って、私は居間に行った。襖の前に正座して襖越しに

「このはです。ご挨拶に参りました。」

と声をかけると、

「どうぞ。」

と馬鹿皇子の声がした。引き手に左手をかけゆっくりふすまを開けた。すると私がご挨拶をする前に、父がこちらにやって来て、

「このは、元気だったかい?怪我とかしてないかい?師匠の修行は大変で、父さんのことが恋しくなってただろ?」

と立て続けに話し出し、私をぎゅっと抱きしめた。私は

「元気だったよ。後でゆっくり話を聞くから。」

と言って父から離れると、私は

「ご挨拶が送れました。芦屋このはと申します。よろしくお願いします。」

と挨拶をした。するとスーツを着た美女がこちらにやって来た。この方が風花様だ。

「やっと会えた!私、風花と申します。このはさんにずっと会いたかったの!去年の12月、うちに居た魔物をやっつけてくれたでしょ。その時、私、居なかったし、先日、このはさんの学校にお伺いした時も会えなかったから。私、桜華からあなたのこと色々聞いて・・・。」

と言うと、馬鹿皇子が

「お姉様!」

と話を遮った。・・・どうせ私に聞かれては困るような悪口でも言っていたんだろう。まっ、どーでもいいけど。さっさと話を終わらせてご飯食べよ。うどんがのびたら大変。私は風花様に会釈をしてから改めて、

「では、皆様長旅でお疲れでしょうから、私はこれで。失礼致します。」

と言って部屋を出ようとすると、今度は馬鹿皇子が、

「待って!もう大丈夫なのか?」

と尋ねた。私は

「はい。大丈夫です。先程は大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。それでは失礼致します。」

と深々と頭を下げた。そして襖を閉めようとしたら。又馬鹿皇子が

「あ、午後から・・・。」

と言った。その途端私のお腹が

ぐ〜〜〜!

と大きな音を出した。私は

「あ。」

っとつい声に出してしまった。その瞬間気まずい空気が流れた。恥ずかしい。すると馬鹿皇子は申し訳なさそうに

「まだ昼を済ませていなかったんだよな。引き留めて悪かった。」

と言った。・・・ふん!笑いたければ笑えばいいのに。同情されるとますます惨めな気持ちになるじゃん!私はさっさとここから立ち去りたかったので、

「それでは、失礼致します。」

と言って襖を閉めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ