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1.私が大嫌いな奴ら①

「は?メイドのくせに俺に意見する気か?」

そう言って椅子に座っている少年(14、15歳くらい)はコップの水をメイドにバシャっとかけた。周りにいる4人の取り巻きの少年達はそれを見て笑っている。水をかけられたメイドさんは泣きだしてしまった。

「はぁ〜。最低な人たちね。」

私の口から思わずため息と本音が出てしまった。

桜華おうか様、おやめください。」

と70過ぎくらいの執事が止めに入ると、取り巻きの1人が執事を突き飛ばした。桜華様と呼ばれている少年は、

「お前たちは主人である俺の言うことに黙って従っていればいいんだ。」

と言ってテーブルに置いてある葡萄を一粒口に入れ、その皮をぷっと倒れた執事に向かって吐き出した。

 私は彼らの元へ行き、

「これ、使ってください。」

濡れて泣いているメイドに手ぬぐいを渡し、尻餅をついている執事には

「立てますか?」

と尋ねるた。

「腰が・・・。」

と辛そうにしていたので、私は彼が立ち上がるのを手伝い、

「あちらのベンチに。」

と言って肩を貸した

「おい、女、勝手に何やってんだ。」

と取り巻きの1人(わかりにくいので彼を取り巻き①としよう)が偉そうに吠えている。ここにいる5人の馬鹿そうな奴らと話すのは時間の無駄だが、うるさくて不快なので、

「メイドさん。すみません。蝿がうるさいので、執事さんをお願いできますか?」

と頼むと、メイドは執事に肩を貸しベンチの方へゆっくり歩いて行った。私は彼らの方を振り向くと、取り巻き②が私の元に歩いてきて、

「お前、何?俺たちが誰だかわかってんの?」

と上から目線で言ってきた。いちいち相手にするのは面倒だなぁ。馬鹿に何言っても通じないしなー。そんな事を考えていると、桜華と呼ばれている一番偉そうな奴が、

「俺は第二皇子、鷹司桜華たかつかさおうかだ。」

と聞かれてもないのに名乗った。へぇー。そうなんだ。こんな馬鹿が第二皇子だったんだ。私は日本帝国の第一皇子がまともな人でありますよーに、そして第一皇子が健康で長生きしますよーにと思わず祈ってしまった。もし、第一皇子に何かあり、権力だけを持ったこの馬鹿皇子が将来帝国のトップになったら碌なことにはならないのは目に見えている。私は

「だから、何ですか。」

と答えた。私はこんな馬鹿な人達と話をするのは時間の無駄だと思いながらも一応彼は皇子らしいので、後で面倒事にならない様に一応答えてやったのだ。馬鹿皇子は

「な、なんだよお前、第二皇子の俺に失礼な態度をとりやがって!どうなるか、わかってんのか?」

と私を睨みながら言った。

「私の首を刎ねますか?」

と私は馬鹿皇子に尋ねると、

「そうだな。お前みたいな生意気なブスにはお似合いの最後だな。」

と答えたので、私は

「では、そうしてください。第二皇子が皇帝陛下に招待された客人を生意気で、ブスだから殺したと。それはそれで面白いですね。」

そう言いながら着物から懐刀を出し皇子の足元へポイと投げた。

「どうぞ、お使いください。」

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