U-05-03 吾輩は死んでいる
◯U-05-03 吾輩は死んでいる
・発生場所◇青薔薇棟、一階内接キッチンA、勝手口外側
・危険度◇E
・詳細
青薔薇棟の一階内接キッチンA、勝手口から出て右側に設置してある高さ約八十八センチ、口直径五十六センチほどの水を張った水瓶の中に猫の溺死体が現れる現象。
猫の種類はランダムで、最も多いのは茶トラと称される模様の猫だとされている。
水場に溺死体で出現する以上のことは起こらず、不気味であるだけで危険度は最も低い。
調査により、猫の出現は神聖魔法学科所属の生徒が好奇心により死亡した際に起こることが判明している。
水瓶の水を毎朝変える当番二名が選定され、一週間ごとに当番が進んでいくものとする。
水の中に猫が死んでいた場合は教員に連絡し、青薔薇棟内の点呼を実施。当番は映像記録をとってから水を排水溝に流すように。
中で猫が死んでいても、排水溝に流す際には溶けるように消えていくので詰まりを心配する必要はない。(幻影だと仮説する意見もある)
新しい水を入れる際は基礎清浄魔法(一年生範囲)を用いて清めてからでなけらばならない。
・補遺
以前は高さ五十センチ以上の水深の場所でランダム出現をしていた(風呂場での出現報告も存在する)
そのため、位置不特定とされていたが、創立25年度にある生徒がキッチンの外に水瓶を設置した際、猫の死体が場所固定で出現するようになり、現在では位置特定としている。
(水瓶は所持者から学院で買い取り、別の水瓶の補填を行った)
・事案1
位置不特定だった頃、生徒Aが寮部屋のユニットバスで入浴している際、まばたきの間に浴槽の中に猫の死体が出現した。
パニックに陥った生徒Aはそのまま浴室を脱出。教師を呼ぶために未着衣の状態で部屋を出て寮内を一周した。
当該生徒は厳重注意がされ、寮内で風呂に浸かる生徒が激減。複数の視線がある場合、猫が出現しにくいため大浴場の利用者が増加した。
また、半年間ほど半身浴が流行するなどの出来事をもたらした。
・事案2
位置不特定だった頃の事案。
猫を発見、放置した生徒Aが五日後に寮内施設の池に落下。溺死寸前で救出が成功。池には五匹の猫の溺死体が浮いており、猫の死体を放置し始めて五日間、施設内の瘴気濃度の急激な上昇傾向が記録された。猫の死体の処理をし、池に大規模浄化魔法を施したところ、瘴気濃度の上昇は停止。以降、緩やかに基準値まで低下していった。
猫を発見した際には、必ず処理をしてください。
汚染された水を流すことが不可能な立地であれば大規模浄化魔法を行い、必ずその場を清めてください。
・注意事項
瘴気濃度の上昇が見られた場合、浄化措置が不十分な可能性があります。必ず当番の生徒が順番に清浄魔法をかけてチェック表に記入してください。
水瓶の移動は認められていません。
衛生面での問題はありません。キッチンの利用は通常通り行なってください。
キッチンの利用が減るホリデー期間は猫が人の存在する別の場所に現れる事象を教員が確認しています。(居残り生徒の死亡に反応しました)
ホリデー中の管理は教員が交代で行なっているため問題ありません。人が死ぬ事故が起こらなければ猫は現れません。
・特記
猫が好きで、死体を見るだけで取り乱してしまう生徒は申し出があった場合、当番を除外することが可能です。




