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(3)面接

 ナイルは部屋に入るなり、右の人差し指を口に当てる多少オーバーなゼスチャーで、小声に「音を立てるな、静かにしろ」と言った。

 管理人室は、一風変わった景色だった。

 部屋の右手奥の床に、手足を縛られ口をテープで塞がれた3号爺が転がっている、何かもごもご動いている。入り口のドアの傍らの、入り口からは見切りで死角になるパイプ椅子に、公団の人間が座っていた。男性で、公団の制服なのか?をスーツを脱いだワイシャツの上から羽織っている彼は、拘束をされてはいないが、やはり口元をテープで塞がれていて、伏せていた視線を慌ててナイルに向けていた、やや青ざめている。

 ナイルが美術館を訪れたのは、ほんの気まぐれだった。矢野龍介の最新の容体の報告を受け、奴はどんな場所で、何を考えていたのだろうかと、不意に思いついて此処にやってきたのだ。公団の人間はZ市内に出向いて、美術館の閉鎖を解く為に軽く拉致をした。始めに拳銃をちらつかせたからか、彼は従順だった。丘に向かう車中で、ナイルから単純に見学が目的で危害は一切加えないと保証され、より聞き分けが良くなっているという訳だ。3号爺は仕方がない。面識のある人物だが、付きまとって此処まで入室してきた上やかましく話すので、手早く梱包させてもらった、当然彼の耳元にも「手荒な真似はしない(既にしているが)、だから静かにしろ」とは伝えてある。

 時間はない。陽子が挑むヴォーグの73の質問は、問いかけが明瞭に伝わるようにややゆったりした作りになっている。それでも約9分間の再生時間だ、既に2分間経過していた。

 ナイルは、まず公団の男の口テープをひと息に剥がした。彼が口を開こうとする前に、ナイルの拳銃(SIG P226 Railザウエル)が彼の目の前に差し出される。「ひっ」とも言わせない、ナイルの人差し指が既に彼の唇に当てられていた。

 ナイルは男にスマホを出すように促す。それを受け取り、手早く彼の組織の窓口になる最寄りのコールセンターに繋ぐ。F端末であれば瞬時に出来る事だが、端末は今陽子が使用中だ。その最中にも時間を確認する、30秒のロス。と、コールセンターに繋がる。

「ナイルだ。この端末で、ご老人の公団に連絡を取る。通話口にご老人が現れたら、その場所を特定しろ」

 ナイルは通話を切ると公団の男に彼のスマホを返却し「お前が連絡可能な、一番役職の高い上司に連絡をしろ。それなら届くかもしれない。ナイルがご老人に話があると、そう伝えろ」

 ご老人が、公団の男のスマホに現れるまで、更に1分間を浪費した。その間、ナイルは彼自身のスマホを、コールセンターに結んでいた。今度は中央のコールセンターだ。接続は専用回線、専用の動画通信となる。すぐに主席にあたる美しい女性オペレーターが画面に現れ、ナイルを認めて頭を下げた。10人近い大半が女性の他のオペレータ達もその多くが画角内に見え、頭を下げていた。ナイルは無表情だ、時間に余裕がない。彼はやや早口に指示を出した。

「私が今使っているドローンの映像と音声を捕まえろ。映像をそちらでコントロール。女性が机上でF端末にに話している映像だ。ヒロインは彼女になる。表情が判るようにズーム、外さないようにドローンは旋回でなく反復飛行に」即座に主席オペレーターの右下に、西野陽子がひとつひとつ質問をこなしている映像、動画が差し込み表示される。

「音声は?」「拾え」「品質はこれで?」「少しセピアに」指示が動画に即座に反映されていく。陽子の姿は、どこか懐かしい落ち着いた調子に、声も美しく拾われていた。それが左手のナイルのスマホの状況だ。

 丁度、公団の男が何とか繋げることが出来たのだろう、スマホを差し出してくる。こちらは単なる通話回線。それを右手に受け取って。耳をかざすと「ナイル……突然何だ」

 聞き覚えのある声だった。ご老人だ。真偽を確認する暇はないし必要もないだろう。ナイルの名を告げたのだ、本人に正確に届いたのならご老人自ら対応する他はない。残りは6分間。

「お久しぶりです、ご老人」

 ほとんど同じタイミングでナイルの左手のコールセンターが応えた「ターゲットの現在位置を特定しました」

 ナイルは右手を耳元から大きく離しマイクを外に向ける(これで多少は聞こえなくなるといいが)、左手側に話す言葉はトーンを落とし小声で「では、オペレーション・ナイルを開始。準備が出来たら、連絡しろ」

 動画の先で主席オペレーターの片眉が上がる。コールセンターの様子が、にわかに緊張した気配となった。今ナイルの口から、オペレーション・ナイルと告げられたからだ。

 オペレーション・ナイルとは、ナイルが直接指揮する作戦行動を意味する。失敗が許されないのは勿論、目標達成には手段を択ばない、つまり苛烈な軍事行動をもいとわない作戦性質となる。ゆえに、早くもオペレーター達の多くが、眉間にしわを寄せて困惑を露わにしていた。特定したご老人の現在位置は、首都東京の都心だった。彼は今新鋭高層ビルの最上階にいる。多くの都民が行き交い生活する中でこの白昼に、作戦を実行する事になったのだ、場合によっては大惨事になり得る。

 ナイルは「まずは真偽を晴らしておきましょう」と、右手のスマホを耳元に戻し話し始めた。

「管理人・矢野龍介は間違いなく病気で倒れました。医療データはお届けした通りです。お疑いのようですが、こちらは彼に何ら危害を加えていません。あの夜この美術館から、救援要請があった。病院への救急連絡、他の通信記録を証拠として、これもお届けした筈です」

 相手が何かを話す。ナイルは頷いて了承する。双方間を繋ぐ談笑だ。残り5分をナイルは確認して。

「矢野龍介の治療費はかなり高額になります。勿論そちらは支払うことが出来るでしょうし、こちらは請求するつもりもありません。お互い金には困っていないでしょう?必ず治療してお返ししますのでご安心下さい。ところで彼の去就ですが。彼が全快したとして、その後どうなさるおつもりか?」

 右の耳元から、公団関連企業の重役席のポストをと漏れる。ナイルは鼻を鳴らした。

「それは残念だ。彼を解雇するおつもりなら、こちらでリクルートしたのに。私のボディーガードにと思って」この発言はまんざら嘘でもない。残り4分半(時間が足らない)

 そこで左手のコールセンターが告げた。

「プラン1、準備出来ました。東京湾外縁からの水中射出で巡行ミサイルが撃てます」これはナイルの左耳に当てられた音声だ、右手には聞こえない。聞こえたとしたら「攻撃待て」という即座にナイルが応えた小声の指示だが、この時も右手は距離をとっていた、届いていない。

 戦術と攻撃手段の立案、実行は各地域ごとにある中央コールセンターが行う。それはそのセンターで、最も優れると選任された主席オペレーターが辣腕らつわんを振るうという事だ。今、主席である彼女のコンソール画面に、他のオペレーターが収集した周辺の戦力情報が全て集まっていた。彼女は逐次、持ち得る戦力分布を多角的に分析検討して、瞬時に最短かつ最小の損害で最良の結果を得る(作戦達成となる)プランを練りださねばならない。

 彼女が告げたコンソール上に描いたプラン1とは、潜艦(潜水艦)から4発の徹甲仕様の巡行ミサイルを発射し、それぞれ迂回軌道で巡行させ4方向から一点に同時着弾させるというものだ。ミサイルの巡行航路のデータは、他の複数のオペレーターが弾道・コース選定・設定を同時計算し、主席の戦術コンソールに流してくる。発射タイミングは刻一刻と変わるが、パラメーターは即時修正、反映が成される。画面上のプラン1の作戦シーケンス横に、実行可能とテキストされた文字列が点滅していた。

 情報は他にもいくつかある。ナイルの指示の直後から、地上工作員達が当該ビルに向けて接近を始めていた。(当然、当該ビルの内部見取り図は早い段階で参照・展開表示中だ)が、未だ距離があり到達者はいない。これがプラン2。工作員による直接の拘束、これが実行可能になるには最も時間を要するだろう。あと5分でビルに辿り着いたとしても、それからようやくビルに侵入、目標に到達するとなると、その進捗が最も遅い。

 コンソール上では戦闘機4機が、現場に向かってもいた。各機これも徹甲仕様の地対空ミサイルを双翼に抱えている。これがプラン3になる。ナイルが攻撃指示を出したとして即時対応できるのはこの打撃陣だが、その為には航路計算によるとあと5分を要する。

 ナイルと、ターゲットなるご老人の通話は傍受参照されて、オペレーター各人のコンソールに当たり前に流されていた。会話の行方を各人が固唾を呑んで聞き入っていた。

 ふと、気付いたのだろう。オペレーターの1人が「主席」と呟く「湾外縁の索敵範囲ぎりぎりの9時の方向に、自衛隊【そうりゅう型】潜艦が1隻います」

 主席オペレーターは軽く頷いた風にコンソールに面て(おもて)を伏せていたが、瞳だけを不意に血走らせてその視線を、コンソールの海図表示上のそれを示す光点と、彼女の右袖机の上にある写真立てとで、交互に泳がせていた。

 写真は、彼女の夫のアップだ。少し厳つい(いかつい)彼の頬に、ほぼすっぴんの主席オペレーターが笑顔を寄せている愛らしいものだ。そこに気の早い夫から今年のクリスマス・プレゼントとして貰った安物の金のネックレスが掛けられている。彼女の夫、彼は空自の自衛官だった。彼女は無意識に写真立てに手を伸ばす、少しその縁を撫でる。

「……それはさておいて。私が連絡したのは全くの別件です。実は、美術館の管理人に推薦したい人物がいます」

 ナイルは右手のスマホを耳に当てたまま、左手に指示を告げる。これは聞こえても構わない。

「ドローンの画像をご老人側の回線に差し込め」低速回線かも知れない(ガラケーを使っているかもしれない)と閃き(ひらめき)民間か、と軽く数秒 躊躇ちゅうちょし重ねる「ユーチューブにもアップ。グーグルに介入してトップ動画を維持しろ。この通話音声もミックスして掲げる」

 主席オペレーターが左手の先で当惑していた。しつつも流れるように対応している様子をチラリ見しながらナイルは、ご老人に伝える。

「人物の動画をそちらにお届けしています、ユーチューブにも流れている筈です。表題は【ナイルドローン01アットミュージアム】」時間確認を行う、3分か。

 右手のスマホの先。モニターに映せ、ユーチューブ、とざわめきが聞こえた。どうやらご老人の周りには、当たり前に取り巻きがいるようだ、そして動画を確認したらしい「……ナイルよ、女性ではないか」

 ナイルは無言で右手に耳を傾ける。と、その時だった。左手が彼に判断を求めて、発言した。

「作戦域に海自の潜艦【そうりゅう】1隻がいます。プラン1実行後、彼らがこちらの潜艦に攻撃してきた場合、対処はどうしますか?」

 ナイルは少し眉をひそめたが、あまり表情は変えない。もう右手は距離を離すことなく、左手に(ただし小声で)告げる「反撃を許可」

 オペレーター室の空気が更に変わった。

 主席オペレーターはやや声をざらつかせて「オペレーター半分。今から云う指示に手分けして当たって。こちらの潜艦ソナーと連携、及び最も近い対潜装備を積んだ航空機を探して、且つ(かつ)ターゲットに向かう戦闘機を1機進路変更、東京湾作戦海域に支援に向かわせて」

「発見。駿河湾上空に対潜魚雷を積んだ哨戒機がいます、現在北進中、距離80キロ。東京湾に急行させます」と報告するオペレーターの発言にかぶせて。

「戦闘機は合流後、哨戒機を護衛しつつ周辺警戒に当たれ。哨戒機を命名【攻撃機アルファ】」

 オペレーター達が持ち場に分かれて、現場とのやり取りを始める中で「でも自衛隊は友軍。識別した上で攻撃はあるのか?」と、どこかから疑問の声が上がる、おそらく現場だ。潜艦か戦闘機パイロットか。

「女性ではだめだ」と、ご老人の声が流れた。

 主席オペレーターが「いや、今回は阻止攻撃が有り得る」と、室内の全員に聞こえる独り言を言ったのは、このタイミングだった。

 日本の自衛隊は士気が高い。士気が高いとは、煎じれば愛国心が強い、更に突き詰めると国民をこよなく愛しているという事だ。愛国心は他国のどの軍隊も同じ様に有るのではないか?そうではない。彼らの国民愛は良く云えば根が太い、悪く云えば確執と呼べる程に、だ。遠因だが、彼らが模範的抽象的、恒久平和を標榜する自衛専門の軍隊であろうとしたからそうなった、そうなってしまった。

 彼ら自衛官達は、敗戦国の宿命として世界から罵られて(ののしられて)きた、暗に。何時発狂するやもしれないとつまりは武器を取り上げられて、お前達はこれ位だと先進諸国の軍人の半分もない身分を身の丈として強要され、それなのに軍隊扱いをされ続けた。そしてろくに弾薬さえ持たされず彼らが赴かされた(おもむかされた)戦場とは、もっぱら国内外の災害派遣、復旧支援任務だった。

 近年世界中が国難級の災害に見舞われていた。ゆえに彼らは「特定の戦地を持たないだろう?」という理由で、来る日も来る日も、過酷な被災地救援、復旧任務に追われ続けた。そして苦々しく知ったのだ。被災して蹲る(うずくまる)民衆を満足に助けられない自身が、いかに無力であるか。

 それが彼らが知った本当の身の丈だった。先進軍隊の半分にも満たない身の丈?とんでもない。更にもっと身窄らしい(みすぼらしい)。我々は悲嘆にくれるこの民衆と何も変わらないという、ちっぽけな身の丈だった。勿論それは何一つ恥ずかしくない。自身の本当の姿を知らない事の方が、遥かに愚かで、弱く惨め(みじめ)ではないか。

 始めは、不平不満もある駆り出された災害復旧の作業だった。だが彼らは否応なく次第に、民衆の中で泥にまみれていく。人々が泣いている、瓦礫を取り除く軍手に、汗に紛れて涙が落ちた。人々が喜んでいる、きつい泥掻きも報われた気分になって、同僚に冗談を言った。疲れ果てて休んでいると、被災者の誰かがお茶やおにぎりを差し入れてくれる。ごちそうではないし、手は泥にまみれているしでもお構いなしに頬張るから白米が茶色くなっていた。それを美味しいと感じた彼らの被災地救援任務従事者数は、この数年ですら実に延べ十万人を越える。彼らは愛国心というより、民衆の一人一人の顔をを知っていた、守らねばならない理由を知っていた。他人事ではなく身の内として。

 だから、もしも国内で国民に血が流れたら、彼らは大いに怒るだろう。文官統制シビリアン・コントロール。それは諸外国との戦闘や、学者さんに向けたコマーシャルにすぎない。今回、もしもナイルの潜艦がミサイルを放って惨事になった、と【そうりゅう】が知ったら必ず阻止攻撃してくる。理性に踏みとどまろうとする上級士官がいる?おそらく彼らもいなくなる、怒り狂う感情はそんな虚飾を忘れさせるだろう。考えてみるといい。例えば、自身が懸命に守ろうとした人々が目の前で凶弾に倒れるのだ、黙っている方がむしろおかしい。黙っていたら犠牲は膨らむかもしれない、それを静観できるのは、窮地の民衆を助けにも行かなかった一握りの愚か者だけだ。

 主席オペレーターの脳裏に情景が浮かんでいた。そういえば夫は、エリート階級なのに志願して何度も復興支援に参加していた。被災地から感謝のハガキが届く度、それがまともに読めない位に泣いてたっけ。男ってバカだわ、泣くなら行かなきゃいいのに、とその背中に自分も涙ぐんだことが何度もあったな。そんなだから。彼らは絶対に阻止行動に出る、しかもそれは熾烈だろう。

 彼女は、今頃はナイルの優秀なブレーンが、大騒ぎして集まっている筈だと思う。中央コールセンターで、オペレーション・ナイルを実行するなら、全情報が垂れ流しで各所各部署に同時配信されている。ブレーンの本当に優秀な者は既に自衛隊将校の中で、誰がこちらにつくか、経歴の洗い出しを始めているだろう。組織の分裂を図る為に。

 現在の自衛隊のトップは多くがナイルの傀儡かいらいだった。だから共有出来る識別情報を持ち、友軍認定が成される。現場が首を傾げても、上からの指示でそうなる。それは表立った対立がなかったからで、それがまかり通った。だが衝突したとすれば、工作しなくてはならない。現状の自衛隊にナイルが劣る部分がある、海軍力だ。大陸を睨む(にらむ)ナイルは、海にそれほど重きを置かない。ゆえのこの不均衡が国内の対立では足枷あしかせになるだろう、だから自衛隊内部に離反勢力を生み、出来れば双方を戦わせる。彼らが勝る海軍力なら彼らで叩けばよい、と容易に想像で出来る。厄介な総兵力の差も、同じ理屈で解決する。

(プラン1は内戦になりますよ?ナイル)彼女が唇を噛んだのは、女性ではだめだとご老人が云い、次の発言をするの出来事だ。彼女の思考は並列ではない、高速だろう。

「悪いが人選は既に始めている。そのリストに女性は考えられない。云いにくいがナイル。それは君のような略奪者から美術館を守る為だ。現在、矢野龍介に劣らぬ強者つわものを捜しておる」

(略奪者だと?)ナイルは右耳のご老人の苦い現状説明に、薄笑いになる(それに矢野龍介に劣らぬ強者?お前達の貧弱なリストに、奴を越える者が見つかるものか)

 オペレーター室は、このやり取りに緊張が更増した。と、声が上がった。

「プラン2に動きが有ります。ビルに到達した工作員がいます。えっ?早い、内部侵入しました」

「誰?」「識別は……メシアと湯田ゆだです」

 部下の声に主席オペレーターの声が重なり、彼女はコンソールを確認する瞳も重ねる。見る間もなく2つの光点が地上20階を突破した。

(エレベーターロスなし?吹き抜けを使っている。ワイヤー射出、巻き取りで進んでる)

 主席オペレーターにとって、メシアと湯田というコンビは最近よく名前を聞くようになった工作員だ。彼らが参加する作戦は成功率が高いとも聞く。画面上で初めて見る彼らはなる程に機敏だ、既に40階を突破した。此処で地上エントランスからの吹き抜けが終わる。水平移動してエレベーターに侵入した。エレベーターダクトを使うつもりらしい。彼らなら間に合うかもしれない。ご老人を拉致(もしくは殺害)できればそれなりにコンプリート。

 だが、問題は時間なのだ。彼女は生唾を飲みコンソールを睨みながら、ナイルとご老人の会話に集中する(今、会話が頓挫とんざすればプラン1。お2人共、冷静に)

 ご老人が言った。語調に怒りが滲んで(にじんで)いる。

「そもそもナイルよ。突然の物言いは許すにしても、なぜ君が管理人を推薦をする?君と云えどもその立場にない。権利もない。許されない越権、内政干渉だとは思わんのか?」

 ナイルは無言で右手のスマホの声を聴いていたが、途中から再び浮かべた笑いが更に凶悪になる。見る者がいたらゾッとするほどの冷たい笑みだ。

(誰が垣根を越えた支配者なのか、未だ判らないのか?ご老人)

 彼の左手のスマホは、動画の先へ殺気を醸す(かもす)ナイルの表情を無情に送信していた。主席オペレーターは悔し気に歯軋りになった(だめだ決裂する、いや、した!)

 彼女はいくつか指示を同時に出す「メシアと湯田は直ちに撤退、間に合わない、ミサイルから、ビルから離れて」「攻撃機【アルファ】距離は?ともかく急いで」「対潜攻撃対応の半分!全集中して」そして、右手を伸ばして、写真立てを伏せる、ネックレスが、流れる砂金のように床にこぼれた。 

 あと2分、会話を延ばして下さいと伝えたかったが、その間もなかった。次にナイルがこちらに顔を向けた時が、命令の時だ。このタイミングではプラン1だ。

 彼女は事態が緊迫する辺りから、ずっと夫の事も考えていた。内戦になったらどうする?私が通信機器メーカーのコールセンター勤めだと信じている彼に、私は拳銃を突き付けるのか、いや、彼は自衛官だ。お互いが銃口を向け合う事になるかもしれない。彼女が見ていない瞳を向けるコンソール上では、既に工作員メシアと湯田が撤退を始めている……

(主人には今夜電話しよう。無理やり言いがかりをつけて、そのまま離婚しよう。書類だけ送り付けて、もう会わない。それで悲しみから貴方を守るから。ごめんね?アナタ、本当に愛してる、世界で一番素敵な人)

 彼女は、自分はナイルを尊敬していると思う。悪しき組織に身を置いていると自覚はある。だが、必要悪なのだ。彼がいなければ、世界が大混乱に陥る。大国が無理やりの行おうとした数々の蛮行を、彼だけが封じ得た。惨殺も見てきたが、それは自業自得の光景だった。その度に懸命に考えた。そして辿り着いた答えが、やはりナイルだった。世界の出来事は正義と悪で論じられる、それは見方に応じて形容が変わるだけなのだ。私が突き詰めた正義像とは、このナイルだ。

 ナイルがこちらをじっと見る。だが、視線が其処にない。数秒、恐ろしく長い時間だと主席オペレーターは感じる。数秒間。彼は……他の何かを見ている?

 不意に、ナイルの瞳が彼女の瞳を捕まえた。その瞬間だった。彼は明瞭に言う。

「オペレーション・ナイルを終了。ターゲット・ご老人の包囲を解け」

 沈黙の音を立てて、コールセンターがどよめく。主席オペレーターが、鸚鵡返し(オウムがえし)に何か言おうとした時には、スマホを握る手を下したのか画面にナイルの顔はなく、どこかの室内の壁が映っていた。だが寸前に、ナイルが微笑んでいた事を彼女は観止め(みとめ)ていた。

 彼女は、わなわなと。目を見開いてコンソールを凝視していた。それは突然の作戦途絶の衝動か?違うのだ。確かに衝動だが、それは今の笑顔にだった。あれはよく知る笑顔だ。あれは?あれはほんの時々、夫が私にしか見せない笑顔だった。人が愛する者にしか見せない最上の笑顔だった。では彼は一体……誰に向かってあんなに優しく笑ったのだ?

 

 ナイルが一つ息をつく。あと1分だなと確認する。彼はもう右手のスマホにだけに集中した。笑みを寂し気に、瞳は誰もいない空間に向けたままに。

 彼は話し始める、並列に思考しながら。

 矢野龍介の病状。

 深刻な状態だ。彼は脳を、視床下部を中心にほぼ半分を失っていた。現状、脳構成体は細胞をナノレベルで再生中だ。

 幸いにもナイルの科学陣・医療チームは既に記憶を量子化・データ化して他に移し置く技術を確立していた。脳が再生できれば、器にデータを戻す事が出来る。

 だが彼は数年間、高度ICUに繋ぎ留められる事になる。冷徹な機械に埋もれたその姿は地獄絵図と云う他ない、これは西野陽子に明かせなかった。

 公団を支配するご老人。

 彼はとある財閥の長だ。彼の一族は華麗を極めたが、そのあまりの富の為に絶頂期に自己崩壊、共喰いをした。ナイルは対岸の火事とそれを眺めていたが、その権力争いは愚かで浅ましく醜悪しゅうあくな有様だった。

 何とか大部分の財産を守り切れたのは、ご老人の優秀な親戚 すじの甥っ子が奮戦したからだったが、やがて彼も病死してしまう。結局、ご老人は失意に沈み、後継者を失ったまま表舞台から姿を消した、ように見えたのだが。

 彼は、数年の沈黙の後、再び財閥を動かし始める。その際に建設したのがこの美術館だった。どこか曖昧で、綺麗言に満ちた奇怪な事業を始めたのだ。

 悪趣味な放蕩三昧ほうとうざんまいに走ったのだ、そう見る時の権力者達もいた。だがナイルはそうは見ていなかった。

 ご老人は沈黙の時間、狂ったように多くの高名な哲学者、文化人、芸術家と交流したらしい。何を考えたのか、何に思い至ったのか。またこの美術館は、多くの科学者が関与していると聞く。社会学者から始まり統計学者、心理学者、数理物理学者、天文学者。彼は?おそらく何かを始めたのだ。

 突然現れたアミ。ナイルが愛した唯1人の女性、アフリカの奥地で恐るべき力を持っていた巫女、漆黒の肌をした美しい少女。

 左手にまさに攻撃しろ、ただし……と告げんとしたその時に、忽然と(こつぜんと)彼女は現れた。

 懐かしく、在りし日のままの彼女は、まず微笑んでから涙を浮かべて「止めて」と言った。だからナイルは左手のスマホを諦めた(あきらめた)。

 すると彼女は、うんうんと頷いて微笑んで「私も一緒に話す」

 未だ、アミの幻が目の前にいる、微笑んでいる。彼女が何を話すと云うのか…いや、それなら共に想いの丈を伝えてみようか、アミ?

「聞いてほしい、ご老人よ」

「……動画の女性は、矢野龍介が信じた女性です。もう1人失踪した青年がいる、彼も矢野が信じた若者の1人です。彼らは貴方が設定したゲストという枠組みの、矢野龍介の友人達です。矢野が毒になると知っていながら、酒をがぶ飲みした理由は何だったとお思いですか?おそらく彼女らを信じたんです。自分が見つけたものを、彼女らは理解して引き継いでくれると信じたんです。ならば、我々も矢野龍介を信じてみませんか?」

「ご老人、我々権力者がどうしても出来ない事がある。それは人を信じ切るという事です。我々はそれが出来ないから、疑心暗鬼に悪戯に組織を大きくしてきた。だがご老人、貴方は人の可能性を信じて美術館を建設した筈です、バベルの塔を建てたかった?そんな訳がない、人を信じたいと始めに願ったのは貴方だった筈だ。ならば矢野を、2人の若者を信じるべきじゃありませんか?」

「ご老人、貴方は何をすべきなんだ?私は、何をするべきなんですか、判るのなら教えてほしい。どのようにあってもどのように生きても、結局人は迷い続ける、正しい選択など誰にも解らない。ならば今は、私の言葉を信じてみませんか。同じ場所に立って同じ景色を見ていくんです……遠回りでも、いつか必ず、きっと。人と人とが分かり合える日が来る」

 最後の台詞がアミだったかな、彼女らしいと微笑んで。ナイルは右手のスマホを耳から離し、総経過時間を確認する。ゆうに9分間を超えていた。西野陽子が彼を探し始めているのではないか?

 再びスマホを耳に当てる、通話は切れていない。もしかしたらコールセンターへの指示を聞いたご老人は、実は窮地に立っていたのではと状況を思うに至り、言葉を失っている?そんな沈黙を感じさせる。

 ナイルはため息になって「……私からの話は以上です。御覧の動画はライブでした、当の女性は今、此処美術館で返事を待っています。私の提案の結果の如何を、人事を握る人物から直接連絡していただきたい、勿論結果は問いません。そちらのご都合があるでしょうから、無理な話だったとしても連絡だけは一度お願いします」

 右手のスマホは、やはり無言だった。要件は伝えたのだと、西野陽子が気になるナイルは通話を切ろうとする。するとそれは不意に反応した。

「……ナイルよ、彼女は祈っているな?」

 ナイルが左手のスマホ画面に視線を落とす。主席オペレーターがじっと彼を見ていたが、そこは飛ばして小さな差し込み画面を見る。すると其処に未だいる西野陽子は確かに、両手の指を組んで握り無心に何かを祈り続けていた。

(なるほど、それで時間が稼げているのか)

「今回の話し合いは、決して実り多かったとは云えないぞ」と、右手のご老人は意外に快活だ(この老人は自身の窮地に気付いていないようだな?さすがは性善説提唱者だ)

 彼は続けて、辞する挨拶とばかりに「だが何時の日か、またゆっくり話し合いたいものだなナイルよ。その時に彼女が何を祈っていたのか、是非教えてほしいものだ」

 そう言葉を残してご老人は、右手のスマホは通信を閉じたのだった。

 ナイルは三度みたび息をつく、大きく。思いついたように、公団の男に右手のスマホを軽く放って返却する。これも思いついたように、自身のスマホ画面を見る。既に部屋の入り口ドアに向けて歩み出していた。

 スマホの先で主席オペレーターがうんざりした顔をしていた、ナイルに気付くなり。

「ナイル。失礼ですが貴方?始めからご老人に何かする気など、無かったのでは?」

 ナイルはふん、と笑う。

(やる気は満々だったぞ。ただし、メシア達を使うつもりだった。数分遅れるだうが、彼らなら最低でも結果を得ただろう。問題は西野陽子を、さて、どうやってこの部屋に入れない工夫をしただろうな?)

「動画をユーチューブ上から削除しろ。コールセンター各位、サポートに感謝する……」

 スマホの先で、主席オペレーターが光栄でした、判断は英断です、と更に何か言っていたが、構わずナイルは動画通信を終える。ドアのノブに手をかけてノブを回す手が、つかの間停まる。ご老人の言葉を思い返したのだ。実り多くないと云ったな、と。

 彼は軽い舌打ちになって管理人室を出て行った。勿論、出て行きざまに、残された2人の人質に右の人差し指を口に当てるゼスチャーで、静かにしていろと残して。


 ナイルは、後ろ手にドアを施錠して西野陽子の背中、彼女を見た。とても細く小さな背中だ。蹲って(うずくまって)見えるのは動画の通り、何か祈っているからだろう。

「どうしました?……何か祈っているんですか?」

 ナイルが歩み近づくと陽子は、はっと気づいたようで、首を捻ってナイルに顔を向ける。照れたように笑って。

「73の質問が終わってしまって。仕方なくって」

「何を祈って?」腕組みで優し気なナイルで。

「勿論、面接に受かりますように、と。それと管理人が早く退院できるように、と祈っていました」

 ナイルは頷く、けれども質問の腕組みは解かない。他には?と姿勢が問いかけを続けていて、陽子は仕方なく更に照れた。

「……ケンイチさんに会えますように、と。それから」そこで考え込んで「なぜか、管理人になれたらこの美術館を守っていけるように、と祈っていました」

 ナイルはもう一度頷き、今度は腕組みを解いた。いい答えだと云わんばかりの態度を示したのに、陽子は更に続けようとして「それから……」

 そこで、受付机の電話が鳴る。

 反射的に受話器を取ろうとする陽子を制して、ナイルが受話器を取り上げた。おそらくは公団の人事を握る人物だ。下手をするとご老人自らが通話口にいるやも知れない。

「こちらは美術館です。ご用件をどうぞ」

 ナイルは陽子を椅子から立ち上がらせ、場所を代わる。受話器の先の人物は?ああ、拍子抜けだが、やはり人事関係の人物らしい。ナイルは、彼の話を少し聞き、不意に声に出して言葉を反芻して、確認をした。

「上層部は(ご老人は)賛辞を以って推薦を了承?管理人は彼女ですね?ありがとうございます」

 まるでいたずらを成功させた少年のように笑ったナイルだ。彼は受話口を手で塞ぎ(ふさぎ)陽子に告げた。

「面接は合格です。おめでとう、君!」

「え?えっ?ええーー!?」

 ナイルの横で耳を欹て(そばだて)ていた西野陽子の喜び様は凄い、ウサギのように跳ね回っていた。拳を(女性の仕草で)天に衝き(つき)上げている。一瞬呆けて、これはどんな面接なんだ?と首を傾げて、構わないかと思ったのだろう、再び喜びを爆発させている。

 笑いながらも呆れ顔になるナイルに、彼女ははたと気付き、顔を赤くした。なので当たり前に暫く、ナイルの通話の受け応えが笑い交じりになった。

「……氏名、年齢、住所ですね。数日後、関係書類を自宅に送付する、なるほど」

 ナイルは仕草で、紙と筆記用具を要求している。陽子は慌てて机上のメモ用紙を彼の前に、ボールペンを彼に握らせる。仕草で謝意を見せ通話に頷きながらのナイル。そこに西野陽子、ゲストと筆記する、彼は美しい文字を書く……氏名、所属、生年月日、現住所、連絡先通話番号、血液型エトセトラ。それを覗き込んで見ていた陽子が顔を赤らめる(身長はともかく、スリーサイズ?何で?)

 ナイルは、何喰わぬ顔で一通りのやり取りをして、最後に挨拶を交わして受話器を置いた。メモを気にする陽子に途中から気付いていて。

「勤務用のスーツを仕立ててくれるそうで、必要な数字かな?私は見ませんから。項目を記入してファックスして下さいとの事です」

 ナイルはメモを指でトントンと叩くとボールペンを陽子に差し出し、再び席を交代する。

 陽子がメモの各項目を確認して、一つ一つ埋め始めた。それを眺めつつ、ナイルは暗転灯しているF端末を見る。視線をそのまま上げて、周囲を飛翔していたナノ・ドローンを虫を払いのける仕草に見せかけて、手中にキャッチ、懐に戻していた。

 暫く、陽子の進捗を眺めていたナイルが「勤務開始は1週間後。報酬は500万円だそうです……」と、おもむろに口にした時、丁度陽子は記入を終え、電話機の複合機でファックスを始めようとしていた。

「いいんです、報酬なんて」もはやそんな事はどうでもいいのだと、てきぱきと動作を止めない。彼女は送信番号を記したナイルのメモ、机上の雑に片隅にまとめられたられた封筒のもの、いくつか照合して確認する。通話番号、続けて送信ボタンを押す。ふぅと息をついてナイルに笑顔した。

 予想していたがその無欲ぶりに、ため息になるナイル。

 ひと時2人は沈黙した。勿論、男女云々の空気にはならない。2人はえもいわれぬ、満たされた気分だったろう。ナイルは結局ご老人を言い負かしたし、陽子は初めて出会った成井という人物に希望を叶えてもらったしで。それぞれが内心で自身を褒めていたのかも知れない、僅かなときの善い時間だった。

 を気にしてか、これで話す事が無くなったと悟ったのか、ナイルが問う「陽子さん、ところで貴方時間は?」はっとして陽子は、腕時計を確認する「え?ええー!?」

 彼女は驚いていきなり立ち上がり、机から転がり出る風になった。

「大変だ、2時間過ぎてる。姉さん、きっと怒ってる」

 オロオロしている西野陽子を、案の定と笑うナイルは手の平を美術館の扉に向けて、彼女を此処から送りだす仕草になる。だがふと視線を転じさせて、彼は机上のF端末をつまみ上げるとそれを陽子に差し出した。

「これを差し上げます。私に連絡したい時はこれを使って下さい」

「え?いいんですか。でも使い方が……よく解らない」

 戸惑う陽子を見るナイルの瞳は優しい、そして寂し気だ。彼は予感している、もうこの女性と会うことはないのだと(少女だったヨーコさん、元気で頑張れ)

「数日後、公団から分厚い封筒が届くそうです。このカードの取説も送付しましょう、それも分厚いので」

 では急いで、とナイルに促される風だった、F端末を握りしめ受付から歩み出す陽子だ。彼女はフロアの中央まで進んでふと立ち止まる。振り返った。ナイルは軽く片手を上げてサヨナラとしていたので「ん?」

「成井さん、私が最後に祈ったのは……貴方の事です」

 陽子が楽し気に、ナイルに左手の甲をかざす。右の人差し指で、左手の薬指の根元をトントンと差し示す……結婚指輪?

「成井さん、貴方独身でしょう?……貴方が善い女性ひとと出逢えますように、最後はそう祈りました」

 深々と彼女は頭を下げた「今日は助けていただきました、ありがとうございました」

 西野陽子は最期に驚く程美しい笑顔を見せた。そしてくるりとナイルに背を向けて、多少バタバタと美術館を去ったのである。

 呆然と立ち尽くし、ナイルはそれを見送る。気が付くと扉の横にアミが現れ、彼女もまた手を振って陽子を見送っていた。自覚無く、彼の頬に光るものがあった。 


 数日後の深夜。

 食堂の2階の六畳間。上下スウエツトの片膝立てで、公団から届いた書類の束を確認していた西野陽子は呻き声を上げた。

 成井さんが(ナイルが)云った報酬だ、何度調べても、電卓を叩いても書類に記してある数字は変わらない。

「あの金額は、月給だったんだ!でも……これ、噓でしょ!?」

 彼女は慌ててF端末の取説を引っ張り出していた。とんでもない。成井さんに連絡しよう、やっぱり一般職をお願いしよう。だが、彼は管理人以外に職位はないと云っていた、ど・どうしよう。

 彼女の眠れぬ夜は数日(計1週間)続く。水晶の街の夜は更けていく……



 さて、iuは決して右寄りの考えではありません。悪戯に愛国するつもりもありません(なので憲法解釈等に一切触れておりませんので、あしからず)

 唯こんな機会なので、知り合いの自衛官さん達の想いを、被災者の方々に伝えておければとこのパートを描きました。彼らは被災者の方を、他者が思う以上に案じて想っていますよ。だから決して諦めずへこたれず、皆で頑張っていきましょう。

 それから二次創作作家さん向けに新キャラを登場させてみました。もともと、ナイルも驚くサイキックなメシア。ガチで矢野龍介を倒しかねない湯田ユダという設定ですが、そこはもうご自由に。是非ナイルのリソースを使って描かれてみては?と思います。


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