同日、夕方(惟舞視点) 後編
「うーん結構食べたわねぇ……」
『でも、結構残っちゃったね』
「まぁ……二人だし」
『かづ兄ぃがいないから……って?
でも、かづ兄ぃがいたらかづ兄ぃがこれを作る事に……』
「……無理矢理でもそうさせる」
『……なつ姉ぇ、酷っ』
「惟舞だって、食べたいでしょ?」
『それは……まぁ……』
「……あっ、
そうそう、今日の昼過ぎに河月がきてさ」
『えっ?!』
「これ、惟舞に渡してくれって」
『わ、私に……?』
「惟舞の誕生日だからでしょ、
多分」
私はなつ姉ぇから、包装された包みを受け取った。
『開けて……いいかな?』
「いいんじゃない?」
『う、うん』
(ガサゴソ)
『えっ……?!
これ……』
「…何?」
『あ、かづ兄ぃ……
……ッ!!』
「どうしたの惟舞?!」
『何……これ……嫌な感じ……かづ兄ぃが……うう……』
「……惟舞?!
あなたまさか?!」
『……かづ兄ぃが……このままじゃ……消える?』
「!!!」
『うっ……』
「……
……惟舞……多分、そのinspirationは正しい」
『……え?』
「……確かに惟舞も……その血筋だものね……」
『血筋……?』
「……多分、私よりは鋭いのよ
……確かに河月はこのままじゃ消える……」
『……え?!』
「でも、あの子はあがいているのよ、きっと」
『……かづ兄ぃが……』
「……惟舞。
こんな事、あなた頼むべきじゃないけど、
……頼みたい事があるの」
『……頼みたい……事?』
「見届けと欲しい……
河月がどうなるかを……
私より……あなたのほうがその資格があるから……」
『私が……』
「お願い……もう……時間が無い……」
『……うん!』
(タッタッタッタッ……)
「……ごめん」
……9時48分
『……はぁ……はぁ……かづ兄ぃは……?』
2時間近く探しまわったけど、
かづ兄ぃは見つからない。
『……ちょっと待って……ただ闇雲に探しても簡単にはわからない……』
なら……?
なつ姉ぇはこのinspirationが正しいと言った
なら、それに頼れば……
『……意識を集中させて……一点に留める……そして全包囲に向けて……
……発動!!』
私の中に様々な意識が流れ込む。
『……ッあ!!?』
気分が悪い……他人の意識が……こんなにも沢山
『……はぁ……はぁ……まだ……この中にいない……
範囲を大きくして……
……発動!!!!』
(……ッ!!)
『これは……あの展望台……
……
かづ兄ぃ……行くよ!』




