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6月24日 教室
普段通りの教室。
多少、雨でジメジメしているが特に気にかからない。
俺の机。
切り取られた空間。
俺以外のほとんどの人間が俺の存在を空気か何かだと思っている。
別に構わなかった。
そういう生きかたをしているのだから。
もしかしたら、本人達に取っては一種のイジメなのかも知れない。
しかし、俺にとっては苦痛でも何でもなかった。
案外、居心地も悪くなかったし。
でも、まぁ――
例外は常に有るものだ。
「やぁ、おはよう河月君」
『…ああ』
「河月君さ」
『何だ』
「とりあえず殴っていいかな?」
『断る』
「あれ?理由は聞かないの?」
『面倒だ』
「…ボクはねぇ、
凄く腹が立ってるんだよ」
『だから、聞いてない』
「河月君さ、今日女の子と登校したよね」
『今更、何言ってんだ。
アイツとはいつも…』
「いやいや、確か今日は女の子…二人居たよね?」
『…さすがに耳が早いな』
「しかも、その娘も……
そしていつも一緒に登校してる……」
『……しつこい!』
そういえばそうだったなと、
まるで他人事のように今朝と、
そして、昨日の事を俺は思い出していた。