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入学編
科学では説明のつかない森羅万象を、国家が公に認め、それを「魔法」と名付けてから1年。
国家は、魔法を日本の発展に利用できると考え、幼少期より魔法使いを育成するための教育機関を発足。
そして翌年、それは設立された。
国立魔法技術大学附属学校。
国内唯一の魔法技術科が置かれているその学校は、
倍率99倍を誇り、広大な土地を有し、生徒360人が魔法使いになるための育成に励んでいる。
そして、その学校を前に構える、一つの高等学校があった。
都立商業高等学校。
偏差値50、平凡な至って普通の商業高校。
設立100周年を誇る年、その高校に、一人の少女が入学した。
少女の髪は白く、太陽の光を受けるときらきらと輝き、
瞳は照明に照らされたワインを彷彿とさせるような、鮮やかな赤を帯びていた。