神剣 魔剣の二刀流使い
「この先が第3層絶海の孤島か」
絶海の孤島の入り口へ繋がる通路を歩いていると、太陽が目の前にあるかのような、眩しさを秘めた、ボールが目の前に現れた。
気が付けば、僕は最終階層 願いの丘に居た。
何がどうなっているんだ。そう思い、前を見れば、そこには妹が居た。
「お兄ちゃん。助けて……」
そこに居たのは正真正銘僕の妹だが、何かの違和感を感じた。その時はまだ、その違和感の正体に気付いては居なかったが、それが後に悲劇を生むことなど、知らなかった。
「にな!今助けるからな!」
そうして僕は妹の救出に成功し、元の世界へ帰ろうとしたが、最終階層のはずだが、上へ続く階段が目の前にあった。そこにはこう書いてあった。
『この上は未だ未知の世界。知るべき時なれば、解放されよう』と。
「知るべき時……」
その時は自分には縁のないことだ。そう思っていたが、この上の階層は他でもない。僕のためにある階層とはこの時はまだ知らぬことだ。
そして元の世界へ戻るべく、僕は、ストーンを使い、元の世界へ妹と共に帰って行った。全てが丸く収まったかのように見えた。だが、今までの出来事はこれからの出来事の序長にすぎなかった。
「おはよう。お兄ちゃん」
妹のになは、兄からして見ても、とても可愛く、しっかりものだった。だがやはり違和感を妹に感じていた。俺の妹ってこんな感じだっけ?
だが、昔の事を思い出そうとすれば、妹が消えたとこに記憶が戻ってしまい、それ以前の記憶がどうしても思い出せないのだ。
「なぁ。にな、僕とになっていつから、一緒だった?」
「何言ってるの?お兄ちゃん!私が生まれた時からに決まってるじゃん!私ママから聞いたよ?お兄ちゃん私の出産の時ずっとになに会いたいって言って病院にずっと居たって!」
その言葉を聞き、今までの違和感が違和感ではなく、不気味な気持ちへと変わり寒気がした。それは何故母がそのような嘘をついたのか。また、何故妹がそんな作り話をしたのか。それを知ってしまえば、また妹が消えるそんな気がした。だから僕は、話を合わしてみた。
「そうなんだよ!ほんと大変だったんだよ?」
「ねェ、お兄ちゃん。本当は気付いてるんでしょ?」
「何をだよ?」
「私の嘘」
「あ、ああ……でもそんなの大した事ない嘘だから流した」
「ねェお兄ちゃん私が誰に見える?」
「になに決まってるじゃないか。」
「知ってる?お兄ちゃんが知ってるになはこんな顔じゃないよ?」
「え?どう言うことだ?」
「確かに私はになだよ?でも、お兄ちゃんの知ってる妹のになは私じゃないよ?妹が消えたんじゃない。お兄ちゃんが消えたんだよ?」
僕は正直になの言っている事が理解できなかったが、確かに、何かおかしい。そう思えた。記憶の奥底に眠る妹の記憶が、塗り替えられてると言うよりは、どこかに記憶を置いてきた。そんな感覚だった。
「そんな訳ない! もし、僕が別の世界に飛ばされてたら、パニックだよ? 今頃!」
「だからお兄ちゃんの過去の記憶を消したんだよ」
「そんな事できる訳ないじゃないか。」
「出来るよ。だってこの世界はお兄ちゃん以外、人間じゃないんだもん。お兄ちゃんにはみんな、私ですら人間に見えてると思うけど、他の人が見れば、私達はただの、バケモノ。だからお兄ちゃんだけだよ。人間なのは」
ゾッとした。鳥肌が立ち寒気もした。だが不思議と帰りたいとは思わなかった。それもそのはずだ。記憶を消されたのだから。
そして僕は、ひっそりと、息を殺し、扉の外へ出て逃げようとしたが、外は、ただただゴミが山のように積んでいるゴミ山だった。
「違う。そんなはずはない。だってそんな……確かめるんだ! 真実を! あの世界に戻らないと! あの上に行けば何か分かるそんな気がする!」
あの上は自分には縁もゆとりもない事そう思っていたのだが、その逆で自分の為の、新階層だとは思ってはいなかった。ストーンで飛び、最終階層へ着陸した。
「行くしかない!!」
「待て!」
「にな!邪魔すんなよ!」
「私はお前が欲しい。私の元から消えるのなら、お前を殺してでも、私に手元へ置く」
「やるしかないのか。ック……だが容赦はしない! 僕専用スキル 神剣 魔剣の二刀流。これは、神剣、魔剣1本の装備をできる冒険者は極1部の冒険者だが、僕はその2本を装備するスキルを身に付けた。」
「覇剣こそ、至高の武器。覇剣スキル100を振り切った私の覇剣は絶対に折れない! 喰らえ!【覇王無双】」
「フゥ〜。魔剣グラム 神剣ジャスティス【天下無双】」
一撃の重み最強の覇剣、もし、大剣の二刀流なら敗北していただろう。神剣 魔剣は共に、覇剣と並ぶ破壊力に加えトップレベルの属性値を持ち闇 光を兼ね揃えた弱点なしの二刀流。スキルはまだ20しか振っていないものの、覇剣の100を圧倒する火力。あっという間に決着は着いた。
「僕は先へ行く。待っててくれ。にな!」