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『体育倉庫の怪』②
うぁああ!!
俺はその声を上げられなかった。恐くて。
けどはじかれて転がってきたのは、絶対にボールだった。
だからそいつ、にも首はある――いや、ない!
俺はさらに縮こまった。もう目は絶対に開けない。
がたん。
「おい、速水ー?まさかここか?」
音がして、扉が開いた。
「!!せ、先生ー!」
俺は立ち上がって駆け寄った。良かった!!
「先生っ!そこに…っ!なんかいる!!」
「はぁ?」
俺は指さした。俺の直ぐ隣に、いたソイツを。
だけど、もちろん何も無い。暗い闇があるだけ。
――なんだ、気のせいか。
俺はそう思った。
けど。
「うわぁあああああ!!」
先生が、いきなりそう言った。そして、尻餅をついた。
そこに何があったのか、先生は教えてくれなかった。




