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『体育倉庫の怪』
この体育館の、体育倉庫の噂――。
俺は甘く見てた。
たん、たん、たん…。
俺はうっかり、薄暗い体育倉庫に閉じ込められてしまった。
…明かりは小さな窓だけ。
たん、たん、たん…。
さっき聞いた噂と一緒だ。
たん、たん、たん…。
ほとんど真っ暗な中、ボールで遊んでいるヤツがいる。
『じぶんのあたまを手転がし、とんとんたんたん…』
不気味な手まり歌を歌いながら。
そいつは首無しで、なんでか自分の頭をボールにしている…。
という噂。まだよく見てないけど。絶対見たくない。
俺は恐くて、端で目と耳を塞いで、見つからないように息を潜めた。
たん、たん、たんたんたん…。
俺の横に何かが転がってきた。
『あっ』
みー、つけた。




