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JACK+ 怪談 ショートストーリー  作者: sungen
JACK+怪談 2章 子供時代
20/23

『十三階段』


一段、二段、三段…。


俺は数えながら階段を上る。

どうして段数を数えているのかというと……。


『速水ー、早く、次音楽だぞ!』

『あ、チャイム鳴った!』

…と言って、先に行ったクラスメイト達が、登った階段。


その階段は、皆に「十三階段」と呼ばれていた。

たしかに、丁度ステップが十三段あって、一段数え間違えると十四段になる。


『速水~どうした、早く来いよ』

『音楽の先生、怒るよ~?』

クラスメイトの声が聞こえる。


俺はなかなか、一歩踏み出せなかった。

なんでって、だって。


目の前に…結構、長い階段がある。その先に扉…みたいな光が見える。

正直言って…別の階段から行きたい所だ。


でも。

『速水君、急ごう?』

クラスメイトが震える俺の手を取って、登り始める。


必死の抵抗虚しく、…力もあまり入らない。

俺の足が動き始める。一段、二段、三段…。

――ど、どうしよう…?


エスカレーターじゃないけど、死後の世界とか、変な所につながって?


これは、十三段でおわり、十三階段だ。

俺はそう思って、目を閉じて登った。


四、五、ろく、七、はち。きゅう、十…。


十一、十に、じゅうさん!おわり!歩くぞ!


「いてっ!!」

俺は盛大に転んだ。


痛い…。けど、良かった。十三段だ。


俺が足をさすりながら、登った階段を見下ろすと――。


真っ暗で、何も無かった。



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