『語り比べ』 『語り比べ』(速水) 『七不思議』
(クスクスと笑うJACK)
(今宵は事のほか闇が深い…)
(JACKの向かいには、まだ誰かが座っている…)
――お父さんは、大変な目に遇ったのかもしれないな。
――鈴を持たせたのは良いアイディアだ。
これから、この子はどうなるんだろう?
いつまでこの家に居られるのか。ああ。
――もちろん、君たちは知ってるよな?
(ガー、ガー!と、楽しげにどこかでカラスが鳴く)
『語り比べ』(速水)
クスクス、と目の前の男が笑った。
…コイツの顔がよく見えない。近づこうとすると、遠ざかる。
声も反響してて、何だかブキミだ。男のくせに、髪が長いらしい。
……この屋敷には明かりがほとんど無い。
テーブルの上に、ろうそくが一本。
それだけだ。
テーブルの上には黒い手紙や黒い葉書…。
……そんなに枚数はないな。
カラスが沢山いるのは分かる。鳴き声や羽音が聞こえる。
どうやら、この男は…俺の過去を語っている『つもり』らしい。
――けど、この子供は本当に俺なのか?
霊感少年って、コイツの作り話だろ?
「さて、次のおはなしは。その子のお父さんが来て、帰ったその後の出来事だ」
そいつが語る。
――夏祭り――親父が来て、帰って?
俺ははっとした。
……そう言えば、この後は…。
■ ■ ■
『七不思議』
――、七不思議って、何処にでもあるよな?
もちろん俺の通っていた小学校にもあって…。




