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『お泊まり』②
「――親父の分からず屋!!ばかぁあ!」
仏間で俺は叫んだ。
「――分からず屋はお前だ!!」
親父は怒鳴った。
親父にさらに容赦無い説教をされて、俺は泣いた。
「ケチ!」
「――」
親父は正座して、憮然としている。
「知らない!」
俺はそう言って、二階へ上がった。
グスグス、と泣く。
「何で今更…」
ベッドに伏せた。
中学上がる前に戻って来いなんて。本当に今更だ。
中学なんてどこ行っても同じだと思うけど。
……俺は将来の事とか、考えた。
もう今日は寝る!
もし親父が二階に上がってきても、寝たふりだ。
夜中。
…チリン、チリンと鈴の音がして、途中で止んだ。




