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プロローグ

 僕にはもう時間がなかった。病魔は僕の体を蝕み、気づいた時にはもう手遅れだった。

 医者も匙を投げ、隔離病棟で命を繋ぐのでやっとだった。

 そんな僕に出来ることは窓の外の景色の些細な移り変わりを見ることくらい。両親も入ることを許されないため話し相手もいない。

 むしろ、こんな延命措置などやめて早く殺してくれと思ったことは一度や二度じゃない。だが、その希望は聞き届けられることはない。

 もし、僕が健康だったらどれだけこの世界を謳歌出来るのだろう。どれだけこの世界の素晴らしさに気づけるのだろう。どれだけのことをこの世界のために出来るのだろう。いつも考えることだ。

 だが、考えるだけ無駄だ。

 どうせ死ぬのだからこれ以上辛いことを考える必要なんてないじゃないか。

 命を無駄に捨てる者、罪を犯す者が憎い。とても妬ましい。その命にはどれだけの可能性があるのか知らないのだろうか。なら、今すぐそこまで行って説教してやりたいほどだ。


 本当に神様は理不尽だ。この世界に神なんていないんだ。仮にも僕には、いない…。

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