表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/56

同居

「突っ立ってないで、上がったら?俺の家初めてじゃないんだし…」

拓馬の家に着いたものの、今日からいざここで暮らすとなると、緊張してしまう。

それに、楓のこともやはり気掛かりである。

躊躇しながら、そっと一歩踏み出した。


「あの…お邪魔します」

「じゃねーだろう?」

拓馬が不愉快そうな顔でこちらを振り返った。

「今日からここがお前の家なんだから、お邪魔しますじゃねーだろう?」


あ…。そうだった。

で、でも、そう簡単に入っていけないよ。


そんな風に戸惑っている私の手を捕まれた。

「ほら、早く来いよ、お前の部屋案内するから」

拓馬に連れられて螺旋階段を上っていく。

拓馬の手が温かい。

ここは現実の世界じゃないのに。ちゃんと温もりを感じられる。


「ここがリンネの部屋だよ」

案内された部屋に既に私の荷物が置いてあり、私の好きな色の壁紙、私の好きなキャラクターのヌイグルミに囲まれた天蓋のついた大きな白いベッド。

天井にはミニミニサイズのシャンデリア。

ピンクのフリルカーテンが風に揺らされている。

楓のところの部屋も素敵だったけど、こっちのお部屋はまさに現実世界での私が夢見ていたお部屋。


「お前、こう言う部屋が好きなんだろう?」

「うん」

すごい、見事に私の好みで驚いた。


「すごい、すごい、クローゼットの中も私の好きな服だらけ」


「はしゃぎすぎだろう?」

拓馬は面白ろそうに言ってベッドに腰掛けた。

「リンネって本当に可愛いな」


え?


い、い、今私のこと可愛いって?


「そうやって子供みたいにはしゃでるとことか本当に可愛い」


そして、私の隣に来て頬に触れた。

思わずびくっと肩を震わせてしまうと、

拓馬はクスっと笑った。

「大丈夫。心配しなくても今日は何もしないよ」

「…」

「だけど、二人きりの時にさっきみたいな無邪気な顔されたら、俺どこまで自分を抑えられるか分からないよ」

「え」


拓馬の真剣な瞳に心臓が止まりそうになる。

な、何このシチュエーション。

どうしたらいいか分からない。

ゲーム画面の向う側でもこんなシチュエーションドキドキするのに実際にこんなのって…。


その時。

ひどい目眩に襲われて、立っていられなくなった。


「リンネ?」

「ご、ごめん、ちょっと疲れたみたい」


心配そうな拓馬にそう言うのが精一杯だった。


貧血なのかな?

それとも、拓馬にあまりにもドキドキしてしまったからかな?


拓馬はひょいと軽々私をお姫様抱っこしてベッドまで運び、優しく髪を撫でてくれた。


「今日はリンネが眠るまで側にいるから」


大好きな拓馬の声、こんなにも近くに拓馬を感じるのに…。

私の意識はそこで途絶えてしまった。






























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ