告白
「わぁー、今日はご馳走だね」
自分の部屋まで、美味しそうな香りが匂ってきてたまらなくなって下に降りてきた。
食卓にはカラフルなサラダや、サンドウィッチ、から揚げ、ハンバーグ、そして、大きなデコレーションケーキが置いてあった。
「今日は、リンネさまが契約更新してくれた記念日なので、今日はルナさま、瞬、拓馬も呼んであります」
え?ええええーーーーーーー拓馬?拓馬が来るの?
拓馬、その名前を聞くだけで胸がドキドキする。
けど…。
「リンネさまのためにお呼びいたしました」
少し寂しそうな横顔の楓が目に映り、感情を抑えた。
ここに来た頃の楓はゲームの中とおなじでとてもクールな感じで自分の感情を出すことは無かったのにな。
「リンネさま、今日はシャンパンでも飲みますか?」
「え?でも、私、未成年」
「ここは二次元ですよ」
くすくすと小さく笑いながら、棚の一番上の方に飾られていたシャンパングラスを取り出した。
あ…。
知ってるこの光景。
ゲームの中の楓ルートの中で、楓が一番大切な人を夕食に呼んだ時に、取って置きのシャンパンとグラスを用意するシーンだ。
普段はアルコールを全く飲まない楓が、緊張を解くために度数の少ないアルコールを飲むところが乙女心をくすぐった。
楓のそんな気持ち分かっていながら、私、ひどいよね。
「あのさ、楓」
私が口を開いた瞬間、玄関の扉が勢いよく開いて、
「こんばんわーー、お邪魔しまーす」
うちのバカ母と瞬と拓馬が入ってきた。
「そこで拓馬と一緒になったから連れてきた」
グレーのスーツ姿の拓馬がかっこよくてかっこよくて。
キュン死しそうになった。
「パーティって聞いたからさ」
無造作に頭を掻く拓馬がたまらなくきゃわゆい。
六人が食卓に着き、各々が好きな話をして楽しんでいた。
「こんばんわ、久しぶりだね」
隣にいる拓馬が笑う。
「う…ん、遊園地以来だね」
「ああ、遊園地、楽しかったね」
私は隣に拓馬が座っているだけで、胸がドキドキして、あまり食べれずにシャンパンばかり飲んでしまい、少し気分が悪くなった私はバルコニーに出た。
はぁー、風が心地よい。
拓馬が隣にいると心臓発作を起こしてしまいそう。
てか、シャンパンのせいかな?
体が熱い。
「リンネさま?」
心配そうな顔をした楓が私の後を追ってきたらしい。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、楓は中で食事してて」
「しかし、リンネさま、食事もあまりされていなかったようですし」
よく見てるね、私のこと。
「拓馬が隣にいるとドキドキが止まらなくて」
楓は黙ったまま隣に立っていた。
「この世界に来たのも、拓馬に会いたかったただそれだけなんだなーって、拓馬がいればそれだけで私は何もいらないんだなーって」
酔っぱらってるのかな?
拓馬への言葉が次から次へと溢れる。
ずっと黙っていた楓が私の顔を自分の方に向けた。
「ちょ、ちょ、楓?」
突然のことで何が何だか分からない。
「リンネさま、一言だけ言わせてください」
「油断しないでください、私だって男です。貴女を愛してます」




