表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/56

疑問

私は何故この世界に来たのだろうか?

アニメ色に染まっている景色をバルコニーから見下ろして考えていた。

現実の世界で見ていた空とは違うコバルトブルーの空。

白の雲は現実と似ているけど、触れようとすれば触れるフワフワの綿菓子のような雲。


この世界に来たことを疑問に思うことは何故自分が産まれて来たのだろうか?

と言う疑問に良く似てる。

自分が産まれて来た理由が答えられない以上、この世界に来たことも答えなくていいのでは無いのだろうか?

現実世界は思い通りにならないことだらけ。

私は別にいい大学に行きたくてあの高校で過ごしてしている訳じゃない。

テスト前必死で勉強している自分。

テストの結果にまぁまぁ納得している自分。

いくら学校の勉強ができたって夢に近付いていることにはならない。

私の夢……?

私の夢って何なのだろう?

二次元に出てくる素敵な男性との結婚?

永遠に年の取らないままで、好きなことをやっていく生活?

どれも曖昧過ぎる。

夢たっぷりのテレビや映画を見て、こんなことありっこない、叶いっこない。

現実たっぷりのテレビや映画で、夢破れた人たちを見て、そんなのもっと頑張らなかったから、やろうとしなかったから……。

そんな適当な言い訳。

じゃ、私はどう?頑張ってるの?

時間が無いって言い訳ばかりしてるんじゃない?


幼い頃、大好きだったアニメ。

その中のキャラクターに何度励まされたか……。

キャラクターの言葉に心を何度も打たれた私は、アニメの中で生きていたいと思うようになった。

実際にそんなこと叶うはずがないのななら、せめてアニメのキャラクターになりきってみたい。



そう……、思い出した。

私の夢は声優になることだった。

だったら、学校の勉強とか役に立たないのじゃない?

中学三年生の受験まっしぐらの時。

母親と衝突したことを思い出した。

勉強しろと言ったことのない母親だったけど、高校だけは卒業しろと言っていた。

全く高校へ行く気の無かった私は渋々進学して今がある。


そのせいなのか?

学校のことを考えるだけで吐き気がしてくる。

行きたくない。

これはただ現実から逃げているだけなのかな?


「リーンネ、拓馬が迎えに来てるわよ」


玄関から母親の声がした。

ここの世界に来て、一緒に暮らしていないはずの母親なのに何故か いつもここにいる気がする。

疎ましくて仕方の無い母親。


「ほらほら。ぐずぐずしてると私が拓馬とデートしちゃうわよ。忘れないでね、私の本命は拓馬なんだから」

相変わらずフリフリのピンク色のドレスを着た母親がちっとも降りてこない私の元へやってきた。


こんな母親だけど、やはりいないと寂しい。

絶対口にしないけどね。


「バカ母には絶対負けないからね」


ベッと舌を出して、私は急いで下に降りて行った。


あー、愛しの拓馬。

今日も私は拓馬が大好き。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ