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バカ母に言われた通りに、こんなアニメ世界の中でも特に異彩の空気を放っているそびえ立つ宮殿を私は目指す事にした。

宮殿の廻りには人一人いず、こんなにすんなりと中に入ってしまって平気なのだろうか?と思うほど簡単に入れてしまった。

その中を入ってすぐ右に曲がり、突き当たりまで真っ直ぐ行き、全体的が赤茶色で金の縁で彩られたエレベーターらしきものに乗りバカ母に言われた通りB3のボタンを押した。


宮殿の中にエレベーターとかマジでなんなん?

しかも、このエレベーター今にも壊れそうな感じでガタガタ音がするし。

ここが二次元なら、何でエレベーターがこんなにボロいんだろう?

ふひゃー。

エレベーターの落下速度が想像していた以上に早くて、ボロいせいもあるのかな?

カタカタと今にも壊れそうな音がする。

落ちて行くと言うこの感じ、何だろう?すごくやだ。

気持ち悪くなる。

と思っているうちに、地下三階に着いたようでエレベーターのドアが開いた。


外の華やかな景色とはうって変わって、不気味な感じのする、正に地下空間と言う言葉がぴったりの場所だった。


こんなとこに受け付けなんて本当にあるの?

だいたい受け付けって何だよ?


半信半疑ながら、私は長い廊下を歩き始めると、


「ここだよ、お嬢さん」

キレイなキレイな透き通るような女の人の声がした。

え?どこ?

「ここだよ」

私がきょろきょろと辺りを見回して声の主を探していると、その声は上から聞こえてくることに気付き、頭上を見た。

すると上の天面が開き、ロッキングチェアに座ったままの状態で、黒頭巾を被ったきつそうな顔立ちをした女の人が降りてきた。

降りてきたと言ってもさすが二次元。

ワイヤーなどは見当たらない。


だけど…。

だったら、地下二階で良かったんじゃないのー?

と思わず突っ込みたくなってしまった。


「受け付けだろう?受け付けには、まずここの同意書にサインしてもらうことになってる」


同意書?そんなものがあるの? 

『第一。 逆ハー生活を充分に楽しむ。

第二。 現実の世界の事を忘れる。

第三。 (これが一番大切)

    自分から意中の相手に想いを打ち明けてはいけない。 』


何じゃこりゃ?


「ほら、読んだならさっさとサインして、その次に名前の登録があるから、早くして」

せかせかと話す女の人にいささかむっとしたけど、取り合えずサインした。 


「次は名前の登録。これは非常に簡単。このタッチパネルで自分の好きな名前を打てばいいだけ」


彼女はそう言って、黒のロングスカートの右側のポケットの中から、大きな大きな白のタッチパネルを取り出した。


てか、そんな大きいのがポケットに入ってるとか、○○エモンもびっくりだわ!


好きな名前、好きな名前。


考えてもそう簡単に思い付かないけど。そっか、簡単に考えればいいんだ。

自分がいつも乙女ゲームで登録する名前。

輪廻=転生のリンネ。


何度生まれ変わっても私の大好きなキャラクター、拓馬と巡り会えますように。


「リンネで決定?」

「リンネで決定です」

「登録完了。では、この世界での暮らしを楽しんでください」


最後は業務的に言うと彼女は、煙のように消えてしまった。


え?それで、私はどこに行けばいいの?

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