拓馬とデート?
どうしよう?
昨日全く眠れなかった。
目が赤い……。
こんな顔、拓馬が見たら何て言うかな?
「リンネさま。お出掛けですか?」
私より早く置きていた楓に声を掛けられ少し心が痛んだ。
昨日、あれから、
「じゃ、約束な。明日十時に迎えに行くから」
私の答えを聞かずに去って行ってしまった拓馬。
憧れの拓馬から突然のお誘い。
本当もうどうしていいか分からなかった。
そんな中でも、一瞬、楓の顔が浮かんだ。
私って本当最悪。
昨日少し心が楓に傾けかけていたのに、拓馬にデートに誘われたら、気持ちがすぐに拓馬に向いてしまった。
「う……ん、ちょっとで、出掛けてくる」
ここでも、悪魔の私が、『拓馬が迎えに来るとこ楓に見られたくない』なんて思ってる。
どっちにもいい顔してたら、そのうち二人とも離れて行ってしまう、だけど……。
ごめん、楓。
「リンネさま?」
「ごめん、今日食欲無いから、朝飯いらない」
私は楓の作ってくれたフレンチトーストに手をつけず、楓の顔を見ることも無く、二階の自分の部屋に上がった。
壁に掛かっている時計を見ると、九時半だった。
もうすぐ、もうすぐ、拓馬が来てしまう。
私は鏡の前で自分の服装をチェック。
白の半袖のロングワンピース。
白のパンプス。
めちゃ清楚。
心は全然清楚じゃないのに、何て格好してるんだろう?
私は足音を忍ばせて、そーっと階段を降り外に出た。
うん、大丈夫。
楓にはばれてない。
この庭で待っていれば、きっと大丈夫。
「私が何も気付かないとでも思っているのですか?」
「え?楓‼」
ばれてないと思っていた楓が私のすぐ後にいた。
「どうして、楓?」
「リンネさまの考えてることはお見通しですよ。私に隠れてお出掛けと言うことは相手は拓馬ですか?」
うっ……。鋭い。
「ごめん」
「何で謝るのですか?私に謝る必要なんてないですよ」
楓の優しさが痛い。
「楓、あのね……」
「リーーーーンネ」
拓馬の声がした。
今日の拓馬は、青のポロシャツとデニムと言う軽装だったけど、めちゃ格好いい。
さっきまでの楓の罪悪感はどこへやら……。
「じゃ、楓。今日一日リンネ借りるから」
そう言って、私の手を取り、走り出した。




