まさかの…。
丘のふもとの森の中、たくさんの木々が並んでいた。
その木にはたくさんの果実がなっていた。
「わぁーーーー、たくさん果実。さっそく食べちゃおう。」
バカ母が緑色のひょうたん型の実を一口かじった。
「うわ、にが…。まず…。」
瞬間、口から吐き出す。
いくら二次元ちっくに可愛くなってもあれじゃ…。百年の恋も冷めるわ。
って思ったのに…。
「大丈夫?ルナちゃん?」
隣にいた瞬がポケットから自分のハンカチを出し口を拭いてあげていた。
「ありがとう、瞬。」
「どういたしまして。」
またくだらない茶番が始まりそうだったので、その場を離れて、
「光希。恋愛が成就する実って苦いの?」
光希は、木になっている実の一つ一つを真剣に見ていた。
が…。
「恋愛成就の実は、色は黄色でそして小さなハートマークがどこかに映っているはずです。」
どれでもいい訳じゃないんだ。
「その実を普通に食べればいいの?」
「好きな相手のことを思い浮かべながら食べると、恋愛成就になるらしいんだが…。さっきも言った通り、ただの言い伝えですから…。」
言い伝えでも、何でも…。
私は拓馬の彼女になりたい。
一瞬、楓の切なそうな顔が頭をよぎる。
楓は、いつも私のために色々してくれた。
私が辛い時も側にいてくれた。
このまま、拓馬が私の彼氏に…。
てか、こんな形で拓馬が彼氏になったとしても嬉しい?
まだ実さえ見付かっていないのに。
ネガティブなことばかり思ってしまう。
「リーンネ、何暗い顔してんの?」
レントが背後から私を抱き締めてきた。
「一緒に探そう。そして、一緒に食べよう。そして、オレの彼女に…。」
って…。
そんなこと言ったら、いずみが…。
運がいいことにいずみは近くにはいなかった。
「レント…。私は拓馬が好きなの。」
でも、それはゲームの中だけじゃなかったのかな?
実際に拓馬が目の間に現れて嬉しかったけど、それでも、ここに来て拓馬と過ごした時間はわずかだった。
だけど、楓と過ごした時間はその倍以上に長い。
私どうしたんだろう?
私…。楓に会いたい。




