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休息

レインとミリアは見張りでテントの前に座っていた

迷宮内は暗く湿った空気なので二人とも火の近くにいたが、改めて今いる所を見ると、とても広い部屋だとわかる

天井が焚火の光が届かない位高いので、天井がどの様になっているかもわからない

周りを見渡しても、ちょっとした家が2、3軒建てられる程広く、壁際に松明を置いて置かないと何も見えない状態だった

ガイアスが松明用の窪みを見つけなければ暗いだけの部屋になるところだった


静けさが漂う中にミリアの声が聞こえた

「広いね…」

レインはミリアを見ていたので、突然のミリアの言葉に驚いた

「う、うん、誰がこんな迷宮を作ったんだろうね」

「ねぇレイン、やっぱりお父さんの仇を取りたいの?」

レインは少し俯いて考えた

(俺は父さんの仇の為に迷宮に来たのだろうか…)


「最初は父さんの仇を取りたいから早く迷宮に行ける様に必死に修行したんだけどね、今は父さんが出来なかった迷宮の謎を俺が解き明かしたいと思う様になったよ、でも…もし、父さんの仇が目の前に現れたら…わからない」

ミリアはじっとレインを見ていたが、体を寄せて頭をレインの肩に乗せた

「それで良いと思うよ。だってレインはレインだもの、おじさんの仇を取るなんてレインには似合わないわ」

レインは黙って頷いた

「私はずっとレインと一緒にいるわよ」

「ありがとう、俺はミリアを必ず守るよ」

ミリアは嬉しそうに小さく「うん」と返事した


「なぁ、お二人さんイチャイチャは終わったかい?」

二人は同時に声の方に振り向くと、そこにはニヤニヤと笑っているガイアスとミレーユの姿があった


「なっ、誰がイチャイチャなんて…」

「そうですよ!イチャイチャしてましたよ、私はレインが大好きですからね」

レインは言葉を遮られ、かつミリアにイチャイチャしてるなんて言われたら返す言葉はない」

ミリアを見ると顔を真っ赤にしてほっぺたを膨らませていた


「あはは、ミリアには参ったな、レイン、しっかりミリアを守ってやるんだぞ?」

「わ、わかってるよ!」

レインは照れ隠しなのか大きな声で言い返した


「さて、そろそろ下層に向う準備をしてくれ」

ガイアスはそういうと、ミレーユとみんなを起こしに行った


レインはミリアの顔を直視出来ないでいた

「レイン…私の事、ずっと守ってね?」

「あ、当たり前だろ、今更何言ってるんだよ」

レインはミリアの顔を見ず答えていたが、ミリアはじっとレインの顔を見ていて、そのレインの仕草がミリアには嬉しかった


(私もレインやみんなが傷つかない様に頑張らなきゃ…)


もう殆ど片付いていて、レイン達が戻ると出発の準備を始めていた

「レイン、今から5層に向うが、今までの魔物と比較にならないくらい強いからな、気を引き締めていけ」

ガイアスはそう言うとレインの肩を叩いた


「うん、あの悪魔くらい?」

「いや、あんなのが5層にもいたら、こっちの命がいくつあっても足りん」

ガイアスは苦笑いしながら、レインに答えた


今いる部屋はかなり広いが、部屋の先には下に降りる階段しか無い

階段は緩やかに降りていたが途中から急激に曲がりながら下っており、丁度真反対に折り返す感じになった

それを何度か繰り返すと少し広い通路に出る

通路の両端には篝火があるが、青い炎が燃えているのに、レインとミリアは驚いていた


「凄いでしょ?普通じゃ青い炎なんてあり得ないものね」

フィーネが声をかけてきた

「でもなんで青いの」

ミリアは率直に聞いてみた


「それはですね」

ブラハムが私の出番とばかりに話しに入ってきた


「まず、あの炎は魔法の炎なので消えません。どの様な魔法なのかは私も今研究中ですが、どうやらこの迷宮自体にかけられている魔法が関係しているみたいです。

なので、青い炎は自然の炎ではないので可能で、やろうと思えば青以外の色の炎にも出来るはずです。

それでですね…」

ブラハムのウンチクは続きそうだったので、フィーネはミリアとレインを連れてガイアスのいる先頭に行く


ミリアが後ろを見るとブラハムは気づかないまま話す事をやめていなかったのを見て苦笑するしかなかった


「レイン、ここからは自分の身は自分で守ってくれ、かばう余裕は無い」

それを聞いたレインは無言で頷く


一向は大きな青白く光る通路を進んでいたが突然マリルが静止の合図を出した

マリルは暗闇でもある程度なら見える、狩人だった時の特技と言ってもいい

マリルは目を細め暗闇の先にいる異形の姿を確認しようとしていた


マリルは小声でつぶやく

「ガイアス、敵は6体」

「判別できるか?」

「ちょっと待ってくれ」

更にマリルは目を凝らす


「……」

「どうした」

ガイアスがマリルに急かす様に聞くとマリルはゆっくり一向へ振り向いた

「ちょっとマズイかもしれん」

「だから何がだ」

マリルは少し間を開けて話し出した

「ローグだ」

「なんだと…」

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