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集結

3話目ワールドワイドラビリンス


「はぁっー!」

「踏み込みが甘い!もっと重心を低く!」

少年は熊の様な大きな男に突進をしたが軽くあしらわれ体制を崩し転んでいた


「レイン…何度も言うが気合だけでは相手は倒せないぞ、しっかり動きを見るんだ」

「分かってるよ、でもガイアスが動かないから動きなんてわからないよ」

「何を言っているワシは動いとるよ」

レインはキツネにつままれた様な顔になっていた

ガイアスはやれやれといった感じでレインに手を差し出し倒れたレインを起こす


「動いたってわからなかったよ?」

「そりゃそうさ、そんなに簡単にわかったら、こっちがやられるからな、わからない様に動いて相手の攻撃に備える」

「わからないよ!」

レインお手上げ状態でガイアスにどうやったのか聞き出そうとしていた


「いいかレイン、相手が動いた後では遅いんだ、相手の呼吸や体の揺れを感じて予測するんだ、どうやったのかなんて教えてわかるようなものじゃない、体で覚えるんだ」

「うーん…難しいな」

「レインは素質がある、そこらの新米冒険者と比べたら遥かに強いんだ、自信を持て」


レインの父マッシュが亡くなって6年が経っていた

マッシュがいなくなり気持ちが沈んでいたレインに少しでも元気付けようとガイアスが剣の修行をしないかと言ってきたのだ

もちろんレインは喜んだが、母リリアはレインが元気になればと了承はしてくれたものの、少し悲しい顔をしていた

リリアとしてはレインもマッシュ同様に迷宮の魔物に殺されるのではないかと心配なのだ

だが、いくら止めてもいつかは必ずレインは迷宮に行くと分かっていたので、あえて言わなかった


「レインー、ガイアスさん、お昼ご飯出来たよー」

ミリアが駆け寄ってくる


「おーミリア、もう昼か、レイン!一旦休憩して飯にしよう」

「ガイアスさん、レインをあまり虐めないで下さいね?」

「ミリアの大切なレインを虐めたりするわけない」

ミリアが本気で言っているわけではないのはガイアスには分かっていたので、少し意地悪っぽく返した


「な!何を言っているのですか!ガイアスさんなんて知らない!」

ミリアは顔を赤くしながら走って家に戻って行った

それを見てガイアスは大笑いをしていた

「ガイアス、あまりミリアを怒らせないでよ、後が大変なんだから」

レインはミリアの機嫌をとらないといけないと肩を落としながらガイアスに言った

ガイアスとしては、その様子が面白いので、それはそれで良いと思うのだが、レインとしてはいい迷惑だった


食事をしながらレインはミリアに一生懸命にご機嫌をとっていた

その様子を笑っているリリアとガイアスがいたが、レインとミリアに睨まれてガイアスはタジタジで、それがおかしくてみんなで笑った


「ところでレイン、そろそろ迷宮に挑んでみないか?」

ガイアスが突然、レインに話かけた


「え!?」

レインは驚く

「もう十分修練出来た、1、2層なら軽く突破出来る、あとレインに足りないのは実戦だからな」

「本当に!本当に迷宮に行けるの!」

レインの目は輝いていた

早く迷宮に行きたい気持ちを抑えていたのだからガイアスの言葉に歓喜していた

だが迷宮に行くには幾つか問題がある事をレインは気づいていた

その事を口に出そうとしたレインだったが先にミリアが質問してきた


「行けるのは良いけど仲間はどうするの?レイン一人で行けないでしょ?」

「そうなんだよ僕には父さんみたいな仲間はいない…」

落ち込むレインをミリアは後ろから抱きしめる

「私がいるよ?」

「誰がレインだけだって?俺は一緒に行ってはダメなのか?」

ガイアスもミリアに続いて言う


「他にもレインと一緒に行く奴はいるぞ?」

ガイアスは扉に目を向ける

レインも追う様に目を向けると、そこにはミレーユ、ブラハム 、フィーネ 、マリル の4人の姿があった


「みんな!」

「久しぶりね、随分強くなったそうじゃない、迷宮に行くなら私達も一緒に連れて行ってよ」

ミレーユが言うと他の3人も頷く


「ミリア、戦いながらのサポートや回復はまだ慣れてないでしょ?私がいるから安心して」

フィーネだった、ミリアは確かに実力はあるが実戦経験がない

ミリアはフィーネにお礼を言い、いろいろ考えてほしいと申し出た


これで迷宮に挑む7人が揃った

まずは、迷宮に慣れるために1から3層で慣らしをして本格的な探索は4層からとなった

レインとミリア以外は9層まで経験している猛者だまずはレイン達2人の実戦経験を補うのが目的だ

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