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首都解放  作者: gaku
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戦後

第1章


西暦2016年、日本は北朝鮮の放った3発の核ミサイルによって尊厳の全てを奪われた。

北のミサイルの制度の悪さが仇となったのだ。

1発は大きく外れ日本海に墜落、2発目は首都東京には落ちなかったものの茨城北部に着弾、破壊力の大きさから首都は壊滅した。3発目は成層圏で爆発、自衛隊の通信機能は稼動していたが、対EMPを怠っていた地方自治体は全ての機能を失い、自衛隊もまた統制を失った。

その後、在日米軍と自衛隊の戦闘により、日本は北朝鮮に占領される事は避けられた。


北朝鮮との戦争終結後、米軍が北朝鮮に駐留したが、彼らも大きな損害を受けていた。その被害は先の朝鮮戦争と大差なかった。疲弊しきっていた米軍に対し中国が圧力を掛けた結果、北朝鮮の3分の2は中国の管理下に置かれた。

それから間もなく、中国は有事宣言を発令。

世界中に散らばる中国人が一斉に軍人と化した。

多くの国では自国の武力で鎮圧されたが、中国本土に攻め入る武力は残っていなかった。いや、国内に居る中国人による武装蜂起を警戒する為に戦力を残さざるを得なかったのが実情だったのだ。

武力を失っていた日本は中国本土からの戦力も加わり、中国政府はこの国を


「中華人民共和国 日本自治州」と世界に宣言した。





      戦後




東京を失った日本自治州はその機能を神奈川県藤沢市に移し、中国の一部として動き出した。日本人の多くは中国人によって蹂躙された。

生き残った自衛官や中国政府に対して武力行動を起こす日本人は彼らから「テロリスト」と呼ばれたが日本人はこれを「日本解放戦線」と呼んだ。


旧みなとみらい地区にランドマークタワーがある。ほとんど元型を止めておらず、残ったのはわずかに3階までで、ドックヤードガーデンは本体の瓦礫によって山になっている。しかし、そのお陰でランドマークタワー階下の地下施設は無事だった。放射能の影響もあり、中国人もこのエリアはパトロールが来る事は少なく日本解放戦線にとっては有り難い限りだった。この場所に拠点を置くのは、日本解放戦線第501行動部隊。首都藤沢からもっとも近い部隊だったが、首都に近いだけに武器も多くは入ってこなかった。武器のほとんどは旧自衛隊の89式やSIG P-229を中心に米軍から供給された銃器、対戦車ミサイル、地対空ミサイルがわずかにあるだけだった。




2021年7月13日、旧みなとみらい地区ランドマークタワー3階。小坂は声を押し殺し、割れた窓の端から頭上のハインドDをやり過ごした。中国の国旗が胴体に描かれたその戦闘ヘリは空飛ぶ戦車と恐れられている兵器だ。スティンガーと呼ばれる地対空ミサイルが小坂の傍らにあったが、無闇に攻撃して自分や部隊の居場所を教えてやる必要もない。


彼は元々、軍人ではなく、トラックの運転手だったが、ある日、平塚の自宅へ帰宅すると妻はベッドで裸の状態のまま仰向けで死んでいた。生後7ヶ月の子供は脳天に包丁が刺さっていた。警察に届け出たものの、犯行を行った中国人は罪に問われる事はなかった。現在の法律では中国人は裁けないのだ。

小坂は2年掛けて犯人を探し出した。殺害した後、警察に追われる身となりそのまま戦線に参加した。

小坂はハインドが無事に通過した事を無線で地下2階にある本部に連絡すると交代の時間まで注意深く周囲を警戒した。


小坂が当直をしているその頃、第501行動部隊の隊長である落合準一が70人ほど居る部隊のメンバーを集めていた。落合は中国に占領されるまでは自衛官で、二等陸尉として普通科連隊、小銃小隊長をしていたが自衛隊解体とともに戦犯として懲役15年とされたが、護送中に待ち伏せにあって助け出され、現在の部隊で隊長をしている。


「皆、聞いてくれ。先ほど首都奪還作戦を開始すると戦線本部からの連絡があった。明日2000時より首都に向けて移動を開始する。各自、出発の準備を始めてくれ」


一人の隊員が後ろの方から疑問を投げかけた。

「隊長、作戦は我々、戦線だけで行われるんですか?」

もっともな疑問だった。戦車やヘリ、戦闘機に対抗するには圧倒的に兵力も武器も劣っていたからだ。


「詳しくは言えないが、世界情勢も安定してきた。米軍を初めとしてEUや韓国も戦闘に参加する」

皆が笑みを浮かべたり、覚悟を決めた顔をしながら持ち場に戻っていった。


作戦の詳細はこうである。7月20日、日本時間0400時。韓国軍と在韓米軍が旧北朝鮮国境付近まで進攻、時を同じくしてEU連合軍の航空部隊がロシア側から侵入。中国の圧力を受け始めていたロシアも快く思っていなかったのだ。航空部隊は中国軍の航空基地を破壊、制空権を掌握。EUの各国特殊部隊により通信、発電所、核兵器サイロの破壊をする。

一方で日本においてもほぼ同様の作戦が行われる。




7月14日2000時、501部隊は徒歩での行動を開始した。藤沢に入る手前の横浜市戸塚区まで侵入した後に他部隊と合流、本部の命令を待つのが現在の任務だ。

旧みなとみらい地区からは国道1号を通るのが一番早いのだが整備され過ぎていて隠密行動には適さない。少ない山間部を時間を掛けて進んでいくしかない。

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