6.ルナのキセキ
いよいよこれにて、最終話となります。
最後まで、是非楽しんでいってください。
それから、1年後。
此処は、ハワイにある、とある中華料理屋の個室。
「では、遅れながら母メーリンの退院と」
「僕達の【ルナコロニープロジェクト】の偉業祝い」
「それに、ルナちゃんの多大な功績の祝いを祝し」
『カンパーイ!』
僕とその家族は、色んな祝勝の祝いのため、中華料理屋で打ち上げをしている最中だ。
「いやーしかし、【ルナの輝石】は凄いなあ」
「ええ、お陰で私の病気は完全完治しましたし」
僕の真正面に仲良く座っている父と母は、満面の笑みを浮かべ、ビールを元気よく飲み干す。
「これで、ルナプロジェクトの財源は余裕で確保できましたしね……」
と、僕の隣で自慢げに語り、ビールを飲むルナ。
「ああ、月面居住旅行は毎日パンパンさ!」
僕も負けじとビールを飲み干し、テーブルに空になったジョッキをドンと置く。
そう、あれから【ルナコロニープロジェクト】は進み、大変なことがわかったのだ。
順を追ってまとめ、説明しよう。
まず【ルナの輝石】の効力。
驚いたことに人体に悪影響を及ぼすものを滅し、リセットする不思議な能力を持つことがわかった。
これはあれから大病院の先生が他のガン患者らに試し、分かったことになる。
そう、だから、母の体内のガンも完全に滅したそうな。
僕の不眠が治ったのも、先生曰く「血圧が改善し、ストレスがリセットされたから」とのこと。
まさに、奇跡の力である。
で、この【ルナの輝石】なんだけど、実は月面の地下に大量に埋まっていることが判明した。
というか、ルナ曰く、地下の層が一面その宝庫らしい。
なんとも、たまげた話である。
それが分った今、世界中からのパトロンのお金が急遽集められ、月面に1つの巨大医療施設が立つこととなった。
その名も、【ルナパースホスピタル】。
日本語訳すると「月の奇跡の病院」とのこと。
なんと驚いた事に、そのベッドの骨組みは、全て発掘した【ルナの輝石】で出来ているのだ。
で、そのベッドで数か月過ごせば、あら不思議。患者は完全完治、というわけだ。
さておき、酸素や水などは地球から持っていくしかない。そして、それらの移動
なんてったって、宇宙船経由で月まで持っていかないといけないからね。
更には空気がない月面においては、最新の【AI・T・M・P技術】で製造された、無人のマシンでないと円滑な物資の運搬は出来ない。
そのための維持・運搬費用は、計り知れない天文学的な金額となってしいまうわけである。
そう、ここいらのどうしても支出を抑えることが出来ない難しさに、僕達ルシル財団は頭を悩ませていた。
だから、それを上回る収入を僕らは欲したのだ。
が、有難いことに、その収入源を得ることができたのである。
そう、それが【ルナパースホスピタル】の入院患者達だ。
患者やその関係者は「絶対助かると理解している」ので、当然お金は惜しまない。当然、金より人の命だしね。
そんなわけで、「もしかしたら【ルナの輝石】以外にも貴重な資源が見つかるやも?」と、考えた人々はこぞって【ルナコロニープロジェクト】のパトロンに加わったわけである。
そんなこんなで、【ルナパースホスピタル】は今日も絶賛満員御礼なわけなのである。
で、【ルナコロニープロジェクト】の主要財団の一員である僕らは、ありがたいことに巨万の富が約束され、今僕らは気持ちと良くなってるって流れなんです。ハイ。
「ここ数年の努力が報われて、良かったですね、デロップ様」
と、全てを察したように、僕の隣で笑みを浮かべ料理をついばむ、ルナ。
「ああ、ルナ。これも君のおかげさ」
僕は笑みを浮かべ、おかわりのジョッキをルナのジョッキに、チンと合わせる。
そう、最初にルナと話したときは「とんでもない子がきたな」と、思ったもんだ。
が、どうやらこの子は「運命の月の女神様」だったらしい。
僕は銀色の柳髪を揺らし、僕の肩に寄り添うルナの華奢な体を抱き寄せ、考えるのだ。
それにしても【ルナの輝石】かあ。
ん? ルナの輝石、月の奇跡。ルナの軌跡……⁉
そ、そうだっ!
僕の気持ちは、二杯目の飲み干したビールと共に、更に舞い上がっていく。
僕は後日、この話を一冊の本にまとめ「ルナのキセキ」と題し、出版することとしたのだ。
結果、本は重版の爆売れ状態。
更にその本の売れ行きがルシル財団及び【ルナパースホスピタル】の宣伝となり、富が更なる富を生む結果を生み出す。
そして、【ルナパースホスピタル】で完治した患者達は、不思議と人類の平均寿命を上回る結果を生み出していったのだ。
この感じでいけば「人類の夢である不老不死」も、もしかしたら……?
僕は、そんなことを考えてしまうのだ。
ふと日記を書いている手を止め、隣で静かに佇んでいるルナを静かに見つめる。
「いつか、かないますよ。きっと……」
と、ルナは僕に向かって優しく微笑んでくれた。
「ああ、新しい夢に向かって僕は進むよ。だから、どうか僕にルナの力を貸してくれるかい?」
「さて、どうしましょうかね?」
「え?」
「ふふ、ルシル様の頑張り次第。ですかね……」
意地悪く笑い、僕を指さすルナに対し、僕は「はは……善処するよ」と、苦笑いするしかなかった。
これは遠いようで近い、未来のお話である。
Fin……。
このお話は、これでめでたく、おしまいとなります。
最後まで付き合っていただき、本当にありがとうございました。感謝!
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