表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

白い予言

作者: 空詩
掲載日:2026/01/20

私の祖母は占い師で、亡くなる前にタロットカードだけを私に残した。

今日の一枚は「愚者」。なぜか、そのカードが今の私そのものに見えた。


28歳になったばかりの私は、同じ朝を何度も繰り返している気がしていた。

「今日も変わらない日常が始まる」


通勤電車の窓に映る自分は、いつも同じ表情をしている。


そんな朝、駅のホームを歩いていると、突然白いマフラーが風にあおられて視界を横切った。

マフラーを掴むと前方から見知らぬ男性が息を切らして駆け寄ってくる。


「すみません。そのマフラー僕のものなんです。すごく大切なもので…」

彼の嬉しそうな笑顔には、純粋さがあった。


「占い、信じますか?」

私は唐突に聞いてしまった。

「僕はあまり占いとか分からないんですけど、きっかけなら、信じます」


彼はそう言って去っていった。なのに、その言葉だけがなぜか耳に残った。


翌日、私は思い切って転職の面接を受けた。

祖母のタロットカードが何だか私の背中を押してくれてる気がした。


三日後、採用の連絡がきた。

新しい職場に着き、出会ったのは、あのマフラーの彼だった。


「え、運命ですかね」

と彼は微笑む。

「たまたまですよ…きっと」


私はカードをシャッフルした。

次の一枚を、もう一度引くために。

読んでいただきありがとうございます。

他にも短編を投稿しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
祖母から譲り受けたタロットカードの愚者という一枚が停滞していた主人公の日常を動かすきっかけになる様子が淡々と描かれていて良かったです。白いマフラーを拾うという些細な出来事から占いではなくきっかけを信じ…
2026/01/20 17:59 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ