処刑されるはずの悪役令嬢ですが、襲ってきた魔獣を調理したら絶品でした。~森のくまさん(最強の魔王様)に胃袋を掴まれたので、溺愛ルートに突入します~
「君の作る料理は、豚の餌だ!」
味音痴な王子にそう罵られ、無実の罪で婚約破棄された公爵令嬢ヴィオラ。
彼女が追放されたのは、凶暴な魔獣が巣食う処刑場――『帰らずの森』だった。
普通なら絶望して震える場面。
しかし、彼女は前世で和食屋の女将だった記憶を取り戻し、こう思った。
(あの襲ってくる猪……牡丹鍋にしたら最高じゃない?)
恐怖よりも食欲が勝るヴィオラは、持ち前の『解体』スキルと料理の腕前で、襲いかかる魔獣たちを次々と極上のグルメに変えていく!
その暴力的なまでに美味しい匂いに釣られてやってきたのは、一匹の可愛い黒い小熊。
餌付けして「グラさん」と名付けたその小熊の正体は、なんと封印された伝説の最強魔王様で……!?
「ヴィオラ、余と契約しろ。一生美味いものを食わせろ」
胃袋を掴まれた魔王様による甘々な溺愛と、最強の用心棒(ペット)生活。
さらには、ヴィオラの料理の噂を聞きつけた「氷の騎士団長」までもが、こっそり森へ通い詰める事態に。
一方、ヴィオラを追い出した王子や聖女は、食糧難と不味い食事に苦しみ始め――?
「今さら戻れと言われても、もう遅いです。私は森で三ツ星レストランを開きますので!」
これは、食いしん坊な悪役令嬢が、魔王様と一緒に美味しいご飯を食べながら、幸せを掴み取る物語。