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【完結】天才魔術師団長は天才魔女姫を守れない  作者: かんあずき
第一章

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63 交錯する三つの影

「そ、それは...お父様、爆弾発言すぎません?わたし聞かなかったことにしたいんですけど」

「やはりお前はヴァネッサと似ていないな。普通ならそこは、どういうことか聞くところだ...ただ、ゆっくりも話せないらしいな。地面を魔獣が走り回ってる」


遠くから、腹に響くような地鳴りのような音が響いてくる。

「これだけの地鳴りの音となると...かなりの数ですね」

私は箒で浮かび上がる。

「魔獣は実態があるのでしょうか?」

「ある。魔に染まった動物だからな」

それを聞いて、それなら...と糸の妖精を呼び出す。


《糸の妖精、魔獣の全ての足と体を絡め取れ》


杖から見えない糸が大量に網目のように飛び出ていく。

足、手を絡めとるうちに魔獣が急に立ち止まったために、砂煙がもくもくと上がる。


《癒しの妖精、瞬時に深く意識なきよう眠らせよ、火の妖精苦しまなく跡形なく焼き尽くせ》


癒しの妖精がシャラシャラ鈴のような音を立てながら魔獣を駆け巡ると糸の妖精に捕えられた魔獣たちは意識をなくし、麻酔にかかったかのようになる。

その塊を炎の妖精が青い炎を立ち上らせ、魔獣のみならず、地面まで焼き切った。


その様子をじっとみていた父が唸る。


「その3段階に攻撃をわけたのは、魔獣が苦しまないためか?」

「そうですね。森などでは殺生をすることがなかったんです。基本的にはあるものをもらってきていたし、修行中は食べるものだけを殺めるけど肉はあまり多くなかったので」


殺生はあまり得意ではない。

単純に殺す殺さないだけではなく、その後の後処理も大変だし、一人で食べることを考えても量は不要だ。必要な栄養は卵や牛乳、豆や野菜などで補うことが多い。


「お前、またクリスみたいなやつに襲われたらやられるぞ。力の問題ではなくて、瞬発的に仕留めることが出来なさすぎる。無意識に一発目を弱めすぎるんだよ。しかも、3段階にすることで魔力も無駄に使ってしまう。まあ、これはヴァネッサも同じだったから心配していたんだが。はあ、ルシアンに期待した俺がバカだったか。」


父はゆっくり魔法陣を下に下ろし、焼けた後の土を見ている。

「妖精が土まで焼き切っているからもしやと思ったが、だいぶこの辺りの土地は瘴気に侵食されているようだな」

「そうね。魔の空気を含んでいるわ。上で全体を把握した方がよさそうね」


使い魔がくんくん地面を匂い、前足で土を掘っている。

私には、二人が気づいていることがわからない。


「それは、どうやったら分かるんですか?」

「そうだな。どうやったらというより、経験だな。表面だけ炎が走る時は魔獣のみだが、土まで焼き切ろうとする時には焼く範囲が深くなっているということだ」

私はなるほどと頷く


《土の妖精、汚れた土を戻せ》


試しに土の妖精を呼んでみるが、来た途端鼻を抑えて無理無理と叫びながら消えてしまう。


「あ、逃げちゃった」

「土の妖精は綺麗な土を活かすことは得意だが、汚れた土に近づくのは嫌がるだろう」

父は再び呪文を詠唱し、魔術陣を展開させ浮かび上がる。

私も慌てて箒を使って浮かび上がった。


「さてどうするか...相当瘴気が濃いことはわかる。ということは魔も大きい。核がどこにあるかだな。」

「聖女様たちに一度浄化してもらった方がいいかもしれませんね。あの、お父様、魔女は浄化できないんでしょうか?」


それができればみんなの魔女はのイメージと変わるのに。


「それは無理だ。炎使いに水を出せと言っているようなものだ」

「そうですか...」


私は肩を落とす。


「これからお前はどうするんだ?」

「まだ、何も決めてないです。お父様のことやお母様のことをもっと知りたかったんです。だから、最初は王家のお祖父様やお祖母様に会いに行こうと思ってました。でも、お父様といろいろ話して、私が会いに行ってはいけない方だとわかりました。」

「血のつながり云々の前に、その頭で貴族の家に行くことはお勧めしない。お前はずっと森にいたからわからないと思うが、思った以上に貴族は身なりを気にする。身内ならなおのこと、何があったか聞こうとするだろう。その時に使い魔の話を出してみろ。碌なことにはならない」


私は頷いた。


「それだったら、しばらくはいろんな街を見て勉強します。国内にはいます。あの...それで結婚印なんですけど...」

「解除して欲しいならしてやる。だが、その時はルシアンと二人で来い」

「もう会うのは..」

「向こうは会いたいようだ。ずっと闇の妖精と認識阻害を何重にもかけても破ってくるから無駄な魔力を使って私は疲れた。」

「え??」

「この半径100mを何度となく攻撃してくる。少なくとも私にはクラリスに対してよりは熱心に見えるが..ん??」


パリン、パリン、パリン...


遠くからガラスを破るような音が聞こえてくる。

そこに見えたのは、ルシアン様とーーお母様!!


そして、ラスカル様??


三人の顔が険しい。そしてお父様もーー


「どうして…ルシアン様がラスカル様とお母様と一緒に…?」


私は思わず使い魔の猫ちゃんを抱きしめる。

使い魔も

「にゃにゃ!!逃げたいんですけど!」

と思わず一緒に震えてしまった。

















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