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天才魔術師団長は天才魔女姫を壊せない  作者: かんあずき


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48 使い魔の提案

「搾りたては、本当にうまいな」

「でしょ。ここの草は魔力があるから、少し牛乳にも魔力が入るんですけど、普通の人は魔力がないから気づかないですよね」


森の中でも、外との出入りが近い地域で、牧草になる草が広がるので数匹の牛が食べた後、のんびり過ごしている。

野生なのに凶暴ではないのは、ここの癒しの魔力が作る空間のおかげだろうか?


「この森だが...王が攻めてきたとしても、俺たち二人で守れるんじゃないか?もっとラベンダーが森を出て国内外自由に動いてもいいとおもうぞ。」


牛の頭を撫でながらルシアンが言う。ルシアン様からは結婚を継続してほしいと言われ、後は森を人質にとられているだけならお父様の言葉に従わなくてもいいのかもしれない。


「この森を壊しに来るときはお父様じゃなくてお父様に指示された魔術師や騎士の人たちですよ。

私は森を守るためだったら、間違いなくみんなを傷つけます。でも、それは嫌です。ルシアン様だって、私と一緒に森を守ったら仲間を傷つけることになるんですよ」


魔女だけなら森を守ればいいが、腐っても私は王族なのだ。森を守って人を傷つけるなんて本末転倒すぎる。


あっそうだ!聞きたいことがあったわ


「ルシアン様はこの森に入る時に大変だったって言ってたでしょう?どうやって入ったんですか?」


「ああ、君への謝罪と想いを一晩中入り口で伝えて、なおかつ使い魔が紹介状を書いてくれたんだ。それでもあの傷だ」 

ルシアンは、あれはまいったとばかりに顔を顰めた。

魔術が全く効かないという体験も珍しかったらしい。


「使い魔の猫ちゃんが??魔女と使い魔の繋がりでしょうか?」 

「分からないが、間違いなく紹介状は受け取っていたぞ」

「そうですか....大樹様は時々、頭に話しかけてくることがあるんです。その時に父もこの森に来たことがあるって言ったんです」


私は、ルシアン様からの話を聞いて入るのは簡単ではないことを知るが、使い魔経由もあることを聞き驚く。

でも、紹介状だけではダメだったわけだが...


「王が??」

「お母様とは政略結婚で、他のものに渡すわけにはいかないから仕方なく王の自分の元に嫁がせたと言っていたでしょ。そんな人を森が受け入れると思えなくて...」

「たしかに...妙だな」


ルシアンも、嘘だろう!とばかりに驚いている。

大体、そんな手間をかけてまで結婚するなんて、他の妃に比べて平等ではない。


「もし、街に出たら母の若い時の話とか聞けないかと思って。国で唯一の魔女ならそれなりに知られてるんじゃないかしら?父との関係も知ってる人はいないかしら?」


「北部の街を巡る時に聞いてみてもいいが、王のことは城下の方が詳しいものが多いだろうな。ただ..まてよ」


ルシアンは、ちょっと思い出すように考えていた。


「君を紹介したい人がいる。俺の前の魔術師団長でラスカルというんだが覚えはないか?」

「ああ、覚えています。まだ小さかった時ですけど、優しい人でした」

「ヴァネッサ王妃は、魔女の修行に護衛はいらないと言っていた。彼女は君を国に縛りたくなかったという思いがあったらしいね。だが、俺とラスカル前団長は純粋に君が無事に修行を終えてほしいと願っていた。当時、君の護衛に推薦したのはラスカル前団長なんだ。」   

「そうだったのですか?」


ラスカル前魔術師団長は、姫である私にやさしく、小さな魔術をたくさんみせてくれた。


魔女姫である私が、みんなから向けられる視線は決して優しくはなかったが、ラスカル前魔術師団長がくれるお菓子を食べる姿は、まるで普通の子供のようだとみんな言ってくれていた。

今でも、普通のつもりだが、周りはそうみない。


「今は、ラスカル殿が北部で領地を治めているんだ。君と結婚したと報告に行くんだが、ヴァネッサや王のことも知っているかもしれない」

「確かに。結婚の時の経過も耳にしているはずですよね。」


変な街の噂よりも目で見てきた人だから、きっと色々知っているだろう。ただ、教えてくれればいいが...


「あと、使い魔から魔力混合の提案をされた。俺は魔力混合を希望している。君から魔力をもらえたら、俺は妖精たちが見えるし話せるようになる。」


「あ...それでさっきキスを...」 


突然のキスは、意味があるものだったのだ。

単純な恋心とは違うと知り、一気に悲しくなり動揺が顔に出る。


「ちがう!あれは俺の...欲求だ。だから、切り離して考えてもらいたい。ただ、魔力混合はタトゥーのように残る。君が俺に流したという印が俺に残るし、その逆に俺が流せば、君の魔力に俺の印が残る。結婚印は解消すれば消えるが、魔力は混ざったら戻らない。でも、それをすれば、お互いのスキルだけではなく、髪の毛も戻してあげられる。」


ルシアンは、悲しそうにわたしの頭に触れた。


「俺の髪と交換できる。俺は短髪で問題ないが、君は女性で姫だ。髪がなくなったことさ、外で必ず何か言われると思ったらと苦しくなる。これから外に出るなら、尚のこと元の姿に戻った方がいい」


そのルシアンの苦しそうな声に、わたしの心も苦しくなった。



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