表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゾロ目の刻  作者: ごはん
2/2

新しい朝

朝の目覚まし時計がちょうど 6:44 を告げた。

 これまで何度も見てきたゾロ目が、今日もまた私を迎える。

 新しい職場、初めての出勤日。緊張と期待が入り混じる胸の鼓動に、静かな安心感がそっと寄り添った。


 駅に向かう途中、通りのカフェの窓に映った自分の姿を見つめる。

 「大丈夫、ここからだ」

 心の中で繰り返す。


 職場に着くと、先輩たちが温かく迎えてくれた。

 オリエンテーションで聞く地域の健康課題、支援の仕方。

 頭がいっぱいになるけれど、どれも「自分のため」じゃなく「誰かのため」だと思うと、自然に力が湧いてくる。


 昼休み、スマホをちらりと見ると、時刻は 12:12。

 またもやゾロ目。

 笑みがこぼれた。これもきっと、小さな合図だろう。


 午後の訪問先で、初めて直接話をしたお年寄りが、私の名前を呼んで微笑んだ。

 「あなたが来てくれてよかった」

 その言葉が何よりの励ましだった。


 帰り道、夕焼け空の下、ふと時計を見ると 18:18。

 また同じ数字に出会い、今日一日の小さな奇跡を感じた。


 ゾロ目はもう、ただの偶然じゃない。

 私の選択を支え、これからの一歩を照らす光だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ