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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第3章 いろいろ(結果的に)寄り道しちゃって···

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3-14.お試しで会いに来ちゃった!

 本日は作者が夜勤なので朝に投稿しています。

 イナの町でいろいろ試したい事があったので2泊することにしたボクたちは、門番さんの案内で宿へ連れて行ってもら···、わなかった!


 なんと門番さんはボクたちに会わせたい人がいるって言い出しちゃったんだよ···。この町に知り合いなんていないんですけど···?


 とりあえずついていくことにした。着いた先は···、昨日ボクが魔獣を倒した避難所だった。



「お〜い!昨日の英雄さんたちを連れてきたぞ〜!」



 ···え、英雄〜!?ちょっと待って!?兵士さんが大声で言うと、避難所からたくさんのお子さんが出てきた!



「えいゆ~さ~ん!···え!?ぼくとおなじくらい···?」


「わたしより小さい子だったなんて···」


「あれ~?おにいちゃんのせなかにつばさがある~!わ~!もふもふ~!」



 あっという間に囲まれてしまった···。魔獣でもこんなにすぐには囲まれなかったんだけどさ···。



「いや、あの!?ちょっと!?」


「おいコラ!翼を触んじゃねえ!おっ!?ちょ!そこは!?あははは!翼の付け根を触るなぁ~!くすぐったいーー!!」


「こら!お前たち!英雄さんにお礼が言いたかったんだろ!?いい加減にしとけ!」


「「「「はーーい!えいゆうさん!たすけてくれてありがとうございました!!」」」」


「え!?あ、あぁ~。いえ、どういたしまして。たまたま通りがかっただけだからね」


「あ~~、苦しかった···。まぁ、いいけどな。ただし!次やったら今度は助けないぞ!?」


「テオ、ちょっとぐらいはいいじゃない?」


「ライはわかんないからそう言えるんだ!オレの弱点を触られまくったんだぞ?」


「そこがテオの弱点だったんだ···」



 そして、ボクたちは避難所の中へ案内された。やっぱり大人の人たちも魔獣を倒したのがボクたちだって知って驚いていたね。まぁ、最近はもう慣れてきちゃったけどさ···。


 みんなボクたちがCランク冒険者だって知ったら納得してくれたね。やっぱりこの冒険者証って、信用される効果あるんだなぁ~。



 せっかくなので今日のお昼はここで炊き出しをすることにしたんだ。みんな恐縮していたけど、昼食をどうしようか?って考えていた時に『ここで食べたらもっと安心かな?』って思ったんだ。まだ宿に入れる時間じゃないみたいだったからね。


 今日のお昼はボードの町で大量に買い込んだお魚を使った鍋料理だ!100人ぐらいだったので大鍋だけを用意してもらって食材をたくさん入れたよ。



「「「「おいし~!!」」」」



 思ったよりいい出来になった!海藻を使ったダシが良かったみたいだ。これも遺産の知識から拝借させてもらったんだけどね。喜んでもらえてボクも嬉しかったよ。



 そして宿に入れる時間になった。今度は門番さんがちゃんと案内してくれたよ。って言うか、門番さん?今日1日お仕事サボってない?ボクたちをダシに使ったな!?


 部屋は簡素なベッド2つだけ···。ボードの町の宿が豪華すぎたんだなぁ~。あれに慣れたら旅ができなくなっちゃうよ!


 エールさんはどうもあの宿によく泊まってるようだったから、Aランクだとたくさんお金を稼ぐんだろうなぁ~。すごい危険な依頼ばかりだろうけどさ。



「さて!ここで遺産の能力で開放されたものを試してみよう~!」


「おう!って···、何を試すんだ?」


「それはね?転移だよ!」


「おっ!?それが使えたらボードの町とかもすぐに行けるよな!」


「テオは食べることしか考えてないの···?」


「そんなことはないぞ!?まずは近場から!って事だぞ!?」


「はい、はい。とりあえずどこまで行けるのかなぁ~?ちょっと見てみるね~」



 地図アプリ上ではボクたちが行ったことのある場所に町の名前が表示されていた。もちろん、この町も表示が出てるね。


 一番遠いのは···、マイカ村だ。表示されてる場所には行けるみたいだよ。ただ、『魔力消費量が現在保有量の半分を超えています。今日中にここに戻れなくなりますがよろしいですか?』という表示が出た。ということは、村に戻ったらマズいな···。


 じゃあ、今度はグランドの町をタップしてみた。ここはさっきのような表示が出なかったから、大丈夫そうだね!



「テオ?グランドの町は行けそうだから、ちょっと行ってみる?」


「いいぜ!ライはアスに会いたいんだろ〜?」


「そうだね。グランドを出て1週間ちょっとだけどね」


「いや···、そういう意味じゃなくて···」


「···?よくわかんないけど?」


「あぁ~、別にいいぜ!一応連絡しておけよ?」


「そうだね。びっくりしちゃうだろうしね!え〜っと···。出るかなぁ〜?···あっ!つながった!もしもし〜?」


『あら!?ライじゃない!?久しぶり!旅は順調?』


「うん。いろいろあったけど、ボクもテオも元気だよ」


『それは良かったわ!』


「アス?今からそっちに行ってもいいかな?」


『···え!?ど、どういう事かしら!?』


「ちょっと新しい魔法が使えるようになってね。一度行った町なら遠い場所でも一瞬で行けるんだよ。それでグランドの町にお試しで行ってみようかな〜?って思ってね!」


『そんな魔法があるのね···。いいわよ!うちの庭にも来れるのかしら?』


「え〜っと···。うん、行けそうだよ!」


『じゃあ、庭で待ってるわね!』


「うん!すぐに行くよ!。よし!これでいいね。じゃあテオ!さっそく行こうか!ボクの肩に手を置いて!」


「おう!どんな感じなんだろうなぁ〜?」



 そしてボクはグランドの町をタップし、『はい』を選択した次の瞬間!グランドのアスたちが住んでる領主邸の庭にいたんだ!



「ライ!それにテオ!本当に来ちゃったわね!」


「久しぶり、アス!魔法のお試しで会いに来ちゃった!」


「すごい魔法ね···。こんな魔法、聞いたことないわ」


「ボクもびっくりだよ。半分近く魔力がなくなっちゃったけどね」


「ライは本当にすごいわね〜!ここで立ち話をしても仕方ないわ!食堂でお茶しながら話をしましょう!」


「うん!」



 転移の魔法は大成功だったよ!相当魔力消費量が多いけど、これで何かあればすぐに駆けつけられるね!


 食堂でアスと話をしていたら、リークさんとカレンさんまでやって来た。2人ともびっくりしてたね〜。ボクだってまだ信じられないって思ってるんだもん。



「ライくんたちはどこから来たんだい?」


「イナという町です。レクトの国に向かっていたら迷っちゃって···」


「ライって迷子になりやすいのね〜」


「アス〜?そんな事ないんだけどなぁ〜。そうそう、魔獣についてリークさんにお話しておくことがあるんです」


「何だね?」


「実は···、イナの町で『魔獣の力を宿した人』が魔獣とともに襲ってきました」


「···聞いたことない話だ。でも、ライくんが言うなら本当なんだろう」


「どうも災厄戦争の遺産みたいです。ここに来る可能性は低いと思いますが、そういう人いると知っておいて下さい。人を襲って···、食べて生きてるみたいですし···」


「ひっ···」


「あ!ごめん、アス···。怖がらせちゃったね」


「いえ···、ライ?もちろん···」


「うん。倒したよ。とても強敵だった。魔獣以上にね」


「なるほど···。ライくんでも手こずるか···。気をつけておくことには越したことはないな。情報ありがとう」


「いえ···。それじゃあボクたちは戻りますね」


「え!?もう帰るの!?」


「ゴメンね、アス···。向こうで宿に泊まってて抜け出したからね。そろそろ戻らないと怪しまれちゃうし···」


「···わかったわ。また、会いに来てね!」


「うん!リークさん、カレンさん。お邪魔しました」


「また気が向いたら寄ってくれ。いつでも歓迎するよ」


「はい!それではまた!」



 そしてボクはスマホをタップして転移を発動させて、イナの宿に戻ってきたんだ。



「はぁ~、ライの魔法はすげぇなぁ〜」


「これも遺産のおかげだよ。ホント、アキさんには感謝しかないなぁ〜」


「そうだな!そろそろ夕食の時間だな!食堂へ行こうぜ!」


 ···やっぱりテオは食べる事しか考えてないなぁ〜。

 本来、転移魔法というのは超高度な魔法なんですね。場所の座標のイメージが湧きにくいんですよ。移動する距離によって魔力消費量が変わりますし、いつも同じ場所から転移するわけでもないので相対的な位置関係も把握する必要があるんです。

 しかし、スマホの地図アプリがあれば、現在位置と転移先が明確に判明してしまうので、いとも簡単に転移ができるという仕組みです。旅行大好きな作者としてはぜひとも欲しい能力ですね~!

 まぁ、移動手段も楽しみの一つでもあるんですけどね。

 ライくんが転移できるようになったことで、アスちゃんが住んでいるグランドの町はさらに安全度が増しました!今後もライくんはアスちゃんとの関係を続けていきますよ~。


 さて次回予告ですが、転移の次は高速飛行魔法を練習しますよ~!しかし、ジェットエンジン魔法は騒音がすさまじいのと、ものすごい勢いで風を起こすので町中では練習ができません。そこで、ライくんはとっておきの練習場所を思いつきますよ~。


 明日からは21時過ぎの投稿に戻ります。それではお楽しみに~!

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