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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第3章 いろいろ(結果的に)寄り道しちゃって···

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3-13.賢者の遺産の能力開放

「そういえば、ライは目が長時間金色に輝いていたな?何かあったのか?」


「うん。実は···、賢者の遺産が能力を開放したって言って、体の奥底から力が湧き出てきたんだ。これまでも何度かそれに近いことがあったんだけど、今回みたいに長く続くようになったのはそのためだと思うよ」


「アイツ、『トランス』って言ってやがったな···。だとしたら、その能力は『神狼族』のものだな···」


「『神狼族』?」


「かつてオレらドラゴン族と一緒に神によって創られた戦闘種族だよ。今はドラゴン族と一緒に浮遊大陸に避難してるがな···。魔獣退治が得意で、両親の力を子どもに継承できる能力と、何かと『共有』することができる能力を持ってるのさ」


「へぇ~、そんな種族がいるんだね」


「理由があって人数は10人ぐらいしかいない少数種族だけどな。その代わり、ものすごく強いんだぜ!」


「会ってみたいね!···あれ?アキさんのご家族は神狼族だったみたいだよ?」


「あっ!?そういう事か!すっかり秘伝書の事を忘れてたぜ!確かに秘伝書にもアキさんの一家はアキさん以外が全員神狼族だったぜ!」


「ということは···、この力はアキさん一家の力を借りたんだなぁ〜。皆伝秘技を放つ時も、ボクの手に添えて剣を動かしたし」


「そんな事があったんだな···」


「もしかして、他にも何か変化ないかな···?」



 そう考えてボクは魔力剣を取り出したけど···、特に変化はなかった。


 そしてスマホを開くと···!?画面を埋め尽くすほどの通知がいっぱい来ていた!?



『神狼族奥義のトランス(疑似体験版)が開放されました!10分間は通常時の10倍まで強化可能です』


『転移が可能になりました!すでに行った場所を地図アプリ上でタップすると、転移ができます(長距離ほど使用魔力量が増えます)』


『高速飛行魔法(人族版)の知識が開放されました!消費魔力量がハンパないですが、自由に空を飛べます!』


『温泉の知識が開放されました!これであなたも肌美人とストレスコントロールが容易に!』



 ···最後は開放じゃないでしょ?この前とんでもない早口で話した内容だよね?



「なんか、転移と高速飛行魔法もできるようになったみたい」


「···は!?ライが高速飛行魔法!?」


「うん···。遺産の知識によれば、アキさんも飛んだみたいなのは事前に知ってたんだけどね。どういう理屈か?とか、どうやって魔法を展開するか?が分かるようになってる」


「そうか〜。なら、オレも一緒に練習したらできそうだな!」


「そうだね。ボクも浮遊大陸は一度行ってみたいしね!」



 コンコン!



「失礼。起きているかな?」



 兵士さんが呼びに来たようだね。昨日の話をしないといけないからね。


 そしてボクたちは、なんだか偉い人がいるような部屋へ案内された。部屋の中央には兵士さんの偉いっぽい人が座っていたんだ。



「キミたちが魔獣を退治してくれたのか!?少年とは聞いていたが···。幼すぎないか?おい、本当なんだろうな?」


「はっ!この2人で間違いありません!目撃者は多数います!」


「そうか···。お前は下がれ」


「はっ!失礼しました!」



 案内の人が部屋から出て、部屋の中はボクたちと偉い人だけになった。ちょっと緊張するなぁ〜。



「まずはそこに座りなさい。···さて、私はこの町イナの兵士隊長のキストと言う。まずは礼を言わせてもらおう。町に侵入した魔獣たちを退治してくれて、ありがとう」


「いえ···、たまたま通りがかっただけなので···」


「たまたまで救ってくれたのか···。神に感謝せねばならんな」


「ははは···(神の力持ってますって言えないけどね)」


「あと、話によるとキミたちはCランク冒険者らしいな?悪いが冒険者証を見せてくれないか?」


「はい、こちらです」


「···本物のCランクか。疑って済まなかったな。だが···、あれほどの数を仕留めるぐらいだ。並のCランクではなさそうだね?」


「それは···。すいません。ちょっと言えないんです」


「おお!?これは悪かったな。ところで今回の魔獣なんだが···、普段よりも強力だったのだ。それに···、未だ信じられんが人が魔獣に化けたと···。これは本当だね?」


「はい。どうも『魔獣同化』という災厄戦争の遺産みたいです」


「···そんなものがあったとは。これは領主様にも報告して本国にも至急伝えるべき案件だな」


「あの···、本国ってどの国なんですか?」


「『ターモ』だが···?もしかして、本国に向かっていたのか?」


「いえ···、ボクたちはボードの町からレクトに向かってたんです」


「···は?レクトはこっちではないぞ?」


「···え!?そうなんですか!?」


「ああ。途中に砂漠があったんじゃないか?」


「はい···。テオに乗せてもらって飛び越えましたが···」


「レクトはその砂漠の南だぞ?」


「やっぱり迷ってたんだ···」


「あ〜、これはわからんわ···」


「ボクたち、方角だけを頼りに飛んでたので···」


「そりゃ道を通らなかったらそうなるぞ?ここからなら西の門を出て道なりに歩いて(・・・)行けば1週間ぐらいでたどり着けるぞ?」


「そうなんですか?」


「ああ。ここはレクトとターモの道中で、休憩する拠点の町なんだ。一応人の往来はあるから、他のところよりかは道がしっかりしてると思うぞ?」


「わかりました!それじゃあ歩いて向かってみます!」


「そうか。ああ、そう言えば謝礼を渡してなかったな!出発はいつにするのかな?出発日にここに寄ってもらえれば、それまでに用意しておこう」


「とりあえずここで休息も兼ねて3日後にします」


「わかった。宿は被害がなかったみたいで、今日から泊まれるようだ。こちらで手配しておこう。大したものはないが、ゆっくりしてくれ」


「ありがとうございます。それではお借りした仮眠室を片付けて出ますね」


「ああ。外の警備の者に声をかけてもらえれば、宿まで案内させるからな」



 というわけで、ここであと2泊することにしたんだ。



「ライ?なんで2泊にしたんだ?」


「まだちょっと疲れてるし、試したい事があるんだよね〜」


「もしかして、遺産の能力開放の事か?」


「そう。たぶん、レクトに着いたら試してる時間はなさそうだからね。あと、徒歩で行くのも魔法を試したいってのもあるかな?」


「これ以上、迷子は勘弁だからなぁ〜」


「ボク、方向オンチじゃないはずなんだけどなぁ〜」



 でも結果論で迷子になっちゃってるのはなんでなんだろうなぁ〜?



 仮眠室を片付けて役所を出ると、門番さんか声がかかった。



「あっ!?キミたちだね?宿の場所を案内させてもらうよ」


「ありがとうございます。よろしくお願いしますね」



 門番さんが宿まで案内してくれるみたいなんだけど···、ちょっと横道に入っていくぞ?どういうことなんだろう···?



「あの···、こっちに宿があるんですか?」


「あ〜、本当は違うんだ。ちょっと会ってほしい人がいてね?命令違反とは分かっちゃいるんだけどね。付き合ってほしいんだよ。悪い事をするわけじゃないのは分かってくれ!」


「命令違反ってわかってて別のところへ案内って事自体が悪いことじゃね?」


「うっ···」



 ちょっとテオ?そう意地悪言っちゃダメだよ?それにしても、ボクたちに会わせたい人って誰なんだろう···?

 賢者の遺産の能力がさらに解放されました。前作のアキくんだけではなくて、息子のフユくんもライくんを助けてくれましたね。

 そして転移や高速飛行魔法も使えるようになりました。ですがこれは練習しないといけませんね。


 というわけで次回予告です。

 新たに解放された転移魔法を試してみますよ〜。さて、どこに転移するのでしょうか?

 明日は夜勤なので朝に投稿します。それではお楽しみに〜!

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