3-7.呆然とされちゃった···
エールさんに誘われて一緒に魔獣退治に出かけたボクたち。相手はデスアリゲーターって言う凶暴な魔獣だった!
その群れの半分をエールさんたちはチームワークで仕留めていった!残り半分はボクたちでやっつけるよ!
「テオ!氷系魔法で周囲を冷やして動きを鈍らせよう!」
「おう!いくぜ〜!アイスバレット!」
テオが氷の散弾を撃ち込む!ただ、デスアリゲーターの皮は剣を通さないほど硬いって言っててその通りだった。でも、これは倒す目的じゃない。周囲を氷の粒で覆って冷やすためだ。
氷もそこそこ大きな粒にしてくれている。単に凍らせるよりも粒の方が表面積が大きく、冷却速度が速いからね。さっそく効果が出てきたみたいで、動きが鈍ってきた!
次はボクだね!魔力剣に魔力をいっぱい込める!鮮やかな緑色に刀身が輝き、そして思いっきり振るう!
「いっけぇーー!秘技!紅葉!」
デスアリゲーターに一気に近づいて魔力剣を横一閃した。スパッと4体切り裂いた!さらに構え直してもう1回紅葉を振るって3体やっつけた!
一方のテオは爪でデスアリゲーターを切り裂いていた!なかなかの斬れ味だなぁ〜!
うん。ボクたちの分はこれで仕留めたね!
「ふぅ~。うまいこといったよ。テオ、ありがとう!」
「おう!この程度は楽勝だな!」
そしてボクたちが倒したデスアリゲーターを無限収納カバンにどんどんしまっていった。すると、ボクたちの行動を見ていたエールさんたちは呆然としていたんだ···。
「···え?どうかしましたか?」
「い、いや···。すさまじい威力の剣だな···。鋼鉄よりも硬いと言われたデスアリゲーターの皮を、あっさりと切断するなんて···」
「そのマジックバックも規格外ね···」
「これが神々の遺産の威力か···」
「···あ!ごめんなさい!ちょっとやり過ぎちゃいましたか?」
「い、いや···。まさか神々の遺産がここまでとは思わなくてね。氷魔法で冷やしたら動きが鈍くなってるのも知らなかったよ。ちょっと教えてもらってもいいかな?」
「はい。この剣は魔力剣って言って、込めた魔力に応じて斬れ味とか長さを自由に変えれるんです」
「すごいわね···。だからいとも簡単に斬れちゃったのね···」
「氷魔法は、ああいった爬虫類系は変温動物なので、動きが鈍くなってしまう性質があるんです。それを利用しました。一面を氷にするよりも、さっきのように氷の粒にした方が空気に触れる面積が増えるので冷えやすいんです」
「『はちゅうるい』?とか『へんおんどうぶつ』?という言葉は初めて聞いたぞ?」
「···あ。ラスさん、ごめんなさい。これは『賢者の遺産』の知識なんです」
「···まさに賢者と言える知識だ。そのカバンも神々の遺産なのかい?」
「はい。無限収納カバンって言いまして、その名の通り無限にモノが入りますし、さっきのように魔獣を収納すると自動的に解体もしてくれるんです」
「とんでもなく便利過ぎるわ···。旅するのにはもってこいじゃない!」
「あはは···。これを遺してくれた人は旅が大好きだったみたいですよ?」
「そういう事か···。いや、さすが『C+++』なだけあるよ」
なんか納得されちゃったね。まぁ、無事討伐成功したからいいよね!
午前中で討伐が終わってしまったので、ボクたちはそのまま町に戻ったんだ。昼食はごちそうになりました!場所はギルドだったけどね。査定してもらってる間に食べました。
「待たせたな。これが今回の謝礼だ。オレたちもいい勉強させてもらったよ」
「ありがとうございます。ボクたちも勉強になりました。チームワークで倒していくところなんか、格好良かったです!」
「キミたちにそう言ってもらえると嬉しいね〜!オレたちはまだ別の用があるんだ。だから、ここで解散って事でいいかな?」
「はい。ありがとうございました」
こうして今日の用事が終わったので、ボクたちは先に宿に戻った。そして戻ったら釣りをやったよ。
「今日が最後だからな!たくさん釣るぞ〜!」
「お〜!」
どうやらテオはここが気に入ったようだね。今日はそこそこ釣れたんだ!多く釣った魚はもちろん無限収納カバンに入れておいたんだ。
すると、今日はスマホから通知音がした。なんだろう?と思って見てみると、
『刺身にしますか?焼き魚用に切り身にしますか?』って表示が出た···。え?解体方法選べるの!?
とりあえず刺身にしておいたよ。旅の道中で刺身が食べれるのは嬉しいね!
そして、その日の夕方にエールさんたちも戻ってきた。今日も夕食を一緒にいただくことにしたんだ。
「今日は助かったよ。最近、魔獣の数も増えてきてるし、今日みたいに普段いないような魔獣の出没も多くなってきてるんだよ」
「そうなんですね···」
「何か心当たりあるかい?」
「あると言えば···。ダイナモであったスタンピードは、ボイドって言う悪の神様が起こしたものでした。もしかしたら···」
「そんな神がいるのか···。いや、おそらくソイツが悪さした可能性はあるな」
「あちこちでスタンピードを起こしているみたいでした。この世界を滅ぼすのが目的で、なんか遊んでるような雰囲気でしたね」
「遊びで滅ぼすなんて···。神様の考えることは恐ろしいわね···」
「そう簡単に滅ぼされるつもりはないがな」
「そうですね。シモンさんとラスさんの言う通りです。ボクも黙って見過ごせません。できる限り退治するつもりですよ」
「頼もしい限りだ。だが、気をつけるんだよ?いくら強くても、スタンピードは数の暴力だ。ダイナモの町で討伐できたからといって、他では討伐できない可能性が高いよ?」
「そう···、ですね」
「ライ、コイツの言う通りだ。あの時は運が良かったんだぞ?」
「テオ、そうだね···。うん、気をつけます」
確かにボクたち2人だけでは厳しいのかもね。仲間···、増やしたほうがいいのかなぁ〜?
おいしい食事とともにいろんな情報交換をした。エールさんたちはやっぱり優秀な冒険者だったので、いろいろ助言してもらった。ボクからはエールさんたちの質問に対して遺産の知識を使って回答しておいた。
やっぱりアキさんは本当に物知りだったね!いつもありがとうございます。
そして翌日···。
朝食をいただいてからボクたちは宿を出た。
ここでの3泊はとても良かった!また寄ってのんびりしたいなぁ〜!
「ライくん、テオくん。道中気をつけて···、と言っても徒歩じゃなくて空を飛んで行くから関係ないかな?」
「そんな事ないですよ?ありがとうございました。また寄らせてもらいますね!」
ボクたちは北東の門から町を出た。次の目的地は『レクト』の国だね!
「それじゃあテオ!行こうか!」
「おう!東方面だな!行くぜ〜!」
テオが飛び立ったところを、遠くからエールさんたちは見ていたようだった。
「···行ったな」
「ああ。まだ幼いが、上手に神々の遺産を使用していた。おそらく、もっと強くなるんだろうなぁ〜」
「いい子だったわね〜。なんか、あの子たちを見ていると、希望が湧いてくるわね」
「そうだな。オレたちはオレたちでできることをするだけだ。今日も頑張るか!」
ライくんはアキくんの遺産の力があるので、それを基準としてテオくんと連携しています。
ですので一般冒険者たちとはやり方がちょっと違うんですよね。
そしてライくんは『仲間が必要か···』と言いましたが、このあとちゃんといい仲間ができますのでね。ちょっとクセある人たちですけど、どんな仲間ができるかは次の第4章までお待ちください。
さて次回予告ですが、レクトの国に向けて飛んで移動するライくんとテオくんですが、キャンプ地として降り立った場所は卵の腐ったようなにおいのする場所でした。すると、賢者の遺産が『めっちゃいい温泉がある!』とライくんの脳内でしゃべりだして、とんでもない温泉の情報量をライくんに話し始めて困惑してしまいます···。
大暴走する賢者の遺産のおしゃべりをお楽しみに~!




