2-22.門の完成記念パーティーに強制連行されちゃった!
ゴールデンウィーク最終日ですね。皆さまは良い思い出を作られましたか?
作者はお仕事でしたので、今週末にお出かけする予定です。
本日も朝と夜に1話ずつ投稿しますね!
昨日、門が遂に完成した!完成したのは夕方前だったので、その後で完成パーティーが行われることになったんだ。
もちろんボクたちは強制的に参加させられた。というのも、街道整備をして戻ってきたら完成した!って大騒ぎになってたからね。
「お!帰ってきたな!ついに完成してさっき試運転も行ったぜ!これまでで最高の出来になったんじゃねえかな!!」
「おめでとうございます!これで安心して暮らすことができますね」
「これもボウズのおかげだぜ!これから完成パーティーが酒場で行われるんだ!このまま会場へ行くぞ!」
「えっ!?ちょ、ちょっと!?」
「冒険者やってるんだから酒も飲めるんだろ?今日は遠慮すんな!」
「い、いや!ボクはまだお酒はダメですって!ジュースならいいですけど!」
「なんだ、思ったよりも固いじゃねえかよ···。まぁ、それならそれでもいいさ!今回の功労者なんだから強制参加だ!思いっきり祝ってくれ!」
「ちょ、ちょっとぉ~!」
「オレはおいしいものが食べれればそれでいいぞ!」
「テオは食べることしか考えてなかったか···」
この世界ではお酒は未成年でもいいんだよ。回復魔法があるからね。でも、だからといってボクは飲まなかったよ!村ではみんな飲まなかったから、パパもママもお酒を飲んでなかったんだ。だから、お酒を飲むってこと自体が村を出て初めて知ったんだよ···。
「お前ら!無事ケガもなく大工事が終わった記念だ!今日は飲んで食べてやってくれ!」
「「「「おーーーー!!」」」」
「それと、今回の工事の功労者を連れてきたぞ!···そういや名前聞いてなかったわ。まぁいいか!自己紹介と、一言あいさつしてくれ!!」
「ちょ、ちょっと!?」
パーティーが始まる前のあいさつで監督さんがボクの腕をつかんでから持ち上げて、ボクを酒場のカウンターの上に立たせたんだよ!?み、みんなの視線がボクに集まってる···。よ、よし!じゃあちょっとだけ···。
「み、みなさん!大変なお仕事お疲れさまでした!ボクはライ。そこにいるドラゴン族のテオと一緒に旅をしていて、偶然ここに来ました。ボクの村は魔獣で滅ぼされてしまい、ボクだけが生き残りました···。こんな立派な壁や門のない、小さな村だったんです···。ここにはこんな立派な壁や門がありますし、それを作ってくれる皆さんがいます!この町の人たちが安心して暮らせるのも、皆さんのおかげだとボクは思います!ありがとうございました!」
パチパチパチパチ!ヒューヒュー!
「ははは!ちびっこなのに立派なあいさつだったな!それじゃあみんな!この偉大なちびっこがこの先も元気に旅できるよう祈りつつ、かんぱーーい!」
「「「「かんぱーーい!!」」」」
みんなジョッキを上にあげて声を上げた。こうやってパーティーって始まるんだなぁ~。
パーティーはカウンターに用意された食事を好きなだけ取る方法だったよ。遺産の知識によると『バイキング』っていうらしいね。ホント、アキさんはなんでも知ってるなぁ~。
ボクも取りに行った。でもいろんな職人さんから声をかけられまくって、なかなか食事を取りに行けなかったよ~!
一方のテオも、みんなドラゴン族が珍しいみたいで質問攻めを食らって、料理を取りに行けてなかったよ···。あ、どんどんイライラしてきてるぞ!?そして···、
「あーーーー!オレは腹が減ってんだ!いい加減、メシを食わせろよーーー!!」
テオがキレちゃった···。でもみんなは笑いながらそんなテオにおかまいなしに話しかけていた!···おちょくられてるんだろうなぁ~。職人さんたちのオモチャにされてたよ。
でも、ひととおり終わったらボクもテオもちゃんと食事が取り分けられて持ってきてくれたよ。そしてやっと食事にありつけたテオはもう満足顔だったね!
ボクたちは監督さんのテーブルでお食事をさせてもらったよ。監督さんが気になったのは、よその町ではどんな建物があったか?だったよ。やっぱりプロだから気になるんだろうなぁ~。
でも、ここほど立派な壁や門って言ったらアノドさんが作ったダイナモの町だけなんだよなぁ~。ボクの村は簡単で粗末な木の柵だったし、カパーの町は太い木で作っただけの柵だったからね。
夜も更けてきて、楽しいパーティーもおひらきになった。多くの職人さんたちに見送られてボクたちは領主邸に戻ったんだ。
すると、リークさんとアスが待っていたんだ。
「お帰り。楽しんでもらえたようだね?」
「お帰り、ライ。今日までお疲れ様」
「···ただいま。はい。これでボクがこの町でできることのすべてが終わりました」
「では···」
「その前に気になることがあるので、出発は明後日にします」
「気になること···?それはなんだい?」
「···ゲートの国の状況です」
「それは···」
「テオに乗せてもらって飛べば日帰りで戻ってこれると思います。場所は依然リークさんに聞きましたから、大体の場所はわかってます。これはボク自身が今後の旅で必要な情報収集なんです。だから···、見に行きたいんです」
「わかった。では明日戻ってきたら、うちでもパーティーをすることにしよう。無事に···、戻ってきてくれ」
「ライ···、気を付けてね」
「はい!今日はこれで失礼させてもらいますね。おやすみなさい」
「ああ。ゆっくり休んでくれ」
「おやすみなさい、ライ」
ボクたちは部屋に戻った。そしたら、テオがさっきの話について聞いてきたんだ。
「ライ?オレは初耳なんだけど?」
「ごめんね、テオ。でも、やっぱりこの目で確認しておいたほうがいいと思うんだよ。リークさんの話だと、ここらへんの町はほとんどがそのゲートって国に属してるって。だから、もし滅んでいたら···。この周辺の村や町が全滅してしまうんじゃないかな?って···」
「気持ちはわかるけどな···。だからって全部の村や町をライが守るわけにもいかないだろ?」
「うん···。でも、そういった情報を知っておくのは大事だと思うんだよ。何も知らないよりかはね」
「逆に知らないほうがよかったってこともあるぞ?」
「それは···。リークさんに判断してもらうよ」
「わかった。まぁ、飛んで戻るだけだからすぐに終わるだろ?」
「それは無事な時ね。もし滅んでいたら、どうして滅んだのかを調べたいんだ」
「どうせスタンピードだろうけどな」
「たぶんね。明日は長時間テオに飛んでもらうから、今日は早めに寝ようか?」
「そうだな。もしかすると戦闘があるかもしれんし、ライもしっかり休んでおけよ」
「うん!それじゃあおやすみ」
「ああ。今日はお疲れ様!」
明日は調査だ。どういう結果が待っているのだろうか···?
グランドの町の皆さんは温かいですね〜。ライくん自身、ここまで親身になってくれる事が両親以外いませんでしたからね。
そんな親切にしてくれた町での滞在も、間もなく終わってしまいます。
さて次回予告ですが、ライくんはゲートの国がどのようになってるのかを調査しに向かいます。すると、予想を超える惨事となっていたことが判明するのです!
次回は本日夜に投稿します。お楽しみに〜!




