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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第2章 迷子になった先で···

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2-21.門を組み立てるよ〜!

 本日2話目の投稿です。朝に1話投稿してますので、先にそちらをご覧下さいね。

 アトさんの鍛冶屋さんに通い詰めた事で、門の鉄板が完成した!


 今日からは現地での組み立てが始まるんだ。と言ってもすごい重量だから組み立てるのも一苦労なんだよね。


 ちなみに通常時は門はほとんど開くことがないらしい。小さな通用門で出入りすることがほとんどで、こちらにも分厚い鉄板の扉があるんだ。


 門を開ける時は10人以上で巨大なハンドルを回して開閉するそうだ。開閉するにもかなり時間がかかるようだね。


 だから、この町の守りを外の人に知らしめるためのある種モニュメントみたいなものだそうだ。これだけ頑丈な門があるということで、この町の人たちの安心感にも影響してるそうだよ。この考え方はこの町が属していたゲートって国の鉄壁さの文化らしいんでってさ。もう滅んでしまってる可能性があるから、どんな国かはわからないんだけどね。


 でも···、ちょっと様子を見に行くだけでも行った方がいいかもしれない。テオに乗ってなら日帰りで行けそうだと思うからね。門が完成したらちょっと行ってみようかな?



「慎重に運べ!すべて大事な部品なんだ!キズつけんじゃねえぞ!」



 現場の監督さんが厳しい声をあげつつ、続々と運ばれてくる部品を検品していた。そして組み立てる順番に荷台を並べ始めた。こうすることで効率的に組み立てられるんだって。アキさんが元いた世界でも似たような事をしていたみたいだ。この風景を見ていたら遺産の知識が教えてくれたよ。


 ボクたちは一応『製作者』という扱いで現場を見学することになったんだ。ちょっとだけ携わっただけなんだけどなぁ~。


 組み立てが始まった。すべて人力なので、大変だよ~!でも、いろんな道具で持ち上げたり方向を変えたりしていたよ。


 なんか背の高い馬みたいな器具を鉄板の上に置いて、門のパーツをロープで縛り、そのロープをフックにひっかけて馬についているハンドルを一人の作業員がグルグル回したら門のパーツが持ち上がったよ!?あんなに重いものが持ち上がるんだなぁ~!


 そして横へスライドさせて設置する位置に(おろ)した。ひたすらこの作業の繰り返しで、後半になるにつれて高所の作業になっていくので難易度がドンドン跳ね上がっていく。


 組み立てている間に壁の頂上でも作業員が足場を組んだり、持ち上げるための滑車を準備したりしていた。滑車の数も非常にたくさんあった!遺産の知識によると、固定する滑車以外にも動く滑車を増やせば増やすほど少ない力で重たいものも上げることができるそうだ。その分、ロープを長く引っ張らないといけないそうだけどね。壁は長いから、引っ張るにはもってこいなんだろうね。



「すっげぇなぁ~!こうやって巨大なものを人族は作ってるんだなぁ~」


「そうだね。でも、かなり時間がかかりそうだよ?」


「どうする?ずっと見てるか?」


「そうだなぁ~。夕方に見に来るようにする?1日でどこまで組みあがったかがわかるし」


「そうするか!じゃあメシ食いに行こうぜ!早めにいかないと売り切れちまう!」


「···もしかして、それが目当てだった?」


「そ、そんな事はないぞ!?」


「ははは!わかったよ。じゃあ、行こう!」



 興味津々だったテオも、空腹には負けてしまったようだったよ。早めに屋台街へ行ったので、並ばずにたくさん買えたテオはそれはもうたくさん買い込んで満足していたんだ。



 その日の夕方に門を見に行くと、今日の作業は終わったようで片づけをしていた。下準備は搬入前に済んでいたので、今日はどうやって組み立てるか?を考えつつやっていたようだ。たくさんパーツが組み立てられずにシートをかけて荷台の上に留め置かれていた。



「おう!今日の作業はこれで終わりだぜ!」



 現場監督さんがボクたちを見て声をかけてきたよ。



「監督さん、お疲れさまでした!すごいですね~!あんな重たいものを持ち上げるのはびっくりでした!」


「ははは!これぐらいできないと、大きなものは建てられんさ!しかし、話を聞くと前と同じ鉄板なのに強度は倍以上らしいじゃないか?そんな技術、聞いたこともねえぞ?以前の門を作った先代でも知らないんじゃねえか?」


「ボクも知り合いからそういうのがあるって聞いただけだったので、実際にやったのはこれが初めてだったんですよ。うまくいってよかったです」


「そうか···。一般的な技術じゃねえんだな。そんな技術があったら、もっと高い建物も作れそうだな~!」


「そうですね···。これも知り合いから聞いたんですが、山よりも大きな塔を建てたこともあったそうですよ?」


「へぇ~。そこまで可能性があるんだな···。でも、それって災厄戦争前の技術(・・・・・・・・)だろう?」


「そこまでは知り合いから聞いてないんですよ」


「そうか。でも、そんな技術があったとしたら間違いなく災厄戦争の前だろうな。当時は今じゃ考えられないような技術で発展してたって話だからな~」


「そうなんですか?」


「そりゃそうだろう?大地すら消滅させちまう爆弾とかが実際に使われたって話じゃねえか。そんな技術があってもおかしくはねえさ。今は技術がほとんど失われちまったが、失われてむしろ良かったのかもしれんな」


「そうなんですか?」


「そうさ。制御できない力なんて、おっかなくて使えやしねえ。身の丈にあった技術で十分だ」


「なるほど···。ありがとうございました。とても勉強になりましたよ」


「こんな話で勉強になるのか?よくわからんが、ためになったら嬉しいぜ!それじゃあな!」


「はい!さようなら~!」



 ちなみにさっき話した山のような高さの建物はアキさんの世界にあった塔なんだよ。さすがにこの世界でああいったものは建てられないだろうけどね。


 しかし災厄戦争か···。以前テオに聞いたけど、技術を悪用しまくって収拾のつかない、誰もが勝者にならなかった悲しい大戦争。


 技術のほとんどが失われてしまい、今は当時からすれば大きく衰退してるんだろうね。


 でも、その状況でもこうしてボクたちは生きている。特に不便に感じてないから、そんな技術がなくても生きていくには問題ないってことなんだろうなぁ~。


 以前、アノドさんも言ってたね。『力に善悪はない。使うものによって善にも悪にもなるし、善のつもりでも結果的に悪になることもある』って。この話はそれに通じてるんだろうなぁ~。ボクも十分に注意しておかないと、遺産の力は人によって悪になってしまうかもしれない。


 改めてボクはいい勉強になったと思ったんだ。



 翌日以降も工事は順調に進んだ。工事の間、ボクたちは依頼を受けて街道整備を続きをやって、魔獣退治もやった。帰ってくるたびに出発した時とはどんどん変わっていく門を見るのが楽しみになってきたんだよ!



 そして2週間後、門が完成した。

 門の鉄板を持ち上げた機材は実際にあるものです。馬と呼ばれる機材ですね。よく見かけるのはレールの移動で使われてるところですね。深夜の作業ですが、事前に線路脇にたくさん置かれてるのを見ることがあります。あれの使い方をそのまま書いてるんですよ。


 あとは滑車を使った持ち上げ方ですね。定滑車と動滑車を組み合わせて小さな力で大きなものを持ち上げることができます。こちらは中学で学びますね。今のカリキュラムで学ぶか分かりませんが···。


 さて次回予告ですが、門の修復作業が完了したので記念パーティーが開かれました。もちろんライくんもテオくんも参加ですね。楽しいパーティーが終わると旅立つかと思いきや、ライくんはとある提案をリークさんにします。どんな提案なんでしょうか?


 明日はゴールデンウィーク最終日ですね。明日も本作は朝と夜に1話ずつ投稿しますよ。お楽しみに〜!

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