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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第2章 迷子になった先で···

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2-18.ライ、先生をする!

 本日も朝と夜に1話ずつ投稿しますよ〜!

 あっという間に1週間が過ぎた。その間、ボクとテオは門番さんの手伝いもしたし、魔獣退治もやった。


 と言っても森の奥の方にいた魔獣だけどね。町の近辺の魔獣は冒険者さんたちに任せることになったからね。


 森には道が1本通っている。この道の先にはゲートという国があった(・・・)らしい。状況から滅んでしまったとリークさんは言ってたね。


 この道も少しずつ荒れ始めてきた。どうやら道も家と同じように、使わなかったら荒れて使い物にならなくなってしまうようだ。


 一応、ボクが草を焼き払ったり土魔法で固めたりしておいたんだ。このままじゃ、町には誰も来れなくなっちゃうからね。魔獣退治以外の時間は街道整備をやっていたんだ。魔法の練習も兼ねてるよ。


 アスは今日もリークさんのお仕事の手伝いだ。いつも夕食の時にお互いなにをしたって報告してるんだ。


 アスは領主代行もできるようにリークさんが教えもって仕事をしているそうだ。領主をやるためにはいろんな事を知ってないといけないらしい。だから、いろいろやってるんだって。すごいね!



 さて。そんな毎日を過ごしていると、約束の先生をやる日になっていた。



「うぅ~、緊張するなぁ~」


「おい、ライ?まだ学校に行ってもないのにもう緊張し始めるのかよ···?それじゃあもたないぞ?」


「わかってるよ!でも···、何を話したらいいんだろうなぁ~」


「あのな···。昨日までさんざん寝る前とかに何を話そうか考えてたじゃねえかよ!?メモも書いたのに今さらそれを言うのかよ!?」


「でも···、読み返したらこれでいいのかどうか···」


「あ~~!とりあえず言っちゃダメな事以外話してしまえ!賢者の遺産とスタンピード討伐以外は大丈夫だからな!」


「う、うん···。わかったよ···」


「(コンコン!)ライ~!そろそろ行くわよ~!」


「は~い!じゃ、じゃあ行こうか···」


「オレが心配になってきたぞ···」



 学校にはアスが一緒に来てくれた。リークさんは忙しいようなので、ギリギリに学校に来るそうだ。


 学校につくと、すでにそこそこの人数が集まっていた!ボクの話をそんなに聞きたいの!?面白い話じゃないと思うんだけどなぁ~。



「やあ、ライくん、テオくん。それにアス。今日はよろしく頼むね」


「は、はい···、ディーブさん。が、頑張りますぅ···」


「おや?ライくん、どうしたんだい?」


「ライは緊張しすぎて何しゃべったらいいのかわかんなくなってるんだよ···」


「テオくん、そうなのか?まぁ、そんなに緊張せずに好きなことをしゃべったらいいよ。時間の制限もないし、やり方も自由だ。黒板も用意しているから、字や絵を書いてもいいからね」


「あ、ありがとうございます···。な、なんとかします···」



 控室にはボクとテオだけがいた。ここでテオは念押しで賢者の遺産とスタンピード討伐は絶対に言うな!と言ってきたよ。もちろんしゃべるつもりはないからね。


 そして、隣の部屋ではディーブさんが司会進行を始めていたよ。



「今日はたくさんお集まりいただき、ありがとうございます。今日は先日、町を魔獣から救ってくれたライくんにお話をしてもらおうと思います。ライくんはドラゴン族のテオくんと一緒に旅をしているとの事ですから、この町の外には何があるのか?それを話してもらいましょう。それではどうぞ~!」



 パチパチパチパチ!!



 つ、ついに出番だ!カチコチに固まってるボクの背中を、テオは思いっきり押して突き飛ばした!!


 勢いよく登場してしまったボク。これはこれで恥ずかしいよぉ~!でも、来てくれた人たちは笑いもせずに、にこやかな笑顔で見守ってくれていた。


 ···みんな、ボクの話がそんなに聞きたいんだ。面白くはないけど、できる限りいいお話になるようにしてみようか。



「皆さん、こんにちは。ボクはライといいます。そこにいるドラゴン族のテオと一緒に旅をしています。今日は、ボクの旅の話が聞きたいとのことですので、少しだけですがお話しさせていただきますね」



 最初はこんな感じで始めることができた。話の流れとしては


・村での貧乏な生活

・魔獣に襲われて村が滅びた時のお話

・テオに出会った時のお話(もちろん、ウソ話だけどね!)

・テオに魔法や武術を教えてもらったお話(これも一部ウソ話だね)

・カパーの町で魔獣を退治して初めてお金のことを知ったお話(これも一部ウソ話)

・ダイナモの町でアノドさんに出会い、成り行きで冒険者になっちゃったお話

・冒険者として仕事を始めて、避難民の人たちと打ち解けたお話

・魔獣退治をしたお話

・ダイナモの町にスタンピードがやってきて、ボクもちょっとだけお手伝い(・・・・)したお話(意外とこれが一番盛り上がった!)

・ボードの町へ行く道中に迷子になってアスに出会ったお話(アスの顔が真っ赤になってたけど···?)



「まだ旅は始めたばかりですが、ボクはとてもやさしい人たちに巡り合うことができました。もちろん、この町の皆さんもそうです。門の修理が完了したらボクは新たな場所へ旅立ちます。その旅の先でも、この町の話をすると思います。温かい皆さんとの思い出は、決して忘れないと思います!以上で終わります。ありがとうございました!」



 パチパチパチパチ!!



 思ってた以上にみんな聞いてくれた。最初は緊張してたどたどしかったけど、話していくうちに緊張が解けてきたせいか、いろんな話をしてしまったよ。もちろん、賢者の遺産やスタンピードをボクたちで(・・・・・)殲滅したとは言ってないけどね。



 お話の後は質問コーナーになった。『どうしてそんなに強いの!?』とか、『魔法ってどうやったら上手になるの!?』とか、『野宿するときってどうやってるの?』とか···。いっぱい質問攻めになっちゃって、終わったのは夕方だったよ···。長かったぁ~。



「いやぁ~!とてもいいお話が聞けて私も楽しかったよ!今日はありがとう!」


「いえ、ボクも楽しかったですよ。最初はどうなるかと思いましたけどね」


「あのまんまじゃ、まともに話もできなかっただろうからな。なんとかなって良かったぜ」


「もう~テオ!あんなに勢いよく突き飛ばさないでよ!転びそうになっちゃったよ!」


「それはそれで面白かったんじゃないか?」


「そんな事ないよ!」


「ははは!ライくんとテオくんはいいコンビだね。だからこそ、旅という困難にも無事やっていけるんだろうね」


「う~ん···。こういうのは勘弁してほしいんですけどね」


「それもコミュニケーションというものだよ。ははは!」


「そうかもしれないですね。今日はありがとうございました。それでは」


「ああ。次はテオくんにお願いするとしよう。よろしく頼むよ」


「うぇっ!?オ、オレがか!?」


「そうだね。伝説のドラゴン族の話なんて貴重だと思うよ?よろしくね」


「え~~~!?」


「ははは!今度はボクがテオの背中を思いっきり押してあげるね!」


「うぐぐぐ···」



 こうしてボクの1日先生は無事終了したんだ。

 皆さんは大勢の前でスピーチや放送をされたことはありますか?

 作者は仕事で当たり前のようにやっておりました。って、それが仕事だったってのもありますが(笑)。声優さんじゃないですよ!

 それでも一番最初というのはものすごく緊張しますね。話し始めて慣れてくると問題ないんですけどね。

 あと、案内放送は気持ちいいですよ(笑)!こっちが放送した内容で人が動きますから。昔、『放送するコツって何ですか?』って聞かれたので、かなり不謹慎ではありますが、言った通りに人が動くから、教祖様気分でやるといいですよ〜って答えました。まぁ、冗談っぽく言いましたので、その人は緊張がほぐれたのか、上手に案内放送をされてましたね。

 放送するコツは『はっきりと発音し、適度に区切って少しゆっくり目で話す事』です。

 詳しい説明すると長くなるので割愛しますが、自分が声優さんになった気でやるといいですよ〜。お店の放送も声優さんがされているところもありますからね。


 さて次回予告ですが、ついに門に使用する分厚い鉄板が用意できたとの知らせが入り、ライくんは遺産の知識である高周波焼入れを施しに向かいます。うまくいくのでしょうか?


 次回は本日投稿します。お楽しみに〜!

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