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序章-5.賢者の遺産

 本日一気に序章5話+設定資料集を、時間を開けて投稿中です!

 ここは5話目ですので、ここから読み始めた方は4つ前のお話からお読みください。

 今日の目覚めは気持ちよかった。昨日のあれは···、夢だったのかな?


 村のみんな、そしてパパとママがボクを応援してくれてたね。···うん。ボク、できる限り生き抜いてみせるよ!



 ボクの隣にはテオが寝て···、なかった。いないんだよ···。どこに行ったんだ?


 ボクは寝袋を片付けてテントの外に出ると···、テオは外で寝てたよ。カゼひかないかい?



「テオ?起きて。もう朝だよ」


「う〜〜ん···。むにゃむにゃ···。えっ···?お〜、ライか〜」


「もしかして寝ぼけてる?」


「いんや〜?」


「寝ぼけてるよ···。まぁいいか。朝食も無限収納カバンに···、入ってるわ···。焼きたてのあったかいパンだね!」


「お〜?いいにおいだな〜!」


「おなかすいて起きたんだ···」


「ライ!オレにもパンくれ!」


「はいはい。じゃあこれね」


「いっただっきまーす!うんめー!!」


「うん!焼きたてのパンなんて初めてだよ〜!」


「ホント、そのカバンには何でも入ってんな〜!」


「でも、あんまり頼っちゃダメだと思うんだけどね。ボクたちだけで食材手に入れて料理できないと···」


「そんなすぐにできないだろ?」


「うん···。1年ぐらいはこのカバンの中に入ってる食料で過ごせるみたいなんだよね」


「とんでもねぇなぁ〜。アキさんはこれも予想してたんだな」


「どうかな···。そうそう、今日は『賢者の遺産』について知っておこうと思ってるんだ」


「おっ!?オレも詳しくは聞かされてなかったんだよなぁ〜」


「そうなの?」


「おう。っていうか、体が弱すぎて死ぬ寸前だったからなぁ〜。聞かされても覚えてなかっただろうなぁ〜」


「テオも大変だったんだね···」



 というわけで『賢者の遺産』についてだね!アキさんから受け継いだのはアキさんの知識や技術、そして魔力量だね。


 これはすごいよ!まったく知らなかった事だらけだよ。しかも···、『この世界じゃない』知識まであるんだ···。さすが神様だっただけあるんだなぁ〜。


 次に『無限収納カバン』。これって神器なんだってさ!文字通り無限に物が入るそうで、生き物はダメなんだって。


 どうも今さっき食べたのはアキさんの娘さんの料理らしいね。すごくおいしいです!1年分ぐらい入ってるので、当分お世話になります。


 食材もたっくさん入ってた。これならごはんに困ることはなさそうだね。


 お次はこの棒だ。なんと、魔力を込めると光る剣になるんだ!『魔力剣』って言って、これも神器らしいよ。込める魔力量に応じて威力が変わるらしい。アキさんの知識だと槍もできるみたいだね。


 そして腕輪。名前は『蓄魔の腕輪』っていう、これまた神器だそうだ。


 魔力は寝たら回復するんだけど、寝る前の余剰の魔力を腕輪に蓄えて、いつでも引き出せるんだってさ。ここぞと言うときに役立ちそうだ。


 ただ···、『自爆機能』なんて物騒なものまでついてるんだよ···。合言葉を言ったらドカン!ってなるらしいよ。アキさんは···、『バルス!』って合言葉で起動するようにしてたみたいだね。言わないよう気をつけようっと!


 最後はこの光る板だ。アキさんによると、『スマホ』っていう神器だそうだ。いろんな情報が引き出せるんだってさ!物知りなんだね〜。


 さらには遠くの人と話ができたりするんだってさ!ちーむッス···?っていうものらしいよ。今のボクには話す相手なんていないけどね。



「って事みたいだね」


「実家の秘伝に書いてあったとおりだぜ!」


「テオ?その実家の秘伝って、誰が書いたの?」


「オレのご先祖様だな。リオって言うんだけどな」


「えっ!?それって昔に大魔王って悪人を倒した人でしょ!?確か整調者(ピースメーカー)って旅芸人さんのお話であったよ!」


「そうらしいな。といってもオレってご先祖様みたいに力が強くないからなぁ〜。体弱かったし、どっちかって言えば魔法は得意なんだよなぁ〜」


「そうなんだね。あっ!?そういえば魔法ってボクも使えるのかな?」


「なんだ?使えないのか?」


「うん···。生活魔法も、ボクは使えなかったんだよ···」


「そいつは珍しいな···。とりあえずやってみたらどうだ?」


「うん!外でやるね!」



 ボクはテントから出て、大きく伸びをした。


 今日は気持ちいい雲ひとつない天気だね!さあ!やってみるぞ〜!


 まずは···、水魔法だね。え〜っと···、アキさんの知識にある中では···、これだね!



「いくよ〜!『水鉄砲』!!」



 バシューーン!!



「···できた。すっご~い!水がものすごい勢いで出たよ!」


「すっげー!これもアキさんの魔法なんだな〜」


「···いや、これはリオさんと娘さん一家の魔法らしいよ?」


「へぇ〜。ご先祖様って魔法も使えたんだなぁ〜」


「詳しくは知らないんだね?」


「実家の秘伝しか知らないからなぁ〜。どんな魔法を使ってたなんて書いてなかったしなぁ〜」



 その後もいろんな魔法を試してみた!全属性使えたよ!


 ただ、アキさんの知識には『合体魔法』と『合体変身魔法』なる言葉があったね。合体魔法は文字通り複数人の魔法を合わせて同時に放つ魔法らしい。ただ、魔法の強さを一緒にしたりと条件が厳しいようだね。


 一方の合体変身魔法···。これってもしかしてボクが大好きなお話の『白銀竜の着ぐるみ少女の冒険譚』のアニーが使ってた魔法···?お話では竜の力を解放したら人とドラゴンの力が合わさってすごい力が出るって事だけど···。


 まさか···、アニーのお話ってアキさんなのかな?白銀竜ってリオさん?ってことは···。



「テオ?アキさんの魔法に合体変身魔法ってあるんだけど、知ってる?」


「それも秘伝にあったな!ご先祖様の力をアキさんが『着ぐるみ』の形でまとうんだっけな?ただ、使える人はいないってあったぞ?」


「本当にあったんだ···。もしかしたら、ボクとテオでできるかもしれないよ?」


「じゃあやってみるか!?」


「うん!え〜っと···。『インテグレーション』ってかけ声をかけるみたいだね」


「よし!やってみるぜ!せーの!」


「「インテグレーション!!」」



 ···しかし何も起こらなかったよ。



「あれ〜?確かにこれでいいはずなんだけどなぁ〜」


「何か別の条件があるのかもな」


「そうかもね。ちょっとそこまでは分かんないなぁ〜」



 うん、これは後回しでいいや!とりあえず今はこんなところかな?なんだかんだしてたらお昼になっちゃったね。お昼ご飯も無限収納カバンに入ってたサンドイッチというパンの間にお肉とか野菜を挟んだ料理をいただいたよ。これもおいしかったね〜!



 さて、昼からは村のお掃除をすることにした。魔法が使えるようになって身体強化魔法が使えたから、ものすごく片付けるのが早くなったよ。


 って言っても、家は全部燃え尽きてしまったから、灰をかき集めるのがほとんどだったよ。掃除機魔法って便利な風魔法でお墓のとなりの1カ所にまとめておいたよ。これなら村のみんなが住んでた家なんだから、喜んでくれるだろうね。



 こうして村は1週間かけて片付けて更地になってしまったよ···。


 さて、これからどうしようかな?




    序章   完




『こんにちは。あなたたちがライくんのご両親ですね?』


『はぁ、そうですが···。失礼ですがどちら様で?』


『これは失礼。ボクはアキと言います。ライくんに託した『賢者の遺産』を作った者なんですよ』


『あなたが!?···ライを救っていただき、ありがとうございました』


『あなたのおかげで、ライは生き延びれそうです!』


『いえいえ···。ボクはきっかけを与えただけですよ。つかみ取ったのはライくん自身ですからね。そして···、これからどう使うかも···』


『そうですね。あの子は優しい子です。きっといい使い方をすると思いますよ』


『そうね。立派に生活してくれるわ』


『ははは。そうそう、ここからなら地上を覗けますよ?よろしければ、しばらくうちに滞在しませんか?』


『えっ!?あの世に家!?あなたはいったい···?』


『別の世界の神様をやってたのでこういう待遇なんです。もちろん、エーレタニアの人でしたよ。今は親族や知り合い一同揃ってますしね!』


『アキー!そろそろ腹減ったぞー!メシはまだかー!?』


『はい、はい。もう〜、リオはこっち来てもちょっとボケちゃってるんだよなぁ〜』


『違ーーう!もっと真剣にメシを作るんだー!』


『わかってるよ!すいませんね。ちょうどツレのごはん作りますので、お二人もどうぞ!』


『では···、しばらくお世話になります』

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