表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第2章 迷子になった先で···

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/229

2-15.冒険者証の悪あがき

「ところでライくん。今時点での魔獣討伐はどうなったのかな?」


「全部討伐しました。どちらで出しましょうか?」


「では庭に出るとしようか」



 みんなで庭にやって来た。ここなら広いからいっぱい出せるね!



「じゃあ、出しますね!」



 ボクは無限収納カバンから討伐した魔獣の素材を全部出した!



「な···!?こ、こんなに···?」



 ギルド長がびっくりしてるよ。その横でリークさんもびっくりしていた。



「はい。あ、こっちが討伐証明の部位ですね」


「···さすがC『+++』なだけある」


「···え?Cスリープラス?」


「冒険者証のランク横に薄く星印のマークがあるだろ?」


「え···?あっ!?ホントだ!星が3つついてる!気づかなかった···」



 ボクとテオの冒険者証には確かに『C ☆☆☆』って表記されていた。てっきりそういうガラなんだと思ってたよ···。



「それは『Cランクだが、それ以上の実力を有している』という証明だ。B以上は中央本部しか認定しないので、中央に行けない冒険者に対してギルド支部としての悪あがき(・・・・)みたいな実力の証明なのだよ」


「そ、そうなんだ···」


「星1つは1つランクが上という意味だ。それが3つ、すなわちSランクとしての実力がキミたちにあると、発行したギルド長と副ギルド長の二人が認めたということだ」



 ボクもびっくりだった···。確かにカソドさんはボクたちがSランク相当って言ってたけど、こっそり冒険者証にもこんな悪あがきをしてたんだ···。



「その幼さでSランク相当とは信じられんが···、これを見たらそういう気がしてくるな」



 ギルド長、シースさんがボクが退治した魔獣の素材の山を見ながらそう言ったよ。そういう言い方されると言い逃れできないなぁ〜。



「ここまできれいだと満額以外回答しようにない。後日報酬を届けるとしよう。それと、受付の非礼については詫びさせてもらう。済まなかった」


「い、いえ···。もういいです」


「今日はリークに用事があって私が対応したが、明日以降は別の者が来るので、そいつに用件を伝えてくれ。あと···、いつまで滞在してくれるんだ?」


「リークさんには門の修理が終わるまでって言ってます」


「そうか···。キミばかりに魔獣退治を全部やってもらったから当面は大丈夫だろうが、また急にお願いするかもしれん。その時は頼めるか?」


「はい。できる限りやりますよ」


「···本当に子どもか?うちの冒険者どもよりも大人のようだぞ?」


「ボクは5歳ですって!」


「そ、そうなのか!?」


「シースよ。私も聞いてびっくりしたぞ」


「リークも知ってやがったのか···。こりゃとんでもない大物に出会っちまったなぁ〜。将来が楽しみだぜ」



 こうして請けた討伐依頼はすべて完了した。あとは護衛依頼だけだったんだけど、ボクがほぼ全滅に近いほどやっちゃったので、出番なしになっちゃったんだ。だから全部達成って事になった。ダイナモの町だったら、魔獣全滅って言ったらまた怒られただろうなぁ〜。


 魔獣退治以外の依頼も多いんだけど、今はみんなそっちの対応ばかりするようになったんだって。溜まってた依頼もほぼ解消したようで、普段よりちょっとだけ忙しいってぐらいで落ち着いたそうだ。



 明日以降の予定は、学校の先生をやる1件だけ。特にやることがなくなっちゃったね。どうしようか?


 そんな事を考えてリークさんたちと一緒に夕食をいただいていたら、こんな話が出たんだ。



「なら、アスと一緒に遊んでくれないかな?」


「···え?」


「いいの!?パパ!?」


「ああ。アスもここ最近よく手伝ってくれて助かった。私もだいぶ落ち着いたし、ここで気分転換するのもいいだろう。ライくん、どうかな?」


「いいですよ」


「いいの!?ライ!ありがとう〜!」


「そんなに喜ぶことなの?」


「ええ!ライとは町を案内したぐらいだったしね!ライのいろんな話とか聞いてみたかったの!」


「そうなんだ···。って、その話なら来週に学校でボクが話すことになったんだ」


「え?そうなの?」


「うん。今日帰りにディーブ先生に出会ってね?町の外の事を知るいい機会だからって事でね」


「へぇ~!いいわね〜!」


「それは私もぜひ聞いてみたいものだ。予定を空けておこう」


「えっ!?リークさんも!?以前話したまんまですよ?」


「確かに。だがあれは要点だけだったからね。詳しい話を聞いてみたいね」


「ちょっと恥ずかしいなぁ~。あはは!」



 夕食を終えてボクたちは部屋に戻った。すると、テオの様子が少しおかしかったんだ···。



「なぁ、ライ?ちょっといいか?」


「ん?どうしたの?」


「あんまり悪く思わないでほしいんだが···、ちょっとリークさんやアスと距離が近すぎないか?」


「···え?それってどういうこと?」


「仲良くしすぎてないか?って事だ」


「それって悪いことなの?仲がいいってのはいい事だと思うけど?」


「確かにな···。だが、ライの賢者の遺産の力を利用しようと企んで近づいている可能性もあるんだぞ?」


「え···?」


「こうしてタダで屋敷に泊めさせてくれてるのも、ライの力を利用しようと考えている作戦かもし」


「アスたちはそんな事はしないよ!」


「どうしてそう言い切れるんだ?」


「だって···」


「確かにオレたちはアスを偶然にも助けたさ。町が魔獣に襲われてたから助けもしたさ。でも、それ以降はオレたちが魔獣退治をしたりしている。報酬はもらってるが、それでも冒険者たちがここまで表に出てこないのにはオレは違和感を感じる。魔獣を狩らないと生活できない冒険者だっているはずだぞ?」


「············」


「リークさんは何か隠しているとオレは思ってる」


「ボクは···、アスを···、リークさんを信じたい···」


「それは自由だが、裏切られる可能性も考えておけ。でないと、実際にそうなった時に立ち直れなくなるぞ?」


「············」



 アスたちがボクたちを利用しようとしている···?そんな事は考えたこともなかった。テオに言われて初めて気づいたんだ···。ボクは不安になった。けども睡魔には勝てずに眠っちゃったんだ···。



 ボクが寝た後、テオはこっそりと部屋を抜け出していた。向かった先は···、リークさんの部屋だった。



「テオくん?こんな時間にどうしたんだい?」


「夜分遅くにすまねえな。ライには内緒でちょっと確認したいことがあってな」


「···というと?」


「あんた、何か隠してるだろ?」


「············」


「やっぱそうか···。ライは確かに強いが、まだ幼い5歳の子どもだ。あいつの純粋な素直さに付け込んでやがったな?」


「············」


「目的はなんだ?ライをこの町に縛り付けて、魔獣たちからこの町を守らせるつもりか?そのための前段階として魔獣退治をさせたんだな?」


「············」


「沈黙は肯定と取るぜ。悪いが、オレはライをこの町に縛らせる気はない。できることなら···、今すぐにでも浮遊大陸に連れていきたいぐらいだ」


「···さすがはドラゴン族といったところか。なかなか鋭いものの見方をするものだ」


「こっちもそれなりに経験あるんでな。かつて人族がドラゴン族を騙してハメた(・・・・・・)歴史があるのは、あんただったら知ってるだろ?」


「確かに。これ以上の隠し立てはテオくんには無理のようだな」


「じゃあ、洗いざらい吐いてもらおうか?」


「ああ。最初はライくんの希望通りお願いをした。しかし、ライくんから周辺の町の状況を聞いて、ある結論に至ったのだよ。『この町は、もう長くもたない』とね。この町はゲートという国に属しているが、本国とはここ最近連絡が取れない。おそらく···、滅ぼされたとみている」


「············」


「この町はゲートからの応援で持ちこたえる作りなのだ。鉄壁と言われた国が滅んだ以上、この町も長くは続かないと考えざるを得ないのだ。もちろん、そうならないよう、あらゆる策(・・・・・)を講じる。それが町を治めるものの責務なのだよ」


「そのあらゆる策の一つが、ライなんだな?」


「···そうだ」


「なら···、悪いが明日に出ていくことにする」


「待ってくれ!まだ話すことが残っている!」


「···聞くだけ聞いてやる」


「この策はライくんの同意が絶対条件だ。だが···、テオくんの指摘で目が覚めたよ。こんなあくどい手段で子どもを巻き込むのは良くないとね···。ライくんを縛ることはやめにするが、これだけは絶対にお願いしたいことがある!」


「···なんだ?」


「···アスを、連れて行ってくれないか?」

 冒険者証には隠された表記がありました!この世界では実力があってもそう簡単にほかの町への行き来ができません。そのため、中央本部に行けない場合がほとんどです。

 そこでこのような手法が採られたんですね~。確かにCランクまでしか認めないし表記されませんが、『ほかの表記をしてはならない』という縛りがないのでこういうことができてしまったんですよ。


 そして、リークさんをテオくんは問い詰めました。ライくんは素直なので、お願いされると可能な限り承諾してしまいますが、そのお願いの裏には気づきません。

 しかし、テオくんはあんまり人を信用していません。警戒心が高いので、こういった企みについては見抜いてしまうんですね。

 でも、リークさんに悪気はありません。町の長というのはリークさんが言うように民の平和を守るのがお仕事です。本国が滅ぼされたと判断した以上、どう守り抜くか?を考えた結論だったんですね。

 ここで引き下がってくれるのもリークさんの器だと思います。おそらくほとんどの長はこういった判断の変更はできません。それぐらい人が追い詰められているという状況でもあるんですけどね。


 さて次回予告ですが、翌朝にライくんはテオくんがリークさんから聞き出した話をして、すぐに出ていこうと言いますが、ライくんはリークさんの真意を確認するために直接向かいます。そこでライくんの覚悟をリークさんに伝えますよ~!


 明日からゴールデンウィーク後半ですね~!6日まで朝と夜に1話ずつ投稿しますよ~。お出かけの人も、家でのんびりする方もぜひお楽しみくださいね~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ