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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第2章 迷子になった先で···

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2-3.川に流されていたのは?

「テオ!誰か流されてる!」


「なんだって!?」



 夜も遅くなって寝る前に顔を洗おうとすると、目の前に人が流されているのを発見しちゃったんだ!急いで助けないと!!



「オレが行く!」


「わかった。お願い!」



 テオは人型のまま、翼を大きく広げて飛び立った!そして流されている人の上空に着いて引き上げた!さすがだなぁ~!


 そして流された人を抱えながら川岸に戻ってきたんだ。



「生きてるが体が冷え切ってる!ライ!薪を多めにくべろ!」


「うん!」



 流された人は少女だった。すぐに着ていた服を脱がせてタオルで拭いてあげた。そして、寝袋で寝かせてあげたよ。


 テオが少女に回復魔法をかけてあげてくれた。とりあえずは大丈夫だろうね。しかし···、この子はどこから流されたんだろうか?


 流されたって事は、川の上流に村か町があるって事だね。その村か町で何かあったのかな···?聞いてみないとわからないけどね。


 まさかこんな夜中にこんな事があるなんて思わなかったなぁ~。少女はだいぶ具合が良くなったようなので、このまま寝かせてあげることにした。ボクたちも、もう眠気に襲われていたので、テントで寝ることにしたよ。




 翌日···。


 たき火の火は燃え尽きて消えていた。少女はまだ寝袋で寝ていたよ。



「おはよう、テオ」


「おう。おはよう、ライ」


「今日はどうしようか···?」


「この子をこのままにはできんだろ?起きたら話を聞いて、それからだな」


「そうだよね···」



 とりあえず朝食を作るか!今日は3人前用意するよ~!今日のメニューは『ベーコンもどきエッグ』だよ。ベーコンもどきっていうお肉を焼きつつ、その上に卵を落として焼いて食べるんだって。焼いたこれを固いパンにのっけて食べるとおいしいらしいよ?アキさんの娘さんの食堂の人気メニューなんだってさ!



「お~!おいしそうだぞ~!」


「うん!上手に焼けました~!はい、テオ!」


「ありがとな!うんめぇ~!」


「じゃあ、先にボクもいただこうっと!···うん!いいね~!」



 そしてボクたちが朝食を食べていると、寝ていた少女が起きたようだった。



「···え?···ここは?」


「あ?起きた?大丈夫かな?」


「わたしは···?確か···、魔獣に襲われて···、川に落ちて···」


「え?魔獣に襲われたって!?」


「ライ!まだこの子は意識がちゃんとしてない。その話は後にしとけ!」


「あなたたちは···?え?背中に翼が···?」


「大丈夫か?オレはテオ。ドラゴン族で白銀竜のテオだぜ」


「ボクはライ。テオと一緒に旅をしてるんだ。名前を聞いてもいいかな?」


「わたしは···、アス···」


「アスって言うんだね。じゃあ、先に朝食食べる?おなか空いてるでしょ?」


「は、はい···」



 ボクはすぐに朝食を作ってアスに食べてもらったよ。



「おいしかったです!初めて食べました!」


「それは良かったよ。じゃあ、聞かせてもらってもいいかな?どうして川に流されたの?さっき、魔獣って言ってたけど?」


「はい···。町が魔獣に襲われて···。わたしは逃げている最中に川に落ちてしまったんです···」


「なるほどな···。ライ、行くか?」


「もちろん!アス?襲われたのって昨日のいつぐらいだったの?」


「夕方前です···」


「今から行って間に合うか微妙だな···」


「テオ、それでも行くよ」


「そう言うだろうと思ったぜ。じゃあアス!案内してくれ!今からオレに乗って飛んでいくからな!」


「え!?と、飛ぶ!?」


「うん。テオはドラゴン族だから飛べるんだよ。じゃあ、さっさと片付けするよ!準備できたら行こう!」



 急いで片づけをしてからテオに乗って飛んでもらった。ボクの無限収納カバンにどんどんものが吸い込まれていくのをアスはびっくりしていたね。もうボクは当たり前だから慣れちゃったけど、これってやっぱりみんな驚くんだよね~。



 テオの背中には前がボク、後ろはアスに乗ってもらったよ。



「うわぁ~!すご~い!」



 アスは初めての空の旅で感動していた。ボクもそうだったなぁ~。こんな景色は見れないもんね。


 そして上流へ飛んでいくと、黒い煙が立ち上っているのが見えたんだ!



「アス!あそこかな!?」


「はい!あそこです!」


「間に合ってくれ···!」



 場所が分かったので、テオがスピードを上げた!そして5分後、町の上空に到着したんだ!



「これは!?」


「ひどい···」



 その町は片側が川で、反対側は森だった。その森から魔獣は侵入したようで、門が破壊されていた!


 門に近い家は軒並み壊されていて、燃えていた···。魔獣は···、いた!2本足の巨体の魔獣だ!棍棒のような大きな武器も持っていたよ!数は···、7体!


 魔獣の近くでは兵士さんらしき姿も見えた!なんとか全滅してないようだね!でも倒れている人もいるぞ!?



「テオ!あそこの広場に降りて!」


「わかったぜ!」



 そこは大きな通りが交差する場所で、中央に公園っぽくなっているところだった。そこにテオが降り立った!



「後方に新手か!?」


「それどころじゃないぞ!?」



 いけない!みんなテオが新たな魔獣って勘違いしてるぞ!?ボクは大声を出して言った!



「皆さん!助けに来ました!ここはボクとテオに任せてください!」


「んなっ!?こ、子ども!?」


「早く逃げなさい!」


「いえ、ボクは冒険者です!Cランクです!魔獣退治やってますから!」


「ホ、ホントか!?」


「ええ!テオ、先に行かせてもらうね!」


「おう!右の道の魔獣はオレに任せとけ!」


「よろしく!」



 ボクはテオから飛び降りて、真正面の魔獣へ向けて走り出しりながら、右手には魔力剣を持って魔力を込めた!鮮やかな緑色の刃がすぐに現れたよ!



「秘技!紅葉!!」



 ボクは魔獣との間合いを一気に詰めた!魔獣は棍棒を力任せに振り下ろしてきたけども、巨体だから動きが遅い!さっと右へよけて懐に入り込み、横に一閃した!



「グァアアーーー!!」


「これで1体!」


「おい!後ろだ!!」


「えっ!?」



 1体倒したら、その影からもう1体がボクに攻撃を仕掛けてきていた!


 まずい!当たってしまう!!そう思ったその瞬間!遺産の知識が回避方法を教えてくれた!!



 ズドーーーン!!



「うわっ!?」


「ちょ、直撃!?あの子は···!?」



 兵士さんたちが心配してる声が聞こえたけど、ボクは大丈夫だよ。だって···、ボクは魔獣の背後にすでに回っていたからね!


 これは遺産の知識にあった『影移動』と呼ばれる技だった。アキさんの技じゃなくて奥さんの技みたいだね。影のある場所から近くの影の場所へ移動するという技なんだ。さっきは最初の魔獣の影があったので、それを利用したのさ。さあ!これでもう1体をやっちゃうよ!



「終わりだ!秘技!大噴火斬り!!」



 魔獣の背後から大きくジャンプして一刀両断してやった!!


 斬られた魔獣は真っ二つになってしまったので、兵士さんから見れば魔獣が縦に真っ二つになった後ろにボクが立っているように見えたんだろうね。



「な!?無事だったか···」


「すごい···。子どもなのに···」


「ふぅ~、武器持ってる魔獣は初めてだったなぁ~。おっといけない!まだ魔獣がいるんだったよ。兵士さん!他はどこにいますか!?」


「さ、さっきのドラゴン?が行った方向に3体、あとはここの左の道の先に2体さっきまでいたはずだが···」


「わかりました!右はテオがやってくれてるから、ボクは左へ行きますね!」


「あ、ああ···。す、すごいな···。Cランク冒険者って、こんなに強かったか···?」



 ボクは大通りを左に向かって走り出したんだ。

 ここでライくんは運命的な少女と出会いました。今後どのような関係になるかは···、ご期待下さい(今書いてる最新話でも決まってないですが···)。


 新たな町でも魔獣による襲撃で町が壊されてました。日常茶飯事とまではいきませんが、どこもこういった襲撃はあります。今回はとある事情で戦力不足だったのですが、ライくんたちのおかげで助かりましたね!


 さて次回予告ですが、魔獣殲滅に成功したライくんとテオくんは、ケガ人の治療を始めます。しかし、重傷者が多かったのと生き埋めになって救出された人たちが多すぎて全員に回復魔法がかけられませんでした。キズを塞ぐ程度の軽い回復魔法を行使しすぎて倒れてしまいます。

 懸命に助けようとする姿をお楽しみに〜!

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