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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第2章 迷子になった先で···

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2-1. ライ、本格的に料理する!

 本日は作者が夜勤なので朝に投稿しています。

 そしてここから第2章全24話が始まりますよ~!

 ダイナモの町を出発したボクたちは、そのまま歩きでボードの町へ向かっていた。テオに乗せてもらった方が速いんだけど、それだと魔獣退治ができないからだ。


 町の近くは冒険者さんたちに任せるとして、その先の道中からはボクとテオの修行がてら、倒していくことにしたんだ。


 やっぱり魔獣はいないに越したことはないからね。それに、倒した魔獣の素材は売れるし、お肉は避難民の人たちへお裾分けもできるしね!



「さあ!頑張って狩るぞ〜!」


「おう!魔獣レーダーで場所わかるか?」


「そうだね。じゃあさっそく···、あれ?」


「どうした?」


「···この近辺に魔獣がいないんだ」


「あ〜、スタンピードが近くで発生したから、通常の魔獣も逃げ出したんだなぁ〜」


「そう言えばカソドさんもスタンピードは通常の魔獣を飲み込むって言ってたなぁ〜。ということは、通常の魔獣とスタンピードの魔獣は違うって事かな?」


「そういう事だろうな。黒魔力から魔獣は発生するわけだから、黒魔力嵐だと高濃度の黒魔力だし、まったく別物になるんだろうなぁ〜」


「なるほどね。でも、見つけたら狩っていくよ」


「おう!」



 そうそう!歩く時は身体強化魔法を使うことにしたんだ。やっぱり使い慣れてないと、いざという時に使えないんじゃダメだからね〜。


 現在、4倍で設定して歩いてる。と言っても全速力で走ってるぐらいの速さだ!


 ただ、道は荒れ放題だった。今のところ、人は見かけないね。


 とりあえず道っぽい道を進んでいると、村に着いたよ。



 ただ···、廃墟だった。



 かなり前に魔獣によって壊滅させられたんだろうね···。柵は折られて倒されており、家も柱や壁が壊されて屋根が落ちていた。燃えた跡もあったよ···。



「テオ···」


「ライ。お前が気にすることじゃないぞ」


「うん···。もしかしたら、ダイナモの町の避難民の誰かが、ここに住んでたのかもね···」


「かもな」


「早く···、こんな事は終わらさないと···」


「気持ちはわかるが、焦っても仕方ないぞ?」


「うん···」



 滅ぼされたのがボクの村だけじゃないってのはわかっていたさ。でも···、やっぱり別の場所でこういうのを見てしまうと···、悔しいと思ってしまうんだよ。



 とりあえず昼休憩はこの滅ぼされた村ですることにした。村の中央付近に炊事場っぽいのが残ってたけど、井戸は壊されてた。


 遺産の知識によると、使われてない井戸水は危ないらしい。泥が入り込んでたりして汚れてるからだそうだ。無限収納カバンには水も入ってるから問題ないけどね。


 今日の昼食はボクが料理に挑戦!ということで、食材と肉焼きセットを外に出したよ。



「おっ?今から料理するのか?」


「そうだね。屋台で買ったのは料理する余裕がない時用にしておくよ。今日は鍋に挑戦するよ〜!」


「レシピは分かるのか?」


「遺産の知識でね。おいしいかどうかは···、お楽しみって事で!」


「おう!楽しみにしてるぜ〜!」



 まずは大鍋を出して···、まずは野菜を切る。野菜はダイナモの町で少し調達しておいたんだ。お肉は狩った魔獣のお肉を一部取っておいたんだ。ほとんどはギルドに置いてきたけどね。


 まずは野菜を少量の水で煮込む。野菜の水分が出てくるからね。次にお肉を入れる。


 そして調味料。これは無限収納カバンに入っていた『みそ?』っていうものだ。結構たくさん入ってたので使わせてもらったよ。



「おっ!?いいにおいしてきたな〜!」


「そうだね〜。もう少しで出来上がりかな?」



 そして5分ほど煮込むと出来上がり〜!



「「いっただっきま〜す!」」


「おいし〜!」


「うめぇ~!」



 うん!このお鍋は成功だ!『みそ煮込み鍋』って言うんだってさ。これはいい料理を教えてもらったぞ〜!



 さて、おなかもいっぱいになり休憩もできたので、お昼からも引き続きボードに向けて進んでいこう〜!



 ···夕方前になっても着くことはできなかったよ。そう言えばどれぐらい離れてるか聞いてなかったなぁ〜。


 この部分がアノドさんが言っていた『計画力』ってやつなんだなぁ〜。これは野宿せざるを得なさそうだよ···。



「テオ?今日はここで野宿にしようか?」


「ちょっと待て。オレが飛んで周囲を確認するぜ。もしかしたら、もう近くまで来てるかもしれないだろ?」


「あっ、そうだね。お願いできる?」


「おう!」



 そう言ってテオは人型のままで翼を広げて飛び立った。


 かなり高いところまで上がってしばらく周囲を見渡していたね。そして降りてきた。ん?なんかテオの様子がおかしいぞ?



「なぁ、ライ?ボードって港町って話だよな?」


「うん。そう言ってたね」


「港って事は大きな湖か海があるはずだよな?」


「ボクは海って見たことないからわかんないけど、そうだと思うよ?」


「ないぞ?」


「···え?」


「だから、湖や海が近くにないんだよ」


「それって···、まだまだ遠いって事?」


「そうみたいだな···」


「ということは···、今日は野宿かな?」


「···そういう事だな」


「じゃ、準備の前に魔獣レーダーで周囲を確認するね。···お?なんかいっぱいいるよ?」


「マジかぁ〜。そいつら倒さないと、おちおち寝てられねえぞ?」


「もう暗くなってきたから、ちょっとマズイね···」


「さっきの廃墟に戻るか?あそこならまだ開けてるからマシだぞ?」


「そうするか···。テオ!飛んでくれる?」


「おう!しっかりと掴まってろよ〜!」



 ということで、テオに乗せてもらってさっきの廃墟の村に戻ることにしました。旅って難しいんだなぁ〜。


 戻る時はスマホの地図アプリを使ってテオに道案内をしたんだ。ボクたちが通り過ぎた場所は情報が書き換わるようで、ボクのマイカ村やカパーの町そしてダイナモの町の表示が出ていた。


 そして廃墟もね。ただ、ここでボクは気づいてしまったんだ···。



「テオ?地図アプリだと、この近くに海や湖はないみたいだよ?」


「はぁ?どういう事だ?」


「わかんない···。かなり遠くに海があるみたいなんだよね〜」


「そういえばそれってアキさんの時代の情報だろ?1000年経ってたら変わるんじゃねぇか?」


「海が近くなったりするのかな?」


「さあなぁ〜」



 そんな事を言い合ってるうちに廃墟に着いた。すると、日中にはいなかった魔獣がいたよ。トカゲのような格好をした魔獣が7体!



「ライ!」


「わかってる!倒すよ!近くにはこいつらだけだ!」


「よし!じゃあいくぞーー!」



 テオが急降下した!魔獣たちは上からボクたちが近づいていることに気づいていない!


 ボクは魔力剣を展開した!準備完了だ!


 まずはテオの両手の爪が伸びて、後ろからすれ違い際に切り裂いた!これで2体!


 ボクは魔獣のところでテオから飛び降りた!そしてスタッと降りてから魔力剣で3体胴薙ぎで真っ二つにしてやった!あと2体!


 すると、テオが着地の際に2体を思いっきり踏んづけた!結構勢いあったから、そのまま潰れてしまったようだね。



「テオ、お疲れさま!」


「おう!ライも普通の魔獣なら大丈夫そうだな!」


普通なら(・・・・)ね。スタンピードに対応できないといけないけどさ」


「それはハードル高すぎだろ···」



 確かにね···。でも、それができるように頑張るよ!

 今の世界情勢では魔獣被害がすさまじいため、町同士の交流がほとんどありません。一応交易商もいるにはいるんですが、冒険者を雇ったりするために高級品を扱ったり書簡を届けたりといった感じだけなんですね。

 人やモノが通らない道は舗装していてもあっという間に自然に還ってしまいます。そのために町を結ぶ道というものはほとんど獣道っぽい雰囲気なんですね。この状況がさらに交流を阻んでいます。

 となると、基本的に町や村は自給自足、自己防衛しか手がありません。そのために小規模の村は滅ぼされる確率が非常に高いんですね。あったとしても、ただ単に運がいいだけなんです。

 このあたりは愛車やレンタカーで人の住んでないところを走った時の作者の体験からですね。道にサルやシカ、イノシシが普通に闊歩してるんですよ。場所によってはクマも出ますから、とても歩いては危険すぎるんです。そんな場所が徐々に日本でも増えてきてますね。


 さて次回予告ですが、ダイナモの町から南にあるボードの町へ向けて、今度はテオくんに乗せてもらって飛んでいくのですが、一向に町が見えてきません。結局は迷子になってしまうのです···。どうしてなんでしょうか?


 それではお楽しみに~!

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