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序章-3.ボクの人生のターニングポイント

 本日一気に序章5話+設定資料集を、時間を開けて投稿中です!

 ここは3話目ですので、ここから読み始めた方は2つ前のお話からお読みください。

「さて···、ちょっと外の状況はわからないんだけど、キミの事を話してもらえないかな?」



 ボクは自分の事を話した。魔獣の群れで村が全滅し、ボクも命を絶つつもりだったって事も···。



「そう···。つらい目に遭ったんだね···」


「テオがボクの体を乗っ取るって言ってましたけど、そうならなかったんです。どうしてか分かりますか?」


「簡単だよ。テオにはウソを伝えていたんでね!」


「えっ!?」


「テオは体が弱くて長く生きれなかったんだ。だから精神体となって封印を守ってもらってたんだけど、長い間に蓄えられた龍脈の力で体は健康体にする事ができたんだ。あとは適格者の覚悟···、かな?『賢者の遺産』を継承すれば、莫大な力と知識を得るんだ。おいそれと簡単には受け継がせるわけにはいかないんで、『体を捨てる覚悟があるか?』って聞いてみてただけなんだけど···、まさか自死を考えてた人が継承するとは盲点だったなぁ〜」


「じゃあ···、ボクはダメなんですか?」


「いや?むしろ歓迎だよ!ライくんの人となりは理解できた。キミなら間違った使い方はしないだろうってね!」


「そ、そうなんですか?···え?なにこれ?魂が奮い立つようなこの力···、次々に思い浮かぶ知識···?」


「うん。もうボクの知識がインストール···、じゃなくて、なじみだしてきてるようだし、これでライくんは継承者(サクセサー)に合格だ」


継承者(サクセサー)?」


「そう、『賢者の』···、ってボク自身が賢者って言うのって恥ずかしいんだけどさ。何か未来で困った時のために過去の知識、技術を確実に継承する事を、ボクが死ぬ前に(・・・・・・・)準備しておいたのさ。ボクが持っていた『神の力』すべてを使ってね!某皇帝継承のゲームの方法を参考にさせてもらったんだけど、こうしてうまくいったから成功だね!」


「じゃあ、アキさんは神様···、なんですか?」


「このエーレタニアの神様じゃないけどね。まぁ、知り合いではあったけどさ。リオにお願いしたら、体が弱かった子孫のテオにこの事を任せて、あまり人が来ないこの地に封印してたんだよ」


「リオ···?」


「ボクの相棒だった白銀竜だよ。お話になってない?整調者(ピースメーカー)と大魔王の戦いって?」


「旅芸人さんのお話でなら···」


「あははは!やっぱりカーネさんたちが書いた本がお話になっちゃったかぁ〜。各地の図書館に寄贈済みって言ってたから、1000年経っても失われずに済んだんだなぁ~。あれって結構捏造だらけだけど···、まぁ歴史なんてそんなもんか!」



 アキさんは優しい人だったよ。この後、いろいろボクの話も聞いてくれた。村の話をした時なんて、ボクは大泣きしちゃったんだけど、『泣きたい時に泣いたらいいよ。ボクでよければ、言いたいこと、吐き出したいこと。全部聞いてあげるからね』って言ってくれたんだ···。


 お茶もいただいたし、さらには温泉?というのにも入らせてもらった。気持ちよかったよ〜!


 なんだかここって天国のような気がしてきたなぁ〜。···あれ?そういえばアキさんは『死ぬ前に』って言ってたな···。ボクも死んじゃった?



「アキさんは死んでるんですよね?」


「もちろん!···ああ!そうか!言い忘れてたよ〜。今のボクは『賢者の遺産』に組み込んだ仮想人格(・・・・)なんだよ」


「仮想人格···?」


「簡単に言えばボクの複製(コピー)だね。それぞれに『万能物質インゴット』を含ませておいたからできた···、って言ってもわかんないよね?生きていたアキは死んじゃってるけど、こうして思いだけ残しておいたのさ。···でも、もう役割を果たしたようだね。そろそろ···、お別れのようだ」



 そう言うとアキさんが···、さらには家が···、薄くなりだしていった!



「ライくん···。死を覚悟するほど絶望してしまったけど···、キミはまだこれからたっぷり時間があるんだ···。ボクたちの遺産が···、キミのこれからの人生を···、幸せにできることを···、祈るね···!」


「ま、待って!まだ···、ボクには知りたいことが!!」


「大丈夫···。キミへの継承はこれですべて完了だ···。思えばすぐに理解できるよ···。それに、キミはもうひとりじゃない。テオが···、ちゃんとキミを···、サポートしてくれるからね···」


「アキさん···」


「さあ!キミの人生はここから新たに始まるんだ!慌てなくていい。立ち止まってもいいし、後戻りしてもいい。そして···、人生を終えた時に···、感想を聞かせてね!」


「···はい!」


「ふふっ!よかった〜。『はい、はい』って言われなくてね!」


「えっ?それはどういう···?」


「あぁ、気にしなくていいよ。こっちの話だからさ!それじゃあ···、また会おうね〜!」


「···ありがとう、ございました!」



 次に目が覚めたら、ボクは池の横にいた。



「おっと!やっと目覚めたな〜」


「···テオ?」


「おうっ!名前、覚えてくれてたか!」


「うん···。アキさんからも聞いたよ」


「アキだって!?」


「知ってるの?」


「実家の秘伝に書いてあったご先祖様と一緒に旅したっていう人だな!どういうことだ···?」



 ボクはテオにさっきの話をしたんだ。ビックリしていたよ···。



「そうか···。まぁ、体が弱かったから封印を守るために体を捨ててたし、役割果たしたら死んじまうって思って体をくれって言ったけど、そうするとオレもやる事なくなったなぁ〜」


「じゃあ、ボクと一緒に行く?」


「それもいいな!どうせこんな、なんにもないところでいても仕方ないしな!ライ、よろしくな!」


「こちらこそ。テオ、これからもよろしくね!」



 そう、これがボクにとっての人生最大のターニングポイントだったんだよね。人生最高の相棒となったテオと一緒にこれから過ごしていくんだ。ここからボクの人生が始まるんだ!


 アキさんからもらったこの遺産···、大切にさせてもらうね!




「ん···?遺産が目覚めた···?」



 時は来た···、ということか。これは一波乱ありそうだな···。




「あれは···?まさか···、賢者の遺産?」



 伝承は本当というわけね···。この乱世でついに目覚めたというわけね。これは面白くなりそうな予感がするわ!



 賢者の遺産が覚醒したと気づいた人がいたんだ。


 そして、これをめぐってボクとは数々の戦いをすることになるんだよね···。

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