1-17.ライ、服屋に行く!
本日2話目の投稿です。朝に1話投稿していますので、先にそちらをご覧くださいね~!
「お〜い!ライ〜!もうすぐ昼だぞ〜!」
「ん〜?···え!?もうお昼!?」
「おう!今日はいつものオレと逆だなぁ〜!よっぽど精神的に疲れてたんだな〜!」
「···あ〜、やっぱりそうだったんだ···。テオ、おはよう」
「おう!今日はどうする?」
「とりあえず昨日の報奨金をもらいに行こうか?ついでにギルドの食堂で食べちゃう?」
「おっ!?それいいな!まだあそこじゃ食べてなかったしな!」
「テオは食いしん坊さんだね〜」
「食える時に食う!旅をする以上、これは鉄則だぜ!」
「でも食べ過ぎたら動きづらいし、おなか壊すよ?ほどほどの方が···」
「その時はその時だ。そんじゃあ、早く行こうぜ!」
「うん!」
うわぁ~。今日は今までで1番朝寝坊しちゃったよ〜!ボクは急いで着替えてギルドに向った。
入ると、日中は人がほとんどいなかった。そりゃ、みんな依頼のお仕事に出かけてるもんね。
「あーー!ライくんキターーー!!」
入った途端にポーラさんが大声を上げた!!
「···うぇ!?ポ、ポーラさん!?」
「一緒に来てもらうわよ!」
「え!?ちょ、ちょっと!?どこに!?」
ポーラさんはあっという間にボクに駆け寄って腕を掴み、強引に引っ張っていった!
「ギルド長!連れてきました!!」
連れて行かれたのはカソドさんの部屋だったね。
「ライ、テオ。そこに座れ」
「は、はい···」
「お、おう···」
なんだか怒ってるような気がするけど?何枚か紙を持ってソファに腰掛けたよ。
「まずは二人とも、今日からEランクに昇格だ」
「···へ?」
「···は?」
「昨日の査定の結果だ。満点だったので規定を満たしたのだ。冒険者証を出しなさい」
言われるがまま冒険者証を出して、それをポーラさんが持って行っちゃった···。
「さて···、色々言いたい事はあるのだが···。なぜあの依頼を請けた?あれは確かにEランクだが、実質Dランクと書いてあったぞ?まさか字が読めないとは言わせんぞ?」
「あの依頼しかできそうになかったからです···。遺体も···、あれも村で全員分ボクがやったので···」
「···危険だとわかってやったとポーラから聞いてるが?」
「承知の上です。皆さんも···、だいたいの人は感謝してくれましたし···」
「···明日も同じ依頼を請ける気か?」
「あればやります」
「···わかった。では、私も同行しよう」
「えっ!?ギルド長が!?」
「何を驚いてる?私は町長も兼ねてるのだ。避難民対策は町が本来すべき事。ならば私が出ても問題あるまい?」
「で、ですが···。危ないですよ?」
「だからだ。ライにだけ危ない目に何度も遭わせるわけにはいかん。視察名目で、私も手伝おう」
「は、はぁ···」
というわけで、明日はカソドさんと一緒に避難民の皆さんに救援物資を届けることになっちゃったんだ···。
下に降りると、ポーラさんがEランクの冒険者証を渡してくれたよ!Eランクになると、食堂のメニューが全品5%オフだって~!これに喜んだのは···、
「おーし!たらふく食うぞ〜!」
テオでした。じゃあ、ボクも食べようか!
ふぅ~、おいしかったよ。テオのおなかも満たされるぐらい大盛りメニューだったね!
「ライ?今日はどうするんだ?」
「今日も町のお散歩かな?まだ見れてないところもあるからね」
「じゃあ、どこに行くんだ?」
「服屋さんに行こうか?昨日は夜遅かったから、閉まっちゃってたしね」
「そうだな!じゃあまずは服の調達だな!」
というわけで1日遅れでやって来ました!
いっぱい服があるね〜!どれがいいのかさっぱりわかんないけどね。
「おや?かわいらしい客じゃないかね?親はどこにいるんだい?」
「こんにちは。親はいないんですよ。村が魔獣に滅ぼされて···」
「悪い事聞いちまったね···。許しておくれ」
「いいですよ。今は相棒のテオと一緒に旅して、ここで冒険者になったんです」
「避難民なのにかい!?」
「あはは···、避難してないんですよ。ちゃんとお金持ってますよ」
「そうかい!じゃあ、何を探してるんだい?」
「下着とか、今着てる服とか···、かな?」
「あんたたちぐらいだと子供服のコーナーだね。こっちだよ」
おばさんについていくと、いろんな服があったね。服には値札がもちろんついてるけど···、これなんだろう?
「おばさん?この『N』とか『U』ってのは?」
「『N』は新品、『U』は中古品だね。値段が全然違うだろ?」
「ホントだ。ボクたちは旅してるので、丈夫な服がいいですね」
「だったらこれなんかどうだい?ただ、ちょっと厚手だから動きにくいかな?」
「う〜〜ん···。これはちょっと···」
「じゃあこれならどうだい?冒険者って事は鎧を着るのかい?」
「はい。胸と肩当てとグローブとブーツですよ」
「だったらこれだね。前にボタンがないから、胸当てをつけても問題ないよ」
「じゃあ、これを!」
「ありがとね。あとは下着だね。ここらで好きなのを探したらいいよ。試しに着るんだったら、そこの小部屋でやっておくれ。さて、お次はアンタだけど···。背中に翼ある獣人は初めてみたよ」
「そうか?でもオレが着れる服って、そうないだろ?」
「う〜ん···。そうだね。おなかまわりを巻いてひもで縛って···、あとはエプロンみたいにするしかなさそうだね。腕はアームウォーマーってのがあってね?それがいいんじゃないかな?」
「お〜!とりあえず任せていいか?」
「いいよ!じゃあこっちにおいで」
おばさんとテオが離れていったよ。その間にボクは下着を選んだんだ。
そうそう、言い忘れてたんだけど、テオって上半身裸だったんだよね〜。確かに翼が背中にあったら服着れないもんね。ちなみに暑さ寒さや雨も竜気である程度は防げるらしいよ。便利だなぁ〜!
10分後、テオは戻ってきたよ。
「どうだ?ライ?」
そこにはエプロンを着けたコックさん···、ではなくてテオがいた。ひもはうまいこと翼を避けて背中で交差して結びつけてたね。ちなみにズボンははいてるから、エプロンの裾はおなかのあたりだ。
「いいんじゃないかな?なんだか料理人みたいに見えるよ!」
「あ〜、オレ料理できないんだよなぁ〜」
「えっ?そうなの?」
「実家にあった秘伝書でも、ご先祖様は料理がヘタ過ぎて犠牲者を出したらしいぞ?命は助かったらしいけど」
「どんな料理だったんだろう···?」
そんな事までテオの家の秘伝書には書かれてたんだなぁ〜。機会があれば見てみたいけどね。
「たくさん買ってくれてありがとね〜!」
2人で5万ジール買っちゃった。今まで着ている服1着だけだったから仕方ないよね?
うん、今のところ支払った金額がまだちょっとだけ多いけど、入ってくるお金もあるようになったから、このままいけば貯まってくるんじゃないかな?
そう思ってると、スマホが鳴った。なんだろう?···え?『家計簿』···?
触ってみると、日付と何に使ったのか、そして金額を入れると···!?すごい!ボクの持ってるお金が管理できるんだ!
ふむふむ···。ということは、これをこまめに記録したら、残りどれだけあるかがわかるんだね!アキさん!ありがとうございます!
夕食は宿でオススメ料理をいただいた。しっかりと食べておかないと、明日はまた大変だぞ〜!
それじゃあ、おやすみ〜!
ここまでまったく描写がなかったのですが、ライくんとテオくんは着ている服しか持ってませんでした!一応清潔魔法があるので汚れとかニオイとかは大丈夫なんですけどね。
ライくんはいいんですけど、問題はテオくんなんですよね~。どうしても翼が邪魔なので、着れる服がほとんどないんですよ。まぁ、竜気のおかげで上半身素っ裸でも大丈夫なんですけどね。ちなみにドラゴン族なのでほどよい筋肉質の体つきです。腹筋は割れてます(笑)!あぁ···、作者は中年太りだというのに···。最近食べる量も運動量(仕事量)も同じなのに腹回りガガガ···orz
なんと秘伝書には先祖であるリオくんのロシアンルーレットっぽい料理の話まで書いてありましたね!前作ではぶっとんだ料理でナナちゃんやお子さん、孫まで嫌がられてましたからね~。おそらくその部分を書いたのはリオくん本人ではないんでしょう。さすがに自分でメシマズとは書かないでしょうからね。
さて次回予告ですが、翌日にまた避難民対応にライくんたちは向かいます。今回はカソドさんが同行しますよ~!今回はどういった対応をライくんはするのでしょうか?そして、避難民の人たちにお仕事を斡旋する方法も賢者の遺産の知識を用いて提案しますよ~。
明日からは18日までは21時過ぎの投稿を予定しております。それではお楽しみに~!




