表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第8章(最終章) 災厄戦争の終末をもたらす者たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

225/229

8-25.戦争終結パーティー

 ハイパースタンピード終結から2週間が過ぎた。


 大量の魔獣の処理が終了し、悪臭もほぼ解消されたものの、水源などの周辺環境のダメージが深刻という状況は変わってない。


 けれど、これで一息ついた状況になった。というわけでドラゴン族の人たちは明日に旅立つそうだ。


 その前に、魔獣解体で大量のお肉ができたので、『戦争終結パーティー』をすることになったんだ!これにはドラゴン族の皆さんは大喜びだったよ。


 ただ···、まったく喜ばない人もいたんだよ···。サムだ。



「ライ!お前も分身して肉を串に刺すのを手伝ってくれーーー!」


「こらっ!サム!サボるんじゃない!!」


「母ちゃん!?オレ、戦争の功労者だぜ!?普通はもっとチヤホヤされるんじゃねえのかよ!?」


「チヤホヤしてやってるじゃないかい?私と一緒に肉の串刺ししてるだろ?」


「母ちゃんにチヤホヤされたって嬉しくねえし、そもそも串刺しはチヤホヤじゃねえーー!!」


「じゃあ、誰にチヤホヤしてもらいたいんだい?」


「···えっ?」


「いるんだろ?チヤホヤしてくれる娘が」


「············えっ?」


「···はぁ〜、鈍感だねぇ〜。紹介してくれたら串刺しはやめにしてあげるよ」



 はははは!サムは絶対にアエスさんに勝てないなぁ〜!というわけで、ボクとテオがちゃんと手伝ってあげたよ。


 最も、ドラゴン族の人たちは塊肉ドーーーン!で食べちゃうから、実質ボクたちの分だけどね。見かねたウインとトルム、コルメが手伝ってくれたよ。



 そして夕方になり、パーティーは始まった!


 最初はアルブさんのあいさつからだ。



「皆のもの!此度(こたび)の戦いはこれまでのドラゴン族の歴史の中でも最大の大戦であった。それにもかかわらず死者なしで終われたのはご先祖様にも誇れる快挙であった!今日はゆっくりと食を楽しみ、明日からの生活の活力とするように!それではライくんもあいさつを···」


「えっ!?ボクもですか!?」


「もちろん。この村の村長としてだな」


「···わかりました。皆さんのおかげでこの困難を打ち破ることができました!本当にありがとうございました!」


「それでは皆のもの!乾杯!」


「「「「かんぱーい!!」」」」



 パーティーは大盛り上がりだったよ。全種族のドラゴン族がワイワイと楽しそうに飲んで食べてをしていたんだよ。


 ボクとテオはいろんな人たちから声がかけられたよ。やっぱりボクとテオの合体変身魔法が気になるみたいだね。実力については浮遊大陸でのバトルロイヤルで見せてはいろんないるけど。


 そんな中、ボクに近づいてきた子がいた。



「よお!おめー、つよいんだな〜!」


「え〜っと···、コルメの弟のトイスくん···、だっけ?」


「おう!これでおれはあんしんしてねえちゃんをまかせられるぜ!」


「···え?どういう事?」


「どういうことって···、ねえちゃんとけっこんするんだろ?つよいんだったらおれもさんせーだ!」


「ちょ!?ちょっと待って!ボクはコルメと結婚はしないよ!?」


「またまた〜!てれんなって!」


「それに、ボクはもう結婚してるから」


「な!?なんだってー!ねえちゃんがいながらけっこんしてるだって!?ふ、ふたまたってやつか!?そ、それともふりん!?」


「どっちも違うよ!!」



 トイスくん···。ちょっと思い込みが激しすぎないかい?これ、どうしたらいいんだろう?


 そう思ってたらコルメがやって来てくれた!



「トイス、ライとなに話してたのよ?」


「ねえちゃん!こいつ、ねえちゃんがいるのにふたまたやふりんしてる!うらぎりものだ!」


「············」


「ほら!ねえちゃんがおこってるぞ!あやまるならいまのうちだ!」


「謝るのはあんたでしょ!?トイス!!」



 ガンッ!!



「いってーーー!?ね!?ねーちゃん!?」


「なんであたしがライと結婚する事になってんのよ!?ライはもう結婚してるわよ!」


「ほ、ほんとだったのか···。ねえちゃん、フラれたのか···」



 ガンッ!!



「恋愛してないわよ!どうしてこう思い込んじゃったのかしら···?ライ、ごめんなさいね」


「い、いや···。ははは、びっくりしちゃったよ」


「トイスには後でじっくりとお説教しておくわ!どこで二股だの不倫だの言葉を知ったのかしら?」


「レンねーちゃんが『ひるドラ?』ってのでおもしろいっていってた!」


「レンね···。ちょっとあたし、クレーム入れてくるわ!レンーー!どこ行ったーー!?」



 ははは···。ちょっとお酒入ってるから暴れないか心配だね。



「ライも大変だなぁ〜」


「テオ」


「まぁ、こうやってバカやれるぐらい平和になったって事じゃねえか?」


「うん、そうだね。これで···、平和な世の中になってくれるかな?」


「少なくとも当分は魔獣に怯えることはねえだろうな。人同士で争うことはあるだろうけどな」


「そう···、だね」


「ま、深く考えんな。ところで、ライはこれからどうすんだ?」


「どうって···?」


「とりあえずこの村の大きな役目は終わった。ドラゴン族は集落を作るので各地に散らばるし、避難してた人たちも元の町に戻った。ライの村長としての仕事は終わったんだ。ここからは自由にできるぞ?」


「あんまり考えてなかったなぁ〜。アスと話し合ってみるよ。そう言えばテオはどうするの?」


「オレはライと一緒にいるぜ」


「そう···。ありがとう」



 この後かぁ〜。特に考えてなかったよ。これまでは魔獣退治に突っ走ってきたからね。


 とりあえずはこの村の役目は終わった。けれど、ここまで作った村を放置ってのももったいないよ。


 でも、今はとても住める状況でないからね。ちょっとずつ元に戻せればいいかな?


 浮遊大陸から応援に来てもらったドワーフの人たちやブロンデルさん一家も帰してあげないとね。やることはそれなりにありそうだ。


 そんな事を考えてたら、アスがやって来たよ。放っておいたわけじゃないよ。いろんな人たちにあいさつ回りしてたからね。お世話になったし。



「ライ、そろそろ時間取れるかしら?」


「うん!待たせちゃってごめんね」


「いいえ。ライはこれまでみんなの中心となって頑張ってたからね」


「ははは。まぁ、成り行きでこうなっちゃったからね。そう言えば話したい事があるって戦いの前に言ってたけど、なにかな?」



 ボクはアスに気軽に聞いちゃったんだけど、アスはとても真剣な顔をしてから、微笑ましい顔になったんだ···。え?いったいなんだろう?



「ライ···。私のおなかに···、赤ちゃんがいるの···」


「···え?」



 ちょっと···、いきなり過ぎて言葉を失ったんだ···。え!?あ、赤ちゃん!?そ、それってまさか!?イ、イベントが成功しちゃった!?



「ボ、ボク···。パパになるの?」


「そうよ。家族が増えるわね···」


「やったじゃねえか!ライ!おめでとう!」


「テオ···。ありがとう。で、でも!これからどうしたらいいのかな!?」


「生まれるまではアスはおとなしくしておくのが1番だ。ライはアスのお世話をしてあげるんだ。いいな?」


「テオ···、ごめん。よくわかんないから手伝って!」


「いいぜ。って、オレもよくわからんがな。賢者の遺産の知識にないか?」


「そ、そうだ!ちょっと聞いてみる!」



 ここからボクはドタバタな毎日が始まるんだ···。

 アスちゃんからびっくりな発表がありましたね!この世界では前作のアキくんの物語でも説明したのですが、魔獣被害のせいで寿命が現代日本の半分程度なんです。

 そのために10歳で成人となり、早めに子作りをしてしまわないといけない過酷な世界です。

 どんなお子さんなんでしょうね?最終回まであと少しですが、ちゃんと登場しますからね。


 さて次回予告ですが、先日ボイドを逮捕したタースさんから説明の準備ができたようなので、浮遊大陸へ向かい、そこで真相を知らされます。どういった内容なのでしょうか?

 そしてサムくんは告白され、ウインちゃんは告白しますよ〜!戦闘終わってからだったら死亡フラグ立たないですからね。果たして返答は!?


 それではお楽しみに〜!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ