8-16.トルムVSアクリャ
僕の相手は両腕が鳥の翼になっている少年の魔獣同化能力者だ!ヒトの姿のまま、腕だけが魔獣の鳥になってるんだ。
そしてその翼からはものすごい数の羽を僕に向けて放ってきていた!この羽、一直線に飛ぶのではなくて僕を完全に追尾しているんだ!
戦場の空をお互い縦横無尽に飛び回りつつ激突した!さっきは翼が折られちゃったけど、それももう回復済だから、高速飛行魔法を応用した低速飛行で飛び回りつつツメで攻撃をしているんだ。
その空中戦をしている最中も追尾する羽の数はさらに増えた!アクリャと言った子が攻撃の合間にどんどん羽を僕に向けて放ってるからなんだ。
「あははは!逃げてもムダさ!その羽は狙った獲物の魔力を追跡するのさ!だから魔力がなくならない限り、当たるまで追いかけるよ!」
「それはやっかいですね!その羽、タダの羽じゃないんでしょ!?」
「そうだよ~!どんな羽かは当たってみればわかるよ~!試しに当たってごらんよ!」
「効果がわからない以上、それは悪手ですね!かすっただけでも痛かったですしね!」
しかし、どんどん増えてきているのでそろそろアクリャ本人の攻撃を避けようとしても逃げ道が潰されてしまう可能性が高いですね。これは時間をかければかけるほどこちらが不利って事なんでしょう。
だったら···、ちょっと賭けになるかもですが、やってみる価値はありそうですね!
僕はアクリャに向けて突進した!
「おっ!?逃げ回るのは終わりかな?じゃあこっちもそろそろ仕上げといこうかな!フェザーストライク!!」
アクリャが懲りもせずに僕に羽を撃ち込んできた。ただ、今度は真正面からだ。もちろんよけたその時だった!
「···シンパシック!!」
ズドドドドドーーーーン!!
アクリャがなにかキーワードを言ったらよけた羽が僕のすぐそばで爆発した!そしてその爆発で僕のスピードが落ちてしまったところで、後ろから迫ってきていた羽が僕の近くで爆発を誘発してすさまじい大爆発が起きた!!
「あはははは!!!きれいな花火になったね~~!!さてと···、これだけの大爆発ならさすがに木っ端みじんになっちゃったかなぁ~?」
高笑いをしているアクリャ。しかし、もうもうとしていた煙から1本のダーツがアクリャの胸に刺さった!!
「ぐぅっ!?な、なに!?これは!?ぬ、抜けない!?」
「···ガキのクセしていい戦闘センスしてんじゃねーかよ?こりゃトルムには荷が重いか···。あいつ、相手がガキだと思って心の奥底で殺さないようにって考えてやがったぜ。さっきもガキの背後に回って羽をガキにぶつけてやるって考えてたみてぇだが、そんなよくある手はバレバレだっての」
「な!?あの爆発で生きてるだって!?」
「あ?まぁ、確かにそこそこ痛かったさ。オレ様が出てくる程度にはな。爆発ってのはな?起爆点から全方向に力が広がるんだよ。さっきみたいにあんな乱れた爆発じゃあ、ある点では相乗効果の威力があるが、大半は力同士が打ち消しあう場所が中にどうしてもできるんだ。たまたま近くにそんなスポットがあったからそこで身体強化を最大にまで引き上げて耐えた。それだけだが?」
「な!?なんだとーー!?」
「フンッ!やっぱガキだな。戦闘センスはほめてやるが、頭がガキのままだ。もうちょっと物理の勉強しないと、さっきと同じことを格上の連中にやってもオレと同じ結果になるぞ?」
「うるさいうるさい!なんでお前なんかに説教されなきゃならないんだ!?」
「説教する気なんてない。事実を言っただけだ。最も···、テメエを生きて帰す気なんてないがな!」
トルムのやつ、アルムが出たらコイツを殺してしまうだろうって思ってなんとかしようとしてやがったな。まぁ、結果的には失敗に終わったわけではあるが···。残念だがコイツは生かしておくとロクなことにならねえ。どういう意図で魔獣同化能力者なんぞになったかは知らんが、ここで倒す以外に手はねえんだよ。
「話し方が変わったぐらいでいい気になるなよ!これでもくらえ!!」
アクリャが高速で突っ込んできやがったな。今度は足が靴を突き破って魔獣の鳥の足にしやがったな。さらには翼の先端にするどいツメが生えてきていた。高速ですり抜けた際に攻撃って事だな?
もちろん避けた。その時、アクリャが意外そうな顔をしたのを横で見えた。···気づいたな?
「な!?なぜだ!!魔法が出ないだと!?」
「やっと気づきやがったな?テメエはもう魔力が枯渇してんだよ」
「なんだって!?」
「そのダーツ、放出の魔法をかけてあるのさ。その矢を通じてテメエの魔力が空気中に放散されていってるから、もう大魔法は使えないぞ」
「くそっ!!こんな矢1本だけで!?」
「まぁ、なかなか楽しめたぜ?さっきの攻撃も、攻撃の瞬間に魔法を打ち込もうとしていただろ?避けたと思わせて通りすがりに魔法をお見舞いしてやるってのはよく考えたな。だが、使えなけりゃタダの突進攻撃に過ぎん」
「ぐぬぬぬぬ···」
「おいおい?まさかこれしか攻撃手段がないなんて言うなよ?ほかにもあるんだろ?もっとやってこいよ?オレがレクトで相手したトラの魔獣同化能力者のガキのほうが、多彩な攻撃をしてきて楽しかったんだからな」
「なめるなぁーーー!!」
そういってアクリャはなんとオレのダーツが刺さった胸の肉を切り落としやがった!
「ぐぅっ!!がああああーーーー!!」
そして切り裂いた跡がみるみる回復していきやがったぜ···。ちっ!やるじゃねえかよ?
「ほう~!なかなか根性見せるじゃねえかよ?抜けないならその部分の肉を切り落とすってか。そんじゃあまだまだオレを楽しませてくれるってことだな!」
「はあっ!はあっ!ぼくを···!バカにするなぁーーー!!」
「はははは!いい気迫だ!その怒りをオレにぶつけてみな!!」
よし、これでいいな。こいつ、完全にオレしか見なくなったな!
こいつ、トルムとやりあってる時にほかの連中にも攻撃してやろうって構えを見せてやがったからな。トルムもちょっと気になって軽く阻止していたけど、ここまで完全にキレたらそんな気にはならんだろう。
「ぼくをバカにしたことを後悔させてやる!ただ死んだほうが楽だって思うぐらいひどい殺し方にしてやる!!同化!!」
これまで翼と足だけ魔獣化していたアクリャが同化をしやがった。多少体が大きくはなったが、翼がさらに大きくなり、羽の材質が変わった···?翼の先端と足のツメが巨大化しやがった。ものすごくアンバランスな鳥の格好になりやがったな···。
『はあっ!はあっ!はははは!第2回戦といこうじゃないかぁ!!』
「いいぜ!せっかくだし、オレも竜モードでやらせてもらうか!」
戦場の空にアンバランスな巨大な鳥と、その大きさより一回り小ぶりな黒竜が出現した。ここから戦場の空はさらに激しい戦いの舞台となる!!
ベスティアリッター戦の第2戦はトルムくんとアクリャです。
共に空を飛べるので空中戦ですね!これだと戦闘エリアが広範囲になってしまうので、アルムくんは挑発してヘイトを自分自身に向けました。
一方のアクリャはまだ子どもなので簡単に引っかかってしまいましたね。子どもがいきなり大きな力を持ってしまったらどういう事になるか?を考えて登場したキャラで、ベスティアリッターの中ではお気に入りの子ですね。
さて次回予告ですが、アルムくんとアクリャの戦いはさらにヒートアップします!しかしアルムくんの前にアクリャは手も足も出ない状態になってしまいます。死の間際、彼はこれまでの思いをぶちまけます!魔獣同化能力者として、彼は何を思っていたのでしょうか?
それではお楽しみに~!




