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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第8章(最終章) 災厄戦争の終末をもたらす者たち

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8-15.サムVSペンス 後編

「ちっ!?やりづれえなぁー!」


『ふふふ!どこを狙ってるのかしら?そんな攻撃、当たらないわよ!』



 オレの相手のベスティアなんとかは同化(アッシミレーション)したら普通のヘビになりやがった!


 そんなに大きくないから攻撃が当たりづらい!しかもちょこまかと素早く動きやがる!これじゃあ物理攻撃は当てるのは厳しいぞ!?


 だからって魔法攻撃はすべて反射されちまう。魔法使えねえのは真のトランス状態だと圧倒的に不利だぜ···。


 こいつ、戦闘の相性は最悪だわ。『当たらなければどうということもない』って秘伝書にもあったけど、マジでやられるとイライラするなぁ〜!



『あははは!イライラしてるわねぇ〜!じゃあ遊びはここまでにして、今度はこちらからいくわよ!』



 そう言ってヘビがこっちに飛んできやがった!オレに直接噛みつこうってか?甘いっての!


 オレはもちろん避けた。すると、ヘビのしっぽがオレの左腕に絡みつきやがった!



「うおっ!?コイツ!」


『もう遅いわ』


「なに!?ぐわーーーー!!」



 気づいた時にはオレの左肩に噛みつきやがった!しかも、今回は歯に雷魔法を仕込んでやがった!体中に電撃が走った!体中から煙が出やがったぜ···。



「はあっ!はあっ!こんにゃろー、やりやがったな!?」


『あはは!外は頑丈でも、中に入り込めばこの通りよ。さあ、次はこれなんか···、どうかしら!?』



 そう言うと、今度はヘビの体がどんどん伸びていった!そしてオレの体をぐるぐる巻きにしやがったんだ!



「テメエ!なにしやがんだ!?クソッ!破れねえ!!」


『うふふ。お楽しみはこれからよ?』



 ぐるぐる巻きに縛ってから、次は···、ヘビの体が太くなりだしただと!?



「ぐうっ!?があああああーーーー!!」



 ものすごい力で締め付けてきた!抜け出そうとしても完全に身動きが取れねえ!


 魔法を使えばそのままオレにダメージが来てしまう!脱出方法がねえぞ!?



 ボキボキッ!!



「ぐああああーー!?」



 真のトランス状態の身体強化をしてるのに体中の骨が折れ始めた!締め付ける力はさらに強くなっていく···。



『あはは!まさか伝説の神狼族がこんなにヤワだったとは思わなかったわ!『神が創った戦闘種族』が聞いてあきれるわぁ〜。このまま締め上げてあげるわ!激痛に苦しみながら惨めな最期を迎えなさい!』


「ガハッ!ゲホッ!ぐああああーー!!」



 締め上げる力がさらに強まった!全身の骨が折られ、回復が間に合わねえ!口から血を吐き出しちまった···。こりゃ肺までやられちまってるな···。


 く、くそ···。い、痛みで意識が···。


 そしてついに顔の部分までヤツの体がやってきた。最後の仕上げは丸飲みかよ···。



「············」


『うふふ!もう死んでしまうなんて、あっけない最期だったわね〜!さて···、ほかのSランクの連中もコイツのように始末しに行きましょうか』


「残念だが、そうはいかねえぜ?」



 オレはヤツの背後から声をかけてやった。ちゃんと無事だぜ!



『なっ!?なぜ!?』



 ヘビがオレに振り向いて驚愕した顔をしやがった。魔獣同化能力者だから表情が出てんだなぁ〜。普通のヘビはそんなに口開けたまま驚かんぞ?



「はははは!いい顔してんじゃんか〜!さっきオレに言った言葉を返してやるぜ。それは分身の1人だ」


『分身!?そういえば報告書にもあったけど···。体温もちゃんとあったから本物だったわよ!?代わり身という技を封じるために締め上げたのに!?』


「そりゃそうだ。分身だからちゃんと痛かったぞ。だがな?多少のダメージは受けちまうが、本体が無事ならどうとでもできんだよ」


『ぐっ···』



 ヘビがとぐろを解くと、絞め殺されたオレの分身が横たわり、そして消滅した。それを見たヘビは本当に分身だったって思い知ったようで苦虫をかみつぶしたような顔になってやがったな。ヘビなのに。



「さてと···、どうやら報告書にあった内容だけしか知らんようだし、このままダラダラやってても時間のムダだ。これで(しま)いにしてやる」


「ナメた事をぬかすなぁーー!もう1回!」



 そういってまた飛びかかってきやがった。学習能力ねぇなぁ〜。同じ手が2度も通用するわけねえだろうが?



「もう見切っちまってんだよ」



 オレは魔力剣をここで抜いた。魔法反射するから通用しないって思うだろ?だったら攻撃で使わなきゃいい(・・・・・・・・・・)だけだ!


 魔力剣を縦にしておき、飛びかかってきたヘビのしっぽは今度は魔力剣に巻き付いた!


 そしてまたオレに噛みつこうとした直前で魔力剣に込める魔力を消した。すると、しっぽで体勢を維持していたヘビはオレの後方へ吹っ飛んだんだ!秘伝書にあった『慣性の法則』ってやつだ。勉強はサボってたが、秘伝書はそこそこ読んでたのが生きたぜ!



『くそっ!』



 地面に着地したところで体勢立て直そうってハラだろ?そうはさせねえぜ!



「どっせーーーい!!(カキーーーン!!)」


『なっ!?フグゥッ!!』



 地面に着地する前にオレの分身がヘビを魔力剣で打ち返した!斬れないんだから棒として使ってやったんだ。秘伝書にある『ほーむらん』ってやつらしいな!


 そして打ちあげられたヘビの軌道上に別の分身が準備万端で待ち構えていた!



「アターーーック(バシーーーン!!)」


『ギャッ!!』



 真下にオレが待ち構えている。これでトドメだ!



「暗殺奥技!富嶽(ふがく)!」



 ナイフを腰だめに構え、そしてヘビに向けて一気に振り上げた!!猛烈な速度の剣戟(けんげき)から一歩遅れて無数の風の刃がヘビに襲いかかった!



『ギャーーー!!』



 剣戟でヘビを真っ二つにし、無数の風の刃でヘビの全身をズタズタに引き裂いた。これは魔法じゃなくて『かまいたち』って自然現象を利用したものだから通用するんだよ。


 さて、これで終わりじゃねえぞ?確実に仕留める!地面に落ちたヘビを思いっきり踏んづけてから追い撃ちをかける!



「ヒートフット!!」



 オレの靴の下が真っ赤に燃える!地面とオレの靴に挟まれたヘビはジューーーー!!という肉が焼ける音がしていた!以前に肉片から再生しようとした連中がいたからな。念には念を入れてこんがり以上に焦げ肉になるまで焼くぜーー!



 3分経過。もう煙も焼ける音がしなくなったので魔法を止めて足を上げると···、そこには地面が真っ赤になり、その上で真っ黒焦げになったヘビらしきものがあった。もう形も崩れてるからわかんなくなってるがな。



『············』



 ふぅ~。ま、こんなもんか。しかし···、大した敵だったぞ···。分身やられるとかなりのダメージになるからな···。


 ま、こいつが完全に油断してたからな。思ってたより調子こいてベラベラしゃべりやがったし、こっちがワナ張ってもハッタリだって思い込んでたからな。


 コイツ、自分に自身がありすぎたんだな。『ベスティアなんとか』なんて名乗って自分は特別な存在だってうぬぼれてやがったんだ。


 自分より強い相手とやり合わなかったんだろうなぁ〜。確かに初見殺しなヤツだったから、負けた事がなかったんだろう。だから最初から見下して相手したんだろうよ。オレらの情報もあったことだしな。


 テメエの敗因は、『負けたことがなかった』ってとこだな。ほかの連中も、コイツと同じようならなんとかなりそうなんだけどなぁ〜。



 さてと···。どうもみんなほかのベスティアなんとかって連中とタイマンしてるみたいだな。ヤバそうなのがいたら助けに行くか!

 サムくんのアイデア勝利でした!魔法を全反射するということは魔力剣も鈍器扱いになってしまいますので、それを利用しましたね。

 サムくんも奥技を使えますよ〜。ちょっとこれも暗殺技か?と言われるとちょっとね(笑)。やっぱり奥技って派手な方がいいですもんね。


 さて次回予告ですが、トルムくんと鷲の魔獣同化能力者であるアクリャとの戦闘です!前回は奇襲でトルムくんの翼が折られてしまいました。常時回復魔法がかかっていますけど、このあとどうなるのでしょうか?


 それではお楽しみに〜!

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