8-14.サムVSペンス 前編
本日は早朝出勤だったので早めに仕事を終えて、久々に某駅前のファミレスで売れっ子作家ごっこ(笑)を開催しておりました。明日はお休みだからね。
売れっ子作家ごっこ(笑)や書籍化作業ごっこ(笑)など、へっぽこ作家ではありますが充実した日々を過ごしておりますよ。
「まずはこいつを食らいな!水鉄砲!」
ベスティアなんとかって名乗ってるぐらいだ。普通じゃないのは分かってるからな。まずは試しに水鉄砲で攻撃だ!真のトランス状態だからもちろん!貫通威力が高い!
しかし、ヤツは避けようとすらしなかった!
「うふふ···」
余裕の表情で水鉄砲を受けやがった!すると···!?こっちに水鉄砲が飛んできやがったぞ!?
「うおっ!?マジかよ!?オレの魔法を跳ね返しただと!?」
「そうね〜。なかなかに強力だったけど、私には効かないわ」
「なるほどな。だったらこれでどうだ!魔力手裏剣!」
放った手裏剣は4本!しかし···、
「ムダよ」
放った手裏剣がまたこっちに飛んできたぞ!?
「···ちっ!マズいぜ···。魔力を使用するものは何でも跳ね返すんだな」
「御名答〜!あんたたちは魔力に物言わせて攻撃してるでしょ?私には全部効かないわ」
「へぇ〜。オレらの事をよく調べてるじゃねえか?もしかしてファンかよ?」
「まさか。死んでもごめんだわ。冒険者ギルドの報告書を見せてもらっただけよ」
「報告書だって?」
「そうよ。あんたたちの戦闘報告書。どんな魔獣相手にどんな技や魔法を使ったのか?とかよ。特にあんたの報告書は詳細に書かれていたわ~!」
「げっ!?そういう事かよ!?あ〜!ジェネのやつ、オレに結構細かく戦闘内容を聞き出して報告書を書いてやがったからなぁ〜!」
そう、ジェネは『報告書は内容をきっちり書いて記録することです』ってよく言ってやがったんだよ···。
アレコレ聞いてきたけど、うんざりしたからスマホで戦闘シーンを録画して、見せるだけにしといて全投げしてたんだよ···。
報告書見てねえけど、ジェネの事だ。動画見て事細かく書いたんだろうな!
これ···、オレがサボったせいで首絞めてなくね···?ってかこいつ、オレの名前知ってるな!?知ってるのにあえて聞いてきやがったのかよ?
「だから、その状態もそんなに長続きしないって事も知ってるわ。ふふふ···。手のうちを知ってる以上、対策し放題だから私が相当有利よ」
···ん?今じゃ真のトランスは以前よりも長くできるけど?コルメみたいに大規模殲滅魔法をバカスカ撃たない限りだったら、維持だけなら丸1日いけるけど?
もしかして···、情報が古いのか?
となると···、ギルドを追い出された以降の技とかこれまで使ったことのない技なら有効かもな!とりあえず演技して知られないようにしとくか!
「げーー。それじゃあ勝ち目ないじゃんかー」
ヤベエ!?オレ、演技なんてしたことねえんだよ!だから棒読みで言っちまった!バレちまったか!?
「···あら?反応薄いわね〜。勝てないって悟っておかしくなったのかしら?まあいいわ。次はこちらからいくわよ!」
ふぅ~。なんとかだまされてくれたな!危ねえ危ねえ···。
とりあえずこのまま戦闘継続だ!今度は向こうから攻撃を仕掛けてきた!
「スネークショット!」
放ったのは蛇っぽい形の魔力砲だ!まっすぐじゃなくてクネクネ曲がりながらこっちに向かってきやがった!
「暗殺技!双烈斬!」
向かってくるものを切り裂くこの技は魔法すら切り裂く!これで迎え撃ったが!?斬撃が当たる直前で急に曲がりやがった!
そして、オレの右腕にかみついてきやがった!
「なに!?ぐああああーー!!」
「あははは!ムダよムダ!この魔法はどこまでも追いかけて食らいつく!迎撃しようとしてもかわしてしまうからムダよ」
「ぐっ···。あ、あれ···?か、体が···!?テメエ···、毒かなにか入れやがったな!?」
「ええ〜。マヒと遅効性の毒よ」
「マジかよ!?」
「あははは!こうも簡単に終わっちゃうなんて拍子抜けよ。毒で苦しんでも、体がしびれて身動きすらできない···。もがき苦しむといいわ!」
「クソッタレ!!」
なるほどな···。こいつ、蛇の魔獣同化能力者って事だな。だからこういった毒を使って弱らせて倒すってやり方か。これは事前対策してないと初めてやりあえば負ける可能性が高いな。
ヤツがゆっくりと近づいてきた。トドメを刺そうってか。
···ちょうどいい。こっちもあがいてやるぜ!
「さてと···、茶番は終わりよ。これでトドメを刺させてもらうわ。ほかの仲間たちの救援にも行かないと行けないからね」
「············」
「あははは!もうしゃべれないほど毒が回ってるのね!?その目!その目よ!もう指一本動かせない状況で何もできずに死ぬしかないという絶望したその目!とってもいいわね〜!」
「············」
「それじゃあここまでね。さようなら。死ね!」
「···だが断る!」
「なに!?」
「秘技、紅葉」
「なっ!?ガハッ!?」
ふぅ~···。ヘタクソな演技だったけど、調子こいてたからだまし通せたようだぜ···。
残念だが、真のトランス状態ではあらゆる状態異常は無効化されんだよ。ただ、無効化するのにちょっとだけ時間がかかるから、最初の少しの間だけは効くんだけどな。さらにはトルムと同様に常時回復魔法がかかってんだよ。だからさっきかまれたキズはもう治ってんだよ。
それに、毒を仕込むなんてのはうちの家系では得意中の得意だ。真のトランス状態でなくても血清ぐらいは常備してるんだよ。でないと母ちゃんに怒られるからな!
まぁ、バレないように黙ってたけどな!しゃべるとさっきのように棒読みになっちまったからな!大成功だろ!?
さて···。ヤツが不用意に近づいたから、サブの武器であるナイフで首をぶった切ってやった。魔力剣だったら通じないだろうが、このワケアリなナイフなら問題なかったぜ。
このナイフ、実はこの星のものじゃねえんだよ。空にある星から来たって連中がご先祖様にプレゼントしたっていうナイフらしいぜ?どうしてそんな事になったのかは知らんけどな。
さて、なんとか同化される前に片付けられたな···。マジでヤベエ相手だったけどな。
「ふふふっ!今まではお芝居だったってわけね···」
「なっ!?首ちょんぱしてるのに生きてんのかよ!?」
「ええ〜。この程度、今の私なら大丈夫よ!」
とんでもねえな···。首が切れてんのに生きてるなんて、もはや生き物じゃねえな···。
そういえば最初にレクト奪還に行った時も肉片から再生しようとしてた連中がいたな!母ちゃんが相手した連中も、首を切ったけど生きてたって言ってたわ!
となると···、こいつらも徹底的に潰さねえといけねえって事になるな···。うわぁ~、超めんどくせぇ!
ヤツは体が首を取りに向かって、首を拾い上げてつなげやがった···。アンデットでもねえのにとんでもねえな···。
「ハハハハ!お遊びはお互いここまでにしましょうか!ここからは全力で叩きのめしてあげる!同化!」
ヤツが本気を出すようだな···。しかし、他の連中と違って、こいつはどんどん縮んでいき、普通の蛇のサイズになりやがったぞ!?
『さあ!始めましょうか!この姿になったからには楽に死ねるとは思うなよ!!』
「ああ!楽に死ぬつもりはないぜ?生きて帰るからな!!」
「ほざけーーー!!」
さてと···、オレもここからは全力でやってやるぜ。マジで生きて帰らねえと、先にあの世へ行ったら母ちゃんがあの世に来たら永遠に殴られ続けてしまうだろうからな!
「そんじゃあオレもマジでやってやるぜ!」
ついにベスティアリッター戦が始まりました!
最初はサムくんと蛇の魔獣同化能力者であるペンスです。
ベスティアリッターたちは冒険者ギルドを乗っ取ったので、サムくんたちSランク全員の戦闘データを報告書という形で知っています。ですが、実際には冒険者ギルドを離れて以降に実力を上げてますし、冒険者時代にすべての技を使ったわけではありません。
しかも、ベスティアリッターたちは『戦闘データを知ってる』という情報にまんまと引っかかってるんですね。
確かに情報は正しいのですが、内容が100%網羅されてるわけではありません。アップデートもありますし、言語化できない部分というのが非常に多いんです。このあたりは文字の限界と言ったところでしょうね。
って、これも小説だから文字ばっかなんですけどね(笑)。作者の作品は詳細な描写があんまりありません。読者の皆さんのご想像にお任せしてるところが大きいので、ちょっと負担大きいかなぁ〜?と思っています。
あと、またまた宇宙人の置き土産が出てきました!前作続編ラストで登場した切れ味バツグン!な剣ではなくてナイフです。ちなみにアエスさんは宇宙人製の切れ味が落ちない包丁を持ってますよ。
さて次回予告ですが、本気のペンスは蛇の魔獣になりましたが、人よりもかなり小さくなったので攻撃が当たりません!しかもサイズを自由に変更できるわ、魔法は全反射だわ···、とサムくんは大苦戦します!
果たして勝ち目はあるのでしょうか!?
それではお楽しみに〜!




