表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第8章(最終章) 災厄戦争の終末をもたらす者たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

206/229

8-6.決戦直前の作戦会議!

 本日は夜勤なので朝に投稿しています。

 村のみんなの避難は午前中に完了した。トンネルは4km程度あるので、およそ2時間弱でふもとの滝つぼの裏に到着する予定だ。


 トンネルの道中には休憩できるようにベンチと荷物置き場も用意してあるんだ。小さいお子さんや足腰が悪い人もいるからね。


 避難誘導が完了したので、緊急脱出用トンネルの村側の門を閉鎖した。もちろんオリハルコン製だよ。鍵は魔法で行ない、オリハルコンに付与する形なんだよ。


 そう、このオリハルコンという金属は、魔法を簡単に付与ができるんだ。普通の鉄とかだと付与魔法というのが非常に難しいみたいなんだけど、オリハルコンは組成に魔力も含んでいるために魔法付与と相性がものすごくいいという特徴があったんだ。


 今回はサムがカギ魔法をかけてくれた。ボク、コルメ、トルム、ウインの魔力を当てると解錠する仕組みだ。


 サム自身は『めんどいからカギ開け魔法で開ける』って言ってたよ···。それ、こじ開けと同じなんだけど···?何でも開けられるカギ開け魔法ってとんでもないね。



「これでヨシ!っと···。さて、それじゃあ作戦会議といこうか!」



 現在のマイカ村に残ってるのは迎撃部隊だ。ボクたちSランクメンバーと、アエスさん、エムスさん、ヴィンターさんたち神狼族、そして戻ってきてくれたアルブさんたち白銀竜の皆さん60人だ。


 明日には全種族のドラゴン族が集結の予定だ。これでドラゴン族の皆さんは総勢650人となる。


 偵察に出ていたテオの予想では、魔獣軍団の総数はおよそ50万ぐらいみたいだ。通常のスタンピードの60倍以上という、とんでもない数だよ!?



「というわけで、今回は防衛戦になります。こんな事になるとは思わなかったけど、オリハルコン鉄板付き防壁があるので、突破は容易ではありません。また、障壁魔法もあるので、空からの襲撃や壁を乗り越えての攻撃も防げると思っていいでしょう」


「···ってか、まさに文字通り鉄壁(・・)だろうが!?逆にどうやって攻め落とすんだって話になるぞ!?」



 サムに思いっきりツッコまれちゃったよ···。ボク自身も、まさか攻められるとは思ってなくて、賢者の遺産の知識の言う通りに作っちゃったからなぁ〜。若干暴走してたけどさ。



「ははは···。まぁ、サムの言う通り防御に関しては問題ないでしょう。ですので、どうやって壁の外の魔獣を駆逐するか?って事と、どう攻撃するか?がポイントになると思います」


「じゃあ、あたしからいいかしら?」



 コルメがニヤッとして手を上げたよ。



「いいよ、コルメ」


「もちろん1番手はあたしで決まりでしょ?大規模殲滅魔法を全力全開で撃てるし!」


「そうだね。乱戦になると厳しいもんね。じゃあお願いするよ」


「あと、ワナ魔法も周辺に仕掛けておくわ」


「だったら壁の手前の掘りの外側がいいかな?お願いするよ」



 まずはコルメが大規模殲滅魔法で数を減らす。漏れた魔獣はワナ魔法である程度減らす。


 しかし、今回は数が桁違いだ。普段と同じ対応では数の暴力で押し切られてしまうだろうね。


 すると、今度はアルブさんから提案があった。



「私たち白銀竜はブレスで最初は薙ぎ払おう。とにかく近接戦闘は数に劣るこちらが不利だ。遠距離攻撃でできる限り数を減らすのがいいだろうな」


「そのとおりですね。ただ、敵が一気に押し寄せるとは限りません。緩急つけて波状攻撃をする可能性がありますし、数が数だけに休憩も必要です。3つぐらいグループ分けして交代してみてはどうでしょう?」


「確かに···。では、我々はその方法でいきましょう」


「よろしくお願いします。合流するドラゴン族の皆さんも同様でいいでしょう」



 防御が鉄壁だから休憩もしやすいよ。あとはボクたちだね。



「ボクたちはどうしようか?」


「最初のうちは全員で魔法を撃ち込んだ方がいいいだろうな。ある程度間引いたら休憩するでいいんじゃね?」


「う〜ん···。サムの言うのもわかるけどさ。結構長丁場になりそうだよ?」


「まあな。とりあえずこんな大規模は今までにもなかっただろうからな。スマホで情報共有して、臨機応変に対応するしかないと思うぞ?」


「···ベスティアリッターって連中がいつ出るかもわからない」


「ウインの言う通りだね···。出し惜しみもする余裕なさそうだし···」


「じゃあ私たちで休憩中は相手しておくよ」


「アエスさん?いいんですか?」


「少しは出番を用意してほしいもんさ。ところでサムとウインは真のトランスはだいぶ慣れたかい?」


「多少はな」


「···そこそこ」


「じゃあ、龍脈の魔力を自分のものにもできるかい?」


「まあな」


「···ん」


「そいつができればほぼ無敵さ。体力の続く限り派手に暴れといで」


「···母ちゃんは厳しいなぁ〜」


「···望むところ」



 神狼族はこのエーレタニア世界を巡る龍脈の魔力を使用することができるんだよ。ボクも一応可能ではあるけど、結構制御が難しいんだ。すごい力だからね。


 サムとウインでもやっとこさってぐらいだけど、継戦能力はあるのである程度は任せても良さそうだ。



「じゃあ担当を決めようか。南はボクとテオ、東をコルメ、北はサム、西はコルメでお願い。トルムは上空から援護しつつ、状況を教えてくれるかな?」


「「「「おう!!」」」」



 これで作戦は決まった。ボクたちが休憩中はアエスさん、エムスさん、ヴィンターさん、レンが対応してくれることになったよ。


 会議が終わると夕方になっていた。


 太陽が外輪山の裏に沈んで空が暗くなり始める。いつもは賑わっている村も、ボクたち以外は全員避難したのでとても静かになっちゃったね。


 今日の夕食はアエスさんがバーベキューを用意してくれたので、温泉小屋の近くでみんなと食べたよ。しっかり食べて明後日に備えなくちゃね!



 翌日···。


 空は黒い雲に覆われていた。



「テオ、これって···」


「ああ。黒魔力嵐だな···」


「向こうも本気でここを潰しに来たって事だね」


「ああ。まぁ、あいつらからすれば、乗っ取ったレクトが拠点だったからな。それをオレたちが潰したんだから、そりゃ本気だろうな」


「ははは。そりゃそうか···」


「ライ、明日からは厳しい戦いになると思うぞ?」


「覚悟の上だよ。今度こそ全滅させてやる。もう···、こんな戦いはさっさと終わらせよう!」


「そうだな。···災厄戦争の悪しき遺産に対して、終末をもたらしてやろうぜ!」


「うん!よろしくね、テオ!」


「おう!とことん付き合うぜ!」



 外は激しい暴風雨だった···。あの時と同じだ···。村が滅んでしまったあの時と···。


 今回は前回のように蹂躙なんてさせない!逆にボクたちが蹂躙してやる!


 そう決意して、明日以降の決戦に向けてゆっくりと休んだんだ。

 今回のハイパースタンピードは無双が効かないほどの大軍勢なので、短期決戦は不可能です。そこで3交代制として休息時間を確保して継戦能力維持に努める作戦としました。オリハルコン鉄板付き防壁があるので、多少の攻撃ではびくともしません。安心して休息できる空間があるのでこういった作戦ができるんですね。しかし贅沢すぎる防壁だなぁ~。


 そしてラストバトルの幕を開ける黒魔力嵐がやってきました!嵐が収まったら攻撃開始の合図なので、緊張感が増しますね。


 さて次回予告ですが、マイカ村の外輪山の頂上すべてを覆いつくほどの数の魔獣がついに姿を現しました!一斉攻撃を仕掛けてきますよ~!対抗するライくんたちも全力全開でこれに立ち向かいます!

 明日より17話連続で(第24話まで)ラストバトルが続きます!大攻防をお楽しみに~!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ