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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第8章(最終章) 災厄戦争の終末をもたらす者たち

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8-3.宝の持ち腐れ?

 明日と明後日がシフト上連休になったので、仕事上がりに新幹線乗って静岡へお出かけ中です。本当に久しぶりに静岡行きますよ〜!宿泊は15年ぶりぐらいかな?

 ただいま東海道新幹線豊橋駅ですね〜。ちょっと奮発してSWorkPシートでのんびり執筆中です。電車の中だとこの座席が一番執筆しやすいですよ!ちょっと高いですけどね。

 マイカ村の地下には災厄戦争時代の研究所の遺跡があったんだ。そこでは神器の材料となる神の金属『オリハルコン』の製造方法が研究されていたんだ。


 そして···、今ボクの目の前にはその金属がある。それもかなり大量だ!


 どうして村の地下にこんなものがあったのかはわからない。···もしかすると、マイカ村はこの研究所を掘り起こすために作られた···?


 もしこの仮説が成立するとなると、カパーの町の領主はこの研究所の事を知ってる可能性があるって事になるよ···。


 これは···。さすがに聞き出すことは悪手だろうね。『なぜ知ってる!?』ってなったらこのオリハルコンを取られる可能性が高い。


 幸いな事に領主にはこの村が滅んだってのは知ってるけども再建したってのは知らない。役所の人たちやスナ隊長がもみ消してるからね。


 さて問題は···。このオリハルコン、どうしよう?



「とりあえずこの金属、どうしようか?」


「ライの村の地下から出たんだから、ライの物だし好きにしたらじゃない」


「えっ!?コルメ、それでいいの?」


「いいも何も、ここはライの村なんだから、そこにあるのは村長であるライの持ち物でしょ?」


「いや、みんなのものじゃなくて···?」


「あのね···。家もそうよ?ライがドワーフにお金出して建てたでしょ?住んでる人たちが作ったものは作った人のものだけど、マイカ村のものってほとんどライの所有物だからね」


「そうなるの!?」


「当たり前じゃないのよ!?タダで家作って避難してきた人たちにプレゼントして住まわせてるわけじゃないでしょ!?」


「その発想はなかったよ···」


「ちょっと···、しっかりしなさいよ!村長!」



 そうか···。確かにボクが稼いだお金で建てまくったなぁ〜。避難してきた人たちのために!って建ててたから、てっきり避難民共有のものって思っちゃってたよ。



「じゃあ、これはボクが使い道を考えていいんだね?」


「むしろライが決めないと先に進まないわよ?」


「わかったよ。で···、どうしよう?」


「ライ。これって加工できるのか?」


「あっ!サム、そう言えば···」


「···方法がここにあるんじゃ?」


「そうだね。ウインの言う通りだよ。じゃあ、もう少し調査してみようか!」



 研究所の区画を探していたら、それっぽい本があったよ。とりあえずペンタさんに頼んでみようかな?


 とりあえずここでの用事は済んだね。目の前のオリハルコンの塊は無限収納カバンに入れて持って帰ることにしたんだ。



 そしてペンタさんに相談しようとしたところ、思わぬことが判明したんだ!



「あれ?小さいかけら···?」



 そう。無限収納カバンから出すと、小さいかけらが出たんだ···。どうやら無限収納カバンから出す時に量を指定して出せるようなんだよ···。


 ちょっとこれにはビックリしたね!



「ほほう···。これが伝説のオリハルコンか···。神器以外の素材状態は初めてだぜ···」


「そうみたいです。これ、加工ってできますか?これが加工方法みたいなんですけど···」


「さすがにすぐに結論は出せんぞ?ちょいと時間をくれ。で?これで何をしようとしとるんだ?」


「薄い板にして外壁に貼り付けたら強度が上がるかな?って···」


「おまっ!?神の金属だぞ!?そんな事に使うのか!?」


「えっ!?じゃ、じゃあどういう使い方がいいんですか?」


「普通なら武器や防具だろうが!?」


「いや、みんな持ってるので必要ないかな?って···」


「···『宝の持ち腐れ』って言葉を知っとるか?」


「一応···」


「はぁ~···。まぁ確かに武器防具作ったところで扱える人間がおらんかったら、それこそ宝の持ち腐れだな···。使わないよりマシか。しかし防具の代わりに壁に鉄板とは···。ある意味防具(・・)ではあるか。わかった。鉄板を作っておくぞ」


「ありがとうございます!あっ、そうだ!門にも使いましょう!」


「···とんでもない村になってしまったな」



 というわけで、ペンタさんたちはオリハルコン板とオリハルコン製ゲートを作ってもらうことにしたんだよ。ただ、加工には莫大な魔力が必要なのが判明したので、無限収納カバンに入っていた魔石をたくさん渡しておいたよ。




 そして、さらに2ヶ月が経った···。



「···なぁ、ライ?」


「ん?テオ、どうしたの?」


「このマイカ村、もう村ってレベルじゃなくなったな」


「そう?みんなそう言うけど、あれから人口増えてないし、町って呼べるほどじゃないと思うけど?」



 ちょっと山の方から今のマイカ村を見て、テオが感想を言ったんだけど···、そうなのかな?


 村はぐるっと1周壁で囲い込みが完了して、さらにオリハルコン鉄板を貼り付けた。


 当初は水色にキラキラ輝いていたので、ちょっと工夫して汚れをつけてみたんだ。これはペンタさんから『オリハルコンがあるって見せつけてるようなもんだ!偽装するぞ!』って事なんだ。この発想もなかったよ。


 ちなみにこの壁には上方へ魔力障壁を展開できるようになっている。結構魔石を使うけど、命を守るためにはケチらないよ!


 そして、コルメが掘っていた緊急脱出用トンネルも開通した。ふもとの出口は滝の裏にしてある。


 そこには広い空間があったので備蓄倉庫を建てて避難生活ができるようにしておいた。もちろん、この建物もオリハルコン鉄板を使った。重要な建物だからね!


 発見したオリハルコンは9割を使い切った。でも、使ったオリハルコンも回収して再利用できるみたいだよ。


 村の中ではお店もできた。飲食店以外にも服屋さんとかもできて、少しずつ村に避難している人たちが明るくなっていったのは嬉しいね。


 畑ではブロンデルさんの農業指導によって収穫量が激増した。やっぱり来てもらってよかったよ!喜んでいる人の顔を見てブロンデルさんも『来たかいがあったな』って言ってくれたのはボクとしても嬉しかったね。


 避難した人たちもマイカ村になじんで慣れたみたいだね。活気あふれる村になったんだよ。



「これ、もう何が起きても大丈夫じゃね?」


「そうかな?まぁ、何が起きても対処するけどね」



 そんな事を考えつつ、ボクは村を見つめていた。


 思えば何もなかった村にこんな立派な壁やたくさんの家、そして広大な畑ができるなんて思わなかったなぁ〜。この状況を天国に行ったパパやママ、村のみんなはどう思うかな?『やり過ぎ!』って思われてるかもしれないなぁ〜。ははは!



「ん?おい、ライ!どこかのドラゴン族が戻ってきたぞ」


「え?···ほとんど見えてないんだけど、テオはよく見えるね」


「ああ。あれは···、白銀竜だな!」


「アルブさんたちかな?じゃあ村に戻ってお迎えしようね」



 ボクとテオは村に戻った。しばらくして白銀竜の一団が広場に降り立った。



「やっぱりアルブさんだ!」


「おお、ライ!」


「お帰りなさい。集落候補は見つかりましたか?」


「一応それっぽい場所は見つけたのだが、それは後でいい!少しまずい事になってきててな。急ぎ戻ってきたんだ」


「え?まずいこと···、ですか?」


「ああ。この村に向けてとてつもない量の魔獣が進軍してきているぞ!」


「ええっ!?ここ最近は魔獣はほとんど見かけないってどこも言ってたのに···」


「しかも一方向だけじゃないんだ!いろんな方角からここを目指してるようだぞ!?」


「そんな!?···まさか、悪神ボイドのしわざ?」


「かもしれんな···。取り急ぎほかの種族のドラゴン族にも緊急で戻るよう連絡はしておいた。だが、間に合うかは微妙だな···」


「わかりました!すぐに状況を確認して避難準備を始めます!」



 マイカ村を包囲するような魔獣の軍勢···。いったいどれぐらいの規模なんだろうか···?

 一般的に希少金属って武器防具に使われるのがセオリーです。ところがライくんたちはすでに神器を持ってるので、武器防具にする必要性が薄いんですね。

 ですが、使わないという手はもったいないので、防壁にオリハルコン鉄板をくっつけるという方法にしました。こんなぜいたくな使い方してる作品はほとんどないんじゃないでしょうかね(笑)?


 そうして完成した村を見てテオくんは呆れてました(笑)。おそらく世界で一番の鉄壁(リアルに)でしょうね。


 さて次回予告ですが、アルブさんから驚愕の情報がもたらされました。急いで状況を確認すると、複数の方向からスタンピードがマイカ村に向かって進んでいることが判明します。

 避難に多少の猶予があるので、村民をできたての緊急避難トンネルへ逃がす準備を始めますよ。


 ラストバトルの準備回です。お楽しみに〜!

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