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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第8章(最終章) 災厄戦争の終末をもたらす者たち

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8-2.マイカ村の地下遺跡

 材料がない!という問題を解決しようとして地下の調査を賢者の遺産の知識にあった探索魔法で調べたところ、地下に遺跡らしきものがあることが判明したんだ。もちろん鉱脈もあったよ。


 鉱脈の方はドワーフの皆さんが掘ってくれることになった。入口だけコルメが作って、そこから掘ってくれるようだ。


 ボクたちは遺跡調査に向かった。何があっても対応できるようにSランクメンバー全員で挑むよ!



「コルメ、ここからまっすぐが最短だよ」


「わかったわ!さあ!行きましょうかね〜!」



 遺跡は現在掘っている『緊急脱出用トンネル』からかなり近い位置にあったので、トンネルの途中からコルメに掘ってもらう事にしたんだ。


 ちなみにこのトンネルの入口はボクが今住んでいる長屋の裏庭の倉庫なんだ。


 入口もダミーの木箱に似せた鉄扉を開ける必要があるんだ。トンネル側からカギをかけると外からは入れなくなる仕組みとなっていて、時間稼ぎができるんだ。これも賢者の遺産の知識にあったんだよ。



 話を戻して、コルメがトンネルの壁をストーンランスのドリル5本同時で穴を掘り始めた!



 ズドドドド!!



 ボクが以前、温泉を掘った時よりも勢いがすごい!どうもコルメは魔法をいろいろ改良したようだね。ストーンランスじゃなくてドリルランスって言ったほうがいいかな?···結構強そうな魔法な気がするね。


 掘り出された土はちゃんと回収して防壁建設に回すよ。



 掘り出して10分。すると『ドカッ!!』って違う音がしたんだ。どうやら貫通できたみたいだよ。



「本当に近くだったわね〜!さあ、中に入りましょ!」


「うん!」


「気を付けて進もうぜ!」


「お宝あるか〜?」


「(ハムハム)···さっさと終わらす」


「何があるでしょうね〜?」



 コルメ、ボク、テオ、サム、ウイン、トルムの順で開けた穴から遺跡に入った。



 遺跡は石造りで、ところどころ柱が倒れたり床が抜けている個所もあるけども、しっかりとした造りのようだった。


 まるで建物丸ごといきなり埋もれたような感じがしているよ。いつの時代のものなんだろうか?


 ボクたちがいる場所はどうやら通路っぽい場所のようだ。左右の奥まで通路があり、ところどころに取っ手のない扉があったよ。



「見たことない遺跡ね···。いつの時代のものかしら?」


「扉に取っ手がないなんて、どうやって開けるんでしょうね?」



 コルメとトルムが遺跡を見てつぶやいた。そしてサムがボクに聞いてきたよ。



「おい、ライ?賢者の遺産は何か知ってないのかよ?」


「···どうも知らないっぽいよ、サム。とりあえず調べてみようか?」


「そうだな···。雰囲気からしてダンジョンじゃなさそうだ。ワナは···、なさそうだけど床が抜けやすいようだ。一応オレが先頭で歩くぜ。みんなはオレの後ろについて来い」



 サムを先頭に、ボクたちは通路をまずは右へ向かった。


 一番奥に階段があったけど、崩壊していたよ。でもみんな身体強化して飛び上がった。


 上の階も似たような作りだった。これは扉を一つずつ開けてみるしかなさそうだね。


 扉の右側には数字が書かれていたよ。ここは402···?ここは4階って事?ここに誰か住んでたのかな?


 ここも扉の取っ手はなかったので、ウインが扉を斬っちゃった···。



「···ん。···そんなに分厚くない」


「あんまり壊しちゃいけないんだろうけど···。仕方ないか···」



 予想通りここは宿の部屋と似た作りだった。ベッドに机、お手洗いに···、シャワーかな?


 そしてベッドには白骨化した遺体があったよ。ここに住んでいた人なんだろうね。


 そして机にはいろんな本があり、開いている本は日記のようだった。


 ページをめくっていく。すると···、最後の日付が書かれていた。



『グロー歴927年4月34日』



「···ここは災厄戦争まっただ中の建物のようだよ」


「ということは···、軍事施設って事か?」


「まだわかんないよ、テオ。でも···、何か関係ありそうではあるね」


「日記にはほかに何が書いてあるんだよ?」


「え~っと···、『ついに神器に使われる材質の特定が完了した。エーレタニアの夜空に浮かぶ星からやって来た者たちが、製造方法を教えてくれたのだ』だって!?」


「ちょっと待て、ライ!あの光ってる星からやって来ただって!?」


「テオ、ボクもちょっと信じられないよ···。あれ?『存在してる』って賢者の遺産が言ってる···」


「マジかよ···。そんな連中がいるんだな···」



 ボクもビックリだった···。遺産の知識に問いかけたら返答あったってことは、アキさんは接触したことがあるんだね。



「神器ってオレたちが使ってる魔力剣とかだよな?」


「そうね、サム。この『蓄魔の腕輪』もそうよ」


「僕のダーツもそうですよ。神が創ったとされるものですけど···、人の手で作ろうとしてたって事ですか?」


「そうみたいだね、トルム」


「···どんな方法?」


「ちょっと待って、ウイン。そこまでは書いてないみたいだけど、続きを読むね。『試作に成功したものの、その直後にこの秘密の研究所は攻撃を受けた。単に破壊するではなく丸ごと埋めてしまったのだ。どうも敵側はこちらの技術を無傷で手に入れたいと考えて、生き埋めにして後で掘り返そうと考えたようだ。だが甘い。この金属は作ってすぐはただの金属のままなのだ。龍脈に近い場所で永い時をかけて龍脈の魔力を吸収して生成されるものだったのだ。仮に製造方法や試作品を奪われても、奴らが使おうとした時にはすでに生きてはいまい。戦争に投入はできなかったが、敵に利用されることもない』だって」


「という事は、ここは龍脈に近い場所で、さらにはこの日記から670年以上経ってるから···」


「うん、テオの予想通りっぽいね。ここにその金属がある可能性が高いよ。···あっ!?そう言えばこの遺跡の近くに鉱脈があるんだよ!」


「ということは···!?」



 そういう事か!この研究所で精錬された神の金属がここに眠っているってことになるよ。



「探してみる価値はありそうだね!まずはこの研究所とやらを調べてみようか!」



 建物は4階建てだったようで、ここからは下へ降りていくことになった。重要な建物だったのか、かなり頑丈な作りをしていたようだね。こんなにも永い間埋もれていたのにひどく壊れてなかったんだから。


 どうも3階と4階は居住スペースだったようだ。見たことのない機械がたくさんあったけどね。


 そして···、1階と2階は研究スペースだったようだ。こちらも見たことのない機材ばかりが置いてあったんだ。



 そして···、発見したんだ。


 場所は1階の中央だった。大きな装置の上にうっすらと青く光る巨大な金属の塊があったんだ!



「ライ?これか?」


「テオ、そうみたい」


「きれいな水色をしてるわね···」


「これが神器の元かよ···」


「見てるだけで神聖な気がしますよ」


「···名前ってあるの?」


「え〜っと···、あった!」



 装置に書かれていたその金属の名前は···、


『オリハルコン』

 このエーレタニアの世界にもありました!希少金属が!

 異世界ファンタジーものだと希少金属は魔法金属とも言われることもありますが、本作でも同様です。

 最終話後のネタバレ集にも書きますが、数ある希少金属の中で一番出したかったのがこのオリハルコンでした。リメイクされた某竜退治の3作品目のファミコン版で初めて知った金属だったからというのも有ります。

 神器の物質ではありますが、人の手で神器は作れません。神様がゴッドポイントという神の力を使って神器になるという設定です。

 ちなみにこの世界ではこの上位の物質があります。『万能物質』というもので、神様の最上位にいる創世神がその世界の神様に授ける形なんですね。賢者の遺産もこの万能物質から創造されたものなんです。


 ちなみに材質を特定した宇宙人というのはアキくんと続編第7章で接触したジョー、トミー、リーさんです。この宇宙人たち、興味本位で調べちゃって当時の人に教えちゃったようですよ。


 さて次回予告ですが、発見したオリハルコンですが、持って帰って使い道を考えます。ライくんはこのオリハルコンをどのように使うのでしょうか?


 それではお楽しみに〜!

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