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【完結済】継承者ライ、荒廃した世界を生き抜く!  作者: ぷちきゅう
第8章(最終章) 災厄戦争の終末をもたらす者たち

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201/229

8-1.資材がないなら温泉掘ればいいじゃない!?

 本日より最終章全28話が始まりますよ~!

 ボクたちが浮遊大陸から戻って2か月が経った。


 約束通りブロンデルさん一家4人がマイカ村に来てくれた。ボクとテオ、コルメで浮遊大陸へ迎えに行ったんだ。



「ふむ···。土としてはなかなか良質なほうだな。これだと肥料は···」



 さっそく村の畑の土の調査をしてくれて適した肥料の調合と試験を始めてくれた。次の収穫が楽しみになってきたね!


 賢者の遺産が提案した防壁強化計画は順調に進んだよ。文句と嫌味をマイスちゃんからものすごく言われたけど、彼女はきっちりと仕事をこなしてくれたんだ。


 マイスちゃんにはそこそこな人数の職人さんがついてくれた。全員ドワーフじゃなくて避難してきている人たちばかりなんだ。ドワーフの皆さんからは嫌われているマイスちゃんだけど、職人さんが材料を製造したりしてくれているおかげで壁づくりは順調に進んでいたんだよ。いいチームになったんじゃないかな?


 そして防壁は一応完成したんだ。まだ門ができてないけどね。材料がなくて困ってるんだ。鉄があればグランドの町の鍛冶職人であるアトさんに鉄板を作ってもらってボクが雷魔法の高周波焼き入れをして製作するんだけどね。


 そう、材料枯渇が今のマイカ村の深刻な問題となっていたんだ。



 そこで避難してきている町の町長さんにお話を伺ったんだ。どこで材料とか製品を仕入れたのか?ってね。すると···、



『普段は所属する国とのやりとりで商隊がやって来て入手している』


『町の近くの鉱山から入手している』


『それ以外とは交流がほぼない。街道には魔獣がよく出没するので、冒険者ですら危険すぎて少人数での移動は不可』



 との事だった。


 一応、ボクが村長としてほかの町にも調達できないか聞いてみたんだけど、どこも自分の町の需要を満たすだけで精一杯との事だった。


 ダイナモではカソドさんから『ライくんたちがいるのに防壁が必要なのか?』って言われちゃった···。まぁ、ほかの町からすればマイカ村は戦力が過剰すぎるから必要ないって思われちゃうよね?


 というわけで賢者の遺産に相談してみたんだ。すると···、



『資材がないなら温泉を追加で掘ろうね!!』



 ···想定外の回答だったんだよ。



「どうしてそういう結論になるんですか···?温泉大好きなのはわかりますけど···」


『そもそも温泉は鉱山なんだよ。今運営している温泉には重金属が含まれていないけど、中には入浴に適さない重金属(ヒ素とか)が多量に含まれていることがあるんだ。それに含鉄泉という鉄分やアルミニウムを含む素晴らしい温泉もあるしね~!硫黄泉なら硫黄が採れるから、火薬の原料にもなるしね。ここは馬蹄型カルデラだから昔の火山の跡だし、そういうのを掘り当てるためにも温泉を追加で掘ったほうがいいんだよ~!仮に出なくても湧出量が多くなればそれだけたくさんの人に温泉をた~のし~!って喜んでもらえるよ!』



 ということだそうだ。そうか···、温泉は鉱山なのか。ないなら掘るってのはやってみる価値があるかもしれないね。


 実は今、コルメとトルムには1本トンネルを掘ってもらってるんだ。以前賢者の遺産から提案があった『緊急脱出用トンネル』を掘ってもらってるんだよ。掘り出された土は防壁建設に流用させてもらってるんだ。まもなくふもとまで貫通するらしいけどね。



『なかなか掘るのも面白いわね~!固い岩盤があったけど、砕いた時のあの重低音がたまらないわ~!ストーンランスにこんな使い方があるなんてね~!』



 ボクが以前温泉掘った際のストーンランスの魔法を応用したドリル魔法をコルメに教えたら意外とハマったみたいだよ。もちろん、崩れないようにコルメが土魔法で掘ったトンネルの壁は補強されている。


トルムはつるはしで掘ってるみたいだ。



『これはなかなか体が鍛えられますよ~!素手や爪でも結構簡単に掘れるんですよ~!』



 ···うん、さすがドラゴン族だね。いくら身体強化魔法をかけても、ボクの素手で岩盤はくりぬけないからなぁ~。



 さて!それじゃあボクも温泉を掘ってみようか!まずは場所の選定をする必要があるね。これについては賢者の遺産の知識にある魔法を使うことで探査ができるそうだ。この魔法は大きな音がするそうなので、村の壁の外でやることになったよ。



「え~っと···、アキさん?これ、わざわざ言わなきゃいけないんです?」


『もちろん!エーレタニアの魔法は詠唱いらないのが今やほとんどになっちゃってるけど、昔は詠唱する魔法もあったんだよ。これはボクが使ってた魔法だけどこれだけは詠唱が必要なんだよね』


「そうなんですね。わかりました!じゃあやってみます!」



 賢者の遺産の知識にあった詠唱文を読み上げた!



「ボクのこぶしが光ってうなる!鉱山を探し出せ!と輝き叫ぶぅ!」



 ボクが魔法の詠唱を始めると、右手拳が光りだしてきた!輝きが最大になった時に、詠唱文の最後の部分を叫んだ!



「ひっさーーつ!クエイクぱーんち!!」



 光り輝く右手拳を地面に叩きつけると、ドーーーン!という大きな音が周囲に響き渡った!


 そしてボクは賢者の遺産の知識から指示された通りスマホの地図アプリを開いた。すると···!?



「え?これって···?」


『ん~~!?こ、これは···!?』



 地図アプリが平面表示から立体表示になった。どうもさっきのボクのぱーんち!の音で地面の下の状況がわかるみたいだよ。


 すると、マイカ村からふもとに向かって一直線で掘っているトンネルが表示された。そしてそのトンネルからちょっと離れた場所に大きな空洞みたいなものがあったんだ。


 あと、黄色に光っている部分が鉱石がある場所らしい。これもその空洞にたくさんあったんだ。あとは温泉脈まで表示されていたよ。この空洞っていったいなんなんだろうね?



『ライくん。この空洞はどうも遺跡っぽいね。調査したほうがいいかもね。あと、鉱脈もちゃんとあったから、掘ればいい鉱石が出ると思うよ』


「すごい魔法ですね···。こんなことがわかるなんて···」


『元は地下ダンジョンで魔獣位置を探る魔法なんだけどね。温泉の場所も判明したから、もっと楽しんでもらってね』


「はい!ありがとうございました!」



 翌日···。


 ボクはトンネルを掘ってるコルメとトルムに事情を話したんだ。トンネルの近くに遺跡があるかもしれないということで、サムとウインにも来てもらったんだ。



「遺跡ね~。トンネルの近くにあるなんて思わなかったわね」


「どんな遺跡なんでしょうね?なにかいいものがあればいいですね!」


「そうだね、コルメ、トルム。あと、サムとウインも来てもらったのは、何があるかわからないからなんだよ。サムはワナとかもわかるんでしょ?」


「まあな。そういった探査ものも得意ではあるけどな」


「(ハムハム)···ん。···サムに任せておけばいい」


「ウイン···、どんだけ食ってんだよ?」


「(ハムハム)···アレバのパンの試作品。···窯が変わったから試食の手伝い(・・・・・・)


「だからウインは最近腕周りに肉がつい(・・・・)···、ウォッ!?あ、あっぶねーー!おい!いきなり何しやがるんだ!?今首狙っただろ!?」


「···サムはデリカシーなさすぎ!」


「本当のことじゃね!?ちょ!?ま、待てよ!!わ、悪かったって!!腕以外にも足にも(・・・)!?うわっ!」



 サムがまた余計なことを言っちゃったのでウインがキレちゃったよ···。魔力剣を真剣モードのままサムに襲い掛かってたよ。というかウイン、気にしていたんだね···。



「あはは···」


「これから危険があるかもしれないって時に···。まぁいつも通りだけどね」


「相変わらずいいコンビですよね~」



 どうやらサムとウインの準備運動(・・・・)も終わったようなので出発しようか!

 アキくんの言う通り、温泉は鉱山なんです。日本の温泉法では『25℃以上または法で定める成分が基準値以上含有して湧出する地下水』を温泉と定義しており、25℃未満で成分が基準値以上含有していると『冷鉱泉』と呼ばれるんです。『鉱』の字が入ってるんですね〜。

 実際に鉱山を掘るつもりが温泉出ちゃった!という例もあるんです。群馬県の草津温泉の万代鉱温泉がそうですね。掘ってみないと何が出るかわかんないんですよ。

 マイカ村は元火山の火口ですから、鉱物資源はかなりあるはずなんです。というわけで前作でアキくんが使っていた、地震波を利用した探索魔法を応用して地中を調べたら、鉱物もですけど遺跡が埋まってました!何が埋まってるのかわからないものですね。


 さて次回予告ですが、埋まってる遺跡を調査しますよ〜!何の遺跡なんでしょうね?


 それではお楽しみに〜!

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